2023-01-01から1年間の記事一覧

年の瀬にウクライナとの連帯を訴える

今年は健康で盛りだくさんな一年だった。ほんとうにおかげさまです。 1月、中村哲さんが幼い頃暮した北九州市若松区を訪問。 takase.hatenablog.jp ウクライナ取材を経て、年末には『中村哲という希望』(旬報社)を出版することができた。 『中村哲という希…

「おかしい」と感じたときに声をあげないと自由は狭められていく

自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティーを巡る事件で、東京地検特捜部は西村康稔前経済産業相を任意で事情聴取した。西村氏は安倍派の実力者「5人組」の一人。他のメンバーの松野博一前官房長官、高木毅前国対委員長、世耕弘成前参院幹事長、萩…

公安警察の暴走が生んだ冤罪事件―大川原化工機事件

非常に危険な、恐ろしい冤罪事件だった。 12月27日、大川原化工機事件につき、東京地裁は警察・検察の違法を指摘し、国と東京都にあわせて1億6200万円余りの賠償を命じる判決を下した。 日本テレビニュースより 2020年3月、生物兵器製造に転用可能な噴霧乾燥…

ウクライナからコスモロジーへ

23日(土)は「地平線会議」で「ウクライナからコスモロジーへ」と題して報告を行った。 ウクライナ取材報告をしたうえで、この戦争を日本人は理解できるかという問題提起から、今の日本人の人生観を考えるというちょっと欲張りな内容を語った。 takase.hate…

今日、あなたは空を見上げましたか

時事通信が8~10日に実施した12月の世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比4.2ポイント減の17.1%となり、2012年12月の自民党政権復帰後の調査で最低を更新、初めて1割台に落ち込んだ。支持率が2割を下回るのは、民主党政権が誕生する直前に調査した09年…

孤立が際立つイスラエルと米国

ガザで日々起きている恐ろしい事態。これが世界中に映像で伝えられながら、やめさせることができないでいる。人間に対する信頼を疑いたくなる。 何十万という単位の人々、つまり大きな都市の全人口が、着の身着のまま、きょうはこっちに、明日はあっちに行け…

生きているだけでも大変な奇跡

自民党の裏金作りは組織ぐるみであることが一目瞭然になった。 連日ボロボロと明らかになるスキャンダル。これまでは週刊誌と赤旗だけが火をつけてきたが、ようやく新聞が元気になった感じだ。 それにしても、「答えを差し控える」ってなんだよ。猫も松野も…

私の後継者は用水路(中村哲)

中村哲医師が銃撃されて亡くなって4日で4年がたった。 中村さんの行いと言葉は、今も生きる、いや今こそ生かさねばという意図で『中村哲という希望』(旬報社)が出版されるので、本屋で手に取ってご覧ください。今月下旬に配本される予定です。 12月のペシ…

パー券キックバック問題で政界に激震が・・・

ガザでは全人口の8割にあたる189万人が避難生活を強いられている。 それらの人々の頭上から爆弾が降り、死傷者がどんどんふえるのに、収容、治療する病院がほとんど機能停止に追い込まれている。 ガザで犠牲になった人を悼む催しが29日、広島市の原爆ドーム…

周庭さん、事実上の亡命宣言

お知らせです。 ウクライナ取材報告が『ジャーナリスト』紙(日本ジャーナリスト会議機関紙)11月25日号に掲載された。 2面 1面、2面に大きく紙面をとってくれて感謝。 これからさまざまな媒体に発表していきたい。・・・・・ イスラエル軍はガザで12月1日か…

まだ書けぬ己が名腕に記さるをガザの幼は見つめておりぬ 

朝日川柳より まだ書けぬ己が名腕に記さるをガザの幼は見つめておりぬ (中津市 瀬口美子) 乳のみごの服を鋏で切りひらきガザの医師団オペをはじめる(稲沢市 伊藤京子) モザイクがかかって見にくい物体が遺体だと知るまでの三秒(五所川原市 戸沢大二郎)…

ウクライナ戦争―大国には見えない世界2

はじめにお知らせです。 『中村哲という希望~日本国憲法を執行した男』(旬報社)が来月25日に発売になります。私と佐高信さんが中村哲医師について対談し、私がテーマごとに解説を入れました。予約注文が始まりましたので、よろしくお願いします。 www.ama…

ウクライナ戦争―大国には見えない世界

24日、ガザでの4日間の戦闘休止が始まり、ハマスに拘束されていた230人以上の人質のうち、イスラエル人13人、外国人11人の計24人が解放された。 一方、合意を仲介したカタールの外務省は、イスラエルが拘束していたパレスチナ人の子どもや女性計39人が釈放さ…

拉致問題は「何も動かない」と横田早紀江さん

ガザでイスラエルの戦争犯罪=ジェノサイドが続いている。 逃げ惑う人々への無差別に近い砲爆撃はもちろん、病院などの医療施設への攻撃で患者や医療関係者を殺す「軍事作戦」はもう常軌を逸している。 イスラエルは救急車の車列を攻撃して多くの死傷者が出…

歴史的ジェノサイドを前に機能しない安保理

ガザで進行する常軌を逸した虐殺を世界は止めることができないでいる。戦闘開始から40日余り。死者はガザだけで1万1千人を超え、このうち約4500人は子どもだという。 人工呼吸器や透析機などが使用できなくなって次々に命を落とす人々がいる(NHKニュース) …

受刑者を侵攻に送る「ならずもの国家」ロシア

13日のBS11「報道ライブ インサイドOUT」でのウクライナ取材報告はいかがでしたか。見逃し配信が始まったのでご案内します。 vod.bs11.jp この番組の18分15秒からは地下室に住む人びとの話だが、ここに登場するアウグスチナさんがつい先日の「ウクライナユナ…

ガザでの所業はジェノサイドの典型(クレイグ・モカイバー)

はじめにお知らせです。 ウクライナ取材をテレビ番組で報告します。 日本での報道と現地の実態はそうとう違っていて私も驚きました。その一部をお伝えしたいと思います。ご覧ください。 11月13日(月)よる9時~9時54分 BS11 「報道ライブ インサイドOUT] 私…

ウクライナのボランティア、マックスのこと

ウクライナのボランティア、マックス君を紹介したところ、大きな反響があり、彼と交流したいとの希望も寄せられています。 汚職がひどい話をたくさん紹介したので、その点、マックス君自身は汚れてないのか、大丈夫なのか?との疑問が当然出てくると思います…

ウクライナ取材を終えて

ウクライナ南部ザポリージャで、オデーサに向かう遠藤正雄さんと別れ、私は一人でバスでポーランドに出ることに。陸路国境を越え、31時間後、ワルシャワに着きました。ちなみにバス代は100ドル弱でした。 チェックアウトしたザポリージャのホテル前の朝焼…

ウクライナ取材の現場から11

ウクライナでの取材報告を読んでいただき、またご心配いただきありがとうございました。取材を終えるにつき、みなさんに一つ提案があります。 ウクライナの人と直接に対話してみませんか。例えば20歳のボランティア、マックス君と。彼は日本の人との交流にと…

ウクライナ取材の現場から10

10月23日夜、ウクライナ南部のザポリージャ市のホテルに一泊。翌24日の朝さっそくミサイルが落ちた場所を見に行く。 ホテルの窓がほとんど壊れているのでもっと近いかと思ったら、現場は200mほども離れている。ガラスが割れるのは爆発物の破片ではなく爆発…

ウクライナ取材の現場から9

「戦争は誰にとっても恐怖です。私にとっても」これに続けて、「恐怖を認めるには勇気がいります。私たちには勇気が必要です」とある。 町の道路沿いにこうした看板が立っている。戦意高揚のためと思われるが、命を捨てて、とか「欲しがりません、勝つまでは…

ウクライナ取材の現場から8

ウクライナで意外に思ったこと、いくつか。 まず、ゼレンスキー大統領の評判が高くないのに驚いた。「国外ではもてはやされてるけど、汚職問題や経済では成果を出していない」と通訳君。彼は前回の大統領選ではゼレンスキーに投票したが、他にましな人物がい…

ウクライナ取材の現場から7

戦地や紛争地の取材について。 私たちのような取材者は、取材される側、例えば軍の部隊にとっては負担であり、「おじゃま虫」でしかない。カメラが入るとなれば多少は掃除もして準備が必要だ。取材が始まればインタビューなどで人手も時間もとられる。その上…

ウクライナ取材の現場から6

私たちはウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスク市にいる。ドネツク州の東側はロシアに占拠され、プーチンは「ロシアに併合した」と宣言した。ドネツクの州都だったドネツク市もロシア側にある。結果、ウクライナではこちら側にあるクラマトルスクが事実…

ウクライナ取材の現場から5

10月19日(木)。 朝、通訳が「深夜のミサイルはここから20kmの町、コンスタンティノフカに4発落ちて、学校と集合住宅6棟が破壊された」とテレグラムに掲載された写真を見せてくれた。工場、学校、病院はじめ生活に必要な施設を狙うのがロシアのやり口だ。 …

ウクライナ取材の現場から4

ウクライナ東部ドネツク州のクラマトルスクという大きな町で民間のアパートを借りて泊っている。「民泊」である。 5階の台所から見た夕暮れ。社会主義時代に建てられた「質実剛健」風のアパート群。 通訳を含め3人で1泊20ドルほど。きょうはパンとハム、チー…

ウクライナ取材の現場から3

10月18日(水)。朝冷え込んで零下。ウクライナはもう冬の寒ささ。 ウクライナが押している南部戦線から、最近ロシアが圧力を強める東部戦線のドネツク州前線線へ移動し、砲兵部隊を取材した。 秋の気配が深い平原を前線に向けて走る。向こうからくる軍用車…

ウクライナ取材の現場から2

10月17日(火)は、行政サービスの届きにくい最前線の集落に食料を配る活動を取材した。 向かったのは反転攻勢の焦点の地域で、砲声が響き、いつ砲弾が落ちるかわからないなか家々を回っていく。この危険な活動をやっているのは大学休学中の20歳の学生マック…

ウクライナ取材の現場から1

だいぶご無沙汰しました。実はウクライナを取材していました。去年アフガニスタンを取材したときと同じく、ジャーナリストの遠藤正雄さんと一緒です。遠藤さんはベトナム戦争をはじめ世界中の戦争、紛争を取材してきたベテランで、今回もたくさんのことを教…