「私がここにいるわけ」高校生に語るコスモロジー④

 12日の日曜日は、私が中村哲医師とアフガニスタンについてお話する会があった。

 場所は「憩い広場びいだま」で、私と同じ国分寺市在住のYさんが、地域の人が気軽に寄り合う場所として平成4年4月4日にオープンした。Yさんは奥さんと共に、自分の畑で作る野菜を食材にしたカフェをひらくのが夢だったそうで、定年退職したのを機に、自宅のそばにログハウスを建てた。ここではいろんなイベントがあり、冒険家の阿部雅龍さんやジャーナリストの小松由佳さんなど私の知り合いもお話会をやっている

びいだま

懇親会のあと、みんなで

トークのポスター


 Yさん夫妻を入れて約20人にお話ししたが、みなさんとても熱心に聴いてくださり、質問もたくさん出て、中村哲さんへの関心が高いことをあらためて感じた。

 去年7月に公開された中村さんの映画『荒野に希望の灯をともす』は2月末までに全国66館で上映され、各地でロングランを記録。自主上映の動きも広がっているという。

 ペシャワール会」の会員と支援者は、中村さんが亡くなった2019年12月時点の1万6千人が、現在では1万人増えて2万6千人に急増している。ロシアによるウクライナ侵攻など、戦争を間近に感じさせる時代背景もあるのだろうか。中村さんをもっと知ろうという一つのムーブメントが起きているように感じられる。

 これからも自分なりの文章、動画、トーク(書く、撮る、話す)の活動で、微力ながら中村さんの行動とメッセージを伝えていきたい。私の講演、原稿などをご希望でしたら、メールtakase22@gmail.comでお問い合わせください。
・・・・・・・・・

 

 きのう13日からマスク着用が「個人の判断」となった。

 きょう都心、赤坂見附に用事で出かけたが、電車のなかはもちろん、外を歩いている人もほとんどの人(95%以上)がマスクをつけていた。他人の目が気になるのか。

長い列は「しろたえ」という喫茶店入店希望者(赤坂見附)。みなマスクをつけていた(筆者撮影)

 今朝の「モーニングショー」。小中高生300人に「マスクを外すことに抵抗は?」と聞いたところ、ほぼ9割が「抵抗がある」と答えたという。その理由は「恥ずかしい」、「自分の顔に自信がない」、「友達にどう思われるか不安」、「顔全体をさらしたくない」などなど

「抵抗がある」が89.3%(テレ朝「モーニングショー」より)

その理由

 識者が、思春期は他人の目が気になるものだから・・みたいなコメントをしていたが、これは思春期一般の問題ではなく、自己肯定感が異様に低い日本の若者の傾向だと思う。同じ年代の他国の少年少女に聞いたら、このような答えにはならないだろう。

目元しか見たことがない友達は?に「いる」が86%!!

 すでにまる3年もマスク生活をしていて、素顔を見たことがない同級生がたくさんいるまま卒業なんてことが起きそうだ。人間形成に大きな影響を及ぼすのではないか。心配だ。
・・・・・・・・

 さて、「私はなぜ存在するのか」の連載の続きだが、今回でパート1の区切りになる。次のパートは、今月末から連載します。

 

 どう、ここまで、難しかった?

 いったん休憩するけど、その前にまとめとして、「気づき」の時間を持とう。

 いつもは見過ごしていることをあらためてちゃんと見ると、あ、そうだったんだ!と発見したりするよね。感動したりもする。それが「気づき」ということ。

 今まで見てきた客観的な事実を、こんどは他人事じゃなくて自分事としてとらえ直してみる。まあ、だまされたつもりで(笑)、やってみよう。

 おさらいすると、宇宙のはじまりのとき、全宇宙に今あるエネルギーのすべてが一点に集まっていた。そしてそのエネルギーから、宇宙のすべての物質のもとが生まれたんだったね。

 そうすると、宇宙は一つだっていうことにならない?宇宙がエネルギーとしても,物質としても一点から広がっていった。風船を膨らませることを考えてみて。どんどん膨らんで、どんなに大きくなっても風船は一つだよね。だから、この広大な宇宙はばらばらに見えるけど、間違いなく一つなんだ。

 そして、これを自分事としてとらえ直す。宇宙を見る視点を変えちゃって、あくまで自分との関係で見ていく。

 「宇宙」というと、「むこう」にある、暗闇がどこまでも広がって星が光ってる冷たい空間、みたいなのをイメージしがちだよね。自分とは関係ない遠いどこか、なんて。でも、考えてみて。いま宙くんはどこにいるの?宇宙の真っただ中にいるんだよ。違う?

 ほら、寒いけど庭の梅の花がほころんで春に向かう今、ここ。ロシアがウクライナを侵攻してるこの地球。ここが宇宙だよね。

 私と宇宙、じゃなくて、私の宇宙。まぎれもなく宙くんも宇宙の一部だよね。

 はい、では、小さな一点から宇宙が風船のように膨らんでいって大きくなるのを思い浮かべて。その宇宙の真ん中に自分もいる。そして、心の中で、こう自分に言い聞かせてみよう。

「この宇宙は、はじめから今までずっと一つだ」

 どんな感じがするかな。

 ぼくたちの体は物質からできていて、その物質は宇宙エネルギーが変換したものだったね。そして、物質にはエネルギーがものすごく凝縮している。心の中でこう言ってみよう。

「私は、ものすごく大きな宇宙エネルギーのかたまりだ」

 身体の底から力がこみあげてくるように感じられるといいね。
 宙くんの体は、たくさんの水素原子でできていて、それは138億年前に宇宙が生まれてすぐに―138億年に比べりゃ38万年は「すぐ」だよね―できたんだったね。じゃあ、こう言い聞かせよう。

「私の体には、宇宙138億年の歴史が込められている」

 自分は「ちっぽけ」だ、なんて感覚をぶっとばそう。

 宇宙はエネルギーで見ても一つ、物質という点で見ても一つ。で、ぼくたちはそのエネルギーと物質でできている。宇宙の一部だよね。すると、こうなるんじゃない。

「私とこの一つの宇宙は一体だ」

 宙くん、笑顔が出てきたね。ということで、ちょっと休憩。コーヒーでも飲もうか。

(つづく)