2023-01-01から1年間の記事一覧

「中村哲の挑戦」でロングインタビューを観る

いま竹中工務店のギャラリーA4(エークワッド)で「中村哲の挑戦」展をやっている。これがすばらしい。 東京・江東区の竹中工務店本社 1階のGallery A 4で6月22日まで 中村さんが、らい(ハンセン病)患者の足を保護するために独自に研究・開発したサンダ…

北朝鮮:サイバー攻撃で核ミサイル開発の資金調達

テレビのニュース番組で仕事をしている友人が石垣島に急遽出張になった。 台風とミサイル警戒の取材だという。「ミサイル」とは、北朝鮮が31日以降に「人工衛星」として通告した弾道ミサイルの発射計画だ。軍事偵察衛星が搭載され、北朝鮮北西部の平安北道・…

送還の恐怖に怯えるクルド人―入管法改正をめぐって

先週末、友人の写真スタジオでモンゴルの馬頭琴の奏者、ボルドエルデネさんの演奏を聴いた。 馬頭琴とホーミーの夕べ 馬頭琴を弾くボルドエルデネさん すぐ近くで奏でられる馬頭琴の音の振動が肌から染み込んでいくようで圧倒された。彼はホーミーでも全国大…

連載50周年を迎える「はだしのゲン」

先々週のことになるが、NHK『国際報道』の酒井美帆キャスターのフィンランド取材を特集していた。 酒井美帆キャスターの物おじしない取材態度がよかった(国際報道より) フィンランドは幸福度ランキングで6年連続世界一。男女平等を示す指数で世界2位、女性…

被爆者を失望させた広島G7

先日、香港出身のジャーナリスト、クレ・カオルさんの講演会に行ってきた。 クレ・カオルさん。東京外国語大学での講演(5月20日) 東京外国語大学での写真展 彼はウクライナに、ロシアが侵略する前から入って、いまも取材を続けている。去年、彼の話を聴い…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側③

「立夏」をすぎて節季は「小満(しょうまん)」。 あらゆる命が満ちていく時期、太陽を浴び、万物がすくすくと育つ季節、だそうだ。 歩道に初夏の花、タチアオイが咲く。早いな。花は下から順に上に咲いていく。 21日から初候「蚕起食桑(かいこおきて、くわ…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側②

G7首脳が広島にそろい、原爆の犠牲者たちを追悼した。 NHK国際報道より これまで観たことのない光景で感慨深い。首脳らの平和記念資料館見学のようすは非公開だが、資料館から出てきた一般の外国人のなかに言葉を詰まらせる人がいるのも印象的だった。 私は…

統一協会によるスラップ訴訟との闘い

きょう午後、東京地裁で「旧統一教会スラップ訴訟・有田芳生事件」の第1回口頭弁論があった。傍聴席68は満席。 東京地裁 この訴訟は、去年8月19日の日本テレビ「スッキリ」にゲストとして出演した有田さんの以下の発言が名誉棄損だとして、世界平和統一家庭…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側

スクープを狙うのはジャーナリストの常だが、スクープと言ってもいろいろある。 新聞記者の世界で典型的なのは、いずれ発表される情報を他社より早く「抜く」スクープだ。単純明快だが、予定より数日、あるいは数時間早く報じられることで、世の中が変わるこ…

中村哲医師と不動明王2

夜のニュースを伝えるテレビに怒鳴ってしまった。 衆議院であの入管法改正法案が採択された。 「不法滞在中の外国人が入管施設で長期収容されている問題の解消を図る入管法改正案は9日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。審議は参院に移るが…

中村哲医師と不動明王

先月の八重山の旅より。 鳩間島に日帰りで訪れた。この島は、かつてはカツオ漁が盛んで700人が暮らしたそうだが、いま実際に住んでいる人はわずかに30人内外だという。周囲3.9キロの小さな島で、亜熱帯の樹林が広がるワイルドな自然と売店も何もない美しい海…

難民申請者を送還する入管法改正案

きのう5日は、茨城県龍ヶ崎市で『医師中村哲 仕事・働くということ』の自主上映会があり、アフタートークに呼ばれた。 『医師中村哲の仕事・働くということ』 50人の会場から質問がいくつも寄せられ、ある大学生からは将来の進路を考えるヒントをと求められ…

普天間基地ゲートでゴスペルを歌う

憲法記念日ということで、いろいろ思うことがある。 一昨日の5月1日(月)、沖縄で「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」の活動を取材した。 普天間基地は、世界でもっとも危険な軍事基地とも言われていて、この基地の移転問題から辺野古移設へとつなが…

長井健司さんのビデオカメラが戻ってきた

2007年にミャンマーで取材中に亡くなったジャーナリストの長井健司さんのビデオカメラが、26日、16年ぶりに遺族のもとに戻った。 長井さんは当時の軍事政権に反対する抗議デモの取材中に銃撃され、警視庁は遺体の司法解剖から「1メートル以内の至近距離から…

統一協会と「赤報隊事件」2

安倍晋三元首相の死去に伴う衆院補選で、ジャーナリストの有田芳生さんが、「安倍後継」を標榜する吉田真次氏に挑んだ山口4区(山口県下関市、長門市)。 結果は吉田5万1961票、有田2万5595票と敗れたが、吉田氏の得票を前回の安倍元首相の8万票余りから激減…

学術会議法:首相よ歌え 母校の校歌

きょうは投票日。少しでもマシな候補をしっかり選びたい。 それにしても地方選挙とはいえ、気候変動・カーボンニュートラルを重要公約に挙げる候補がほとんどいないのはどうしたことか。このあたりも日本の「後進国」ぶりがうかがえる。 アフガニスタン取材…

若者よ選挙に行こう

長いことブログをご無沙汰しました。沖縄の八重山諸島をめぐる旅をしていて、20日に帰宅しました。おかげさまで、事故も病気もなくすばらしい旅を終えることができました。旅を少しづつ報告していきます。 八重山の旅:与那国島 与那国島は日本最西端の島で…

統一協会と「赤報隊事件」―『記者襲撃』より

統一協会と「赤報隊事件」(1987年5月3日の朝日新聞阪神支局襲撃事件)の関係については、元朝日新聞記者の樋田毅さんが『記者襲撃ー赤報隊事件30年目の真実』(岩波書店)で詳しく書いている。 2018年岩波書店 樋田さんは早稲田大学で1972年に起きた「川口…

統一協会と「赤報隊事件」の闇

きょうはよく晴れたので、多摩湖自転車道をサイクリングして多摩湖まで行った。もうモクレンや桜はほぼ終わり、ツツジが咲いている。今年は何でも早いな。 多摩湖自転車道 坂本龍一さんが亡くなった。つねに積極的に社会的メッセージを伝えようとしていた坂…

選挙で統一協会問題を問え

おととし3月に名古屋市の入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族が国に賠償を求めている裁判で、きのう、遺族の弁護団は、証拠として提出された収容中の女性が体調を悪化させていく様子を写した映像5時間のうち約5…

有田芳生さん、安倍元総理のお膝元で闘いを挑む

安倍晋三元首相の死去に伴う衆院山口4区補選(4月11日告示、23日投開票)に、ジャーナリストの有田芳生さんが立憲民主党公認で立候補する。 山口4区には安倍後援会が推す前下関市議の吉田真次氏(38)が自民党公認で立候補を表明しており、有田さんは安倍氏…

スクープの裏側 爆破された大韓航空機の機体発見

朝刊の訃報を見て驚いた。テレビ朝日の記者、コメンテーターだった川村晃司さんが亡くなったという。公私ともに大変お世話になった方で、ご冥福をお祈りします。 川村晃司さん(BSテレ朝) 朝日新聞朝刊2日付 川村さんといえば、まず『ニュースステーション…

放送の公平原則撤廃が生んだトランプ大統領

松井孝典(たかふみ)さんの訃報を新聞で知った。前立腺がんで77歳で亡くなったという。 松井孝典さん(wikipediaより) 日本の惑星科学の第一人者で学際的な地球学を唱えている。1986年、英国の科学雑誌『ネイチャー』に海の誕生を解明した「水惑星の理論」…

衝撃のドキュメンタリー映画『ナワリヌイ』

映画『ナワリヌイ』を観てきた。去年6月公開なので、遅ればせながら、なのだが、衝撃のドキュメンタリーだった。すばらしい。 以下は作品オフィシャルサイトの解説― 《ロシア反体制派のカリスマ、アレクセイ・ナワリヌイを追ったドキュメンタリー。プーチン…

ブチャ虐殺1年のウクライナ

桜は満開だが、あいにく雨がつづく。 畑はさまざまな菜の花が花盛り。小松菜、からし菜、のらぼう菜(関東の野菜)、ブロッコリーみなアブラナ科で黄色い花をつけている。 私がやっている体験農園の菜の花 まだ3月というのに、東京は夏日になったという。あ…

今も侵される放送法の精神

東京は花曇りの一日だった。自宅から近い野川沿いには桜並木があり、家族連れが花見を楽しんでいた。 野川は多摩川水系の川。都会では珍しく、子どもたちが水辺で遊ぶ姿が見られる。(筆者撮影) 春分のきょう、2023年3月21日は、ジャラーリー暦(ペルシャ暦…

イラク戦争開戦20年を迎えて

明日3月20日で、イラク戦争開戦から20年になる。 今から思えば、アメリカによる露骨な侵略で、ひどい戦争だった。いまロシアに対して投げつけられる非難がそっくり当てはまる。 アメリカは国連安全保障理事会の決議を得ずに、先制攻撃としてイラクへの武力行…

放送法の「不偏不党」は政治への要請

お知らせです。 高世仁のニュース・パンフォーカスNo.34「アフガニスタン・リポート③中村医師の実践に見る異文化との共生」を公開しました。ご関心あればお読みください。アフガニスタンでなぜタリバンが支持されるのかも理解できると思います。 www.tsunagi…

放送法解釈問題は森友・加計問題の先駆け

一つお知らせです。 15日発売の月刊誌『望星』4月号に、私が寄稿した「アフガニスタンで起きていること―タリバン政権はどこへ向かうのか」が掲載されています。ご関心ある方は、どうぞお読みください。望星の最新号【647号 (発売日2023年03月15日)】| 雑誌/…

「私がここにいるわけ」高校生に語るコスモロジー④

12日の日曜日は、私が中村哲医師とアフガニスタンについてお話する会があった。 場所は「憩い広場びいだま」で、私と同じ国分寺市在住のYさんが、地域の人が気軽に寄り合う場所として平成4年4月4日にオープンした。Yさんは奥さんと共に、自分の畑で作る野…