アサツキを鉢植えにしていたら、きょう花をつけた。
淡い紫の花が意外にきれいで見とれた。
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連載にしながら、途中で別のテーマを書き出して、すっかり忘れてしまうことがよくある。3月の「私がここにいるわけ」の続きはどうしたんだ、とお叱りを受けて気がついた。失礼しました。
いくつか注釈。
連載の③で、テレビのスタジオに招かれた高校生が、「なぜ人を殺してはいけないのか分からない」と発言したがそこにいた著名な識者たちが誰も答えられなかった「事件」について。
これは1997年夏のTBS「筑紫哲也のニュース23」終戦記念特集「ぼくたちの戦争」でのエピソードで、スタジオには、筑紫哲也、灰谷健次郎、柳美里などの錚々たる顔ぶれがいた。社会に衝撃を与えた「酒鬼薔薇聖斗」が小学生の生首を校門に晒した「神戸連続児童殺傷事件」が起きたのは同じ年の春だった。
また同じく③で、2000年代には「人を殺してみたかった」、「人を解剖してみたかった」と実験でもするかのような感覚で殺人をする若者が出てきたことについて。次のような事件が続いた。
▪️高3の男子高生が主婦を殺した「豊川主婦刺殺事件」(2000年)
▪️高1の女子高生が同級生を殺した「佐世保高1女子同級生殺害事件」(2014年)
▪️19歳の女子大生が77歳の女性を殺した「名古屋大学女子学生殺人事件」(2014年)
▪️北海道で19歳の男性が同じアパートの住人を殺害した事件(2015年)
いずれも「人を殺してみたかった」「人を殺す体験をしたかった」と供述している。「佐世保事件」の女子高生は「人を解剖してみたかった」とも語ったという。
では、以下、連載のつづき。これで終わりです。
《新しいコスモロジーとは》
実はね、伝統的・宗教的コスモロジーが崩れつつあるのは日本だけじゃなくて世界のどこもなんだ。今や近代化の波は地球のすみずみまで覆って宗教を掘り崩している。そして鎖国したとしても近代化の流れは遅かれ早かれ進んでいく。ただ、他の国の崩壊は日本よりゆっくりでなだらかに進行しているのに対して、日本の崩壊スピードが突出して激しいようだ。
少子高齢化が世界的に進んでいて、そのいちばん先頭に日本がいるよね。伝統的コスモロジーの崩壊も日本が最先端で突っ走っているみたいだ。
じゃあどうしようかってことになるね。
一つは伝統的・宗教的コスモロジ―に戻ろうという考え方がある。昔に戻ろうの動きは世界の各地で起きている。イスラム社会ではとくに激しくて、イランやアフガニスタンはじめムハンマドの時代に帰ろうという復古主義が興っている。アメリカでは宗教右派が家族の価値を守り、同性愛や堕胎に反対するなどの主張で、トランプ大統領登場を後押しした。日本では自民党右派、日本会議など保守勢力が、かつての「美しい日本」を取り戻そうと、家父長制や絶対天皇制的な価値観を復活させようとしている。でも、近代化は否応なく進むから、昔に戻ることは無理なんだ。世界各地の、昔に戻ろう運動は、長い目で見れば最後のあがきだと思う。
そこで必要になっているのが、新しいコスモロジーだと思うんだ。
この新しいコスモロジーは、宗教じゃなくて、現代科学をベースにしている。つまり、科学的コスモロジー。だから検証可能だし、新しい発見があれば、それを取り入れればいい。違った宗教ではコスモロジーが異なるけど、新しいコスモロジーは世界中の人が合意できる。宗教戦争みたいないがみあいは起こらないさ。
ぼくたちはみな、宇宙の一部で宇宙とつながっている。このことを心の底から納得することで、ぼくたちの人生には無条件で意味があること、苦しくとも生きていく使命があることを自覚できる。そして人と人、人と自然が和していくべきだという倫理も明らかになっていく。なにより、宙くん自身が元気になるはずだよ。
とここまで話して時間が来ちゃった。新しいコスモロジーの“すごさ”は次回もお話しするね。
じゃあ宙くん、今年も元気で過ごそうね。