映画「ミッドナイトトラベラー」に難民のリアルをみた

 映画「ミッドナイトトラベラーMidnight Traveler」を観てきた。

 アフガニスタンからヨーロッパへと旅する難民家族が「自撮り」映像で制作した映画だ。

unitedpeople.jp

 《2015年、映像作家のハッサン・ファジリはタリバンから死刑宣告を受ける。制作したドキュメンタリーが放送されると、タリバンはその内容に憤慨し、出演した男性を殺害。監督したハッサンにも危険が迫っていた。彼は、家族を守るため、アフガニスタンからヨーロッパまで5600kmの旅に、妻と2人の娘たちと出発することを決意する。そしてその旅を夫婦と娘の3台のスマートフォンで記録した。》

 私は3年ほど前、トルコから東欧を経てドイツに密入国し難民申請をする計画のシリア人の旅にずっと密着する番組を、いくつかの局に提案したことがある。我々のクルーが所々で取材し、密入国の瞬間などクルーが付けないところは本人に自撮りしてもらうという構想だった。そんなこともあって、この映画には大きな関心を持っていた。


 映画では旅が始まるや、密航業者に騙されて全財産を奪われる。さらに、森を抜け畑を走る非合法の国境越えがあったり、ブルガリアでは難民排斥を叫ぶ男たちから殴られたりとハラハラするシーンもあるが、ほとんどはセルビアなどの難民収容所での日常が描かれている。

 ちょっとしたユーモアのある雑談から絶望がにじみ出ていたり、当事者が撮ったからこそ表現された難民のリアルがとても興味深い。日常の暮らしの喜怒哀楽、人情の機微を見るうち、難民といっても私たちと同じ人間であることを納得させられ、彼らの運命を自分ごととして感じるようになる。

 私は彼らの避難行を観ながら、ちょっと申し訳ない気持ちにもなった。「難民って大変だなあ」「ブルガリア排他主義のやつら、ひどいな」と映画を観ている我らの国、日本が難民をほとんど受け入れていない現実を意識してしまうからだ。

 この映画はまた、タリバンとは何かについても、映画監督の主人公ファジリさんの実体験から教えてくれている。タリバンの主張に合わない映画だというだけで俳優が殺害され、監督のファジリさんの命が狙われる。これが家族連れの逃避行のはじまりだ。 

 このタリバンの体質は、政権を取って一変したわけではあるまい。いくら広報担当が人権を守りますなどとリップサービスしてもファジリさんの視点をもって見ていかなくてはならないと思った。

 ぜひ多くの日本人に観てほしい映画である。
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 先日、「東京クルド」というドキュメンタリー映画について書いた。

takase.hatenablog.jp

 古い新聞切り抜きを整理していたら、「東京クルド」の主人公ラマザンさんに関する記事(2019年10月4日夕刊)が出てきた。

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19年10月4日「朝日新聞」夕刊

 ラマザンさんたちが裁判に訴えているという話だった。彼らの境遇がよくわかるので記事を引用する。

 強制退去が決まった外国人の中には多くの子どもたちが含まれている。在留資格のない親と共に幼い時に来日したり、日本で生まれたりした子どもで、多くは母国語よりも日本語のほうが得意だ。
 出入国在留管理庁(入管庁)は現在、強制退去の対象だとしても、未成年者は収容せず,仮放免する。そのため、子どもたちは日本人と同じように学校に通い、友だちを作り、成長している。
 しかし、彼らには日本人とは異なる現実がある。在留資格を持たない両親は就労できず、医療保険にも加入できないからだ。
 
 埼玉県川口市蕨市周辺にはトルコ出身のクルド人が多く住んでいる。支援者らによると、その数は2千人以上に上るという。
 弁護士の大橋毅さんによると、クルド人の多くは、トルコでクルド語を禁じられたり、差別的な扱いを受けたりして迫害の対象だ。このため日本でも多くが難民申請をしているが、これまで認定されたクルド人はいないという。大橋さんは「2017年のトルコ国籍者の難民認定率は世界平均で約35%だが、日本ではゼロ」と話す。
 18年12月、難民認定されず、帰国もできないクルド人の4家族が在留資格を求めて提訴した。その後、新たに1家族を加えた5家族には20歳前後から5~6歳まで、17人の子どもがいる。その一人、ラマザン・ドゥルスンさん(22)は「自動車整備工として日本で働きたい」と話す。代理人の大橋さんは「子どもたちの多くが10年前後を日本で過ごしている。子どもの最善の利益を守らなければならない」と提訴の理由を説明する。
 子どもたちがこれまで裁判所で意見陳述したり、支援者に伝えたりした言葉をここで紹介したい。

 「僕はこれからも絶対日本で学びたいと思っています。僕の知識はすべて日本語で勉強も日本語です」「修学旅行のお金を払うことができず、中2の時に学校に行かなくなりました」「両親に負担をかけられないので、友だちの誘いを毎回、うそをついて断っています」「入管庁では『学業より出頭することが優先』と言われました。本当にそうでしょうか」

 子どもたちが仮放免のまま成年になれば、親と同様、収容されるかもしれず、就労できず、支援に頼って生きる道を歩むことになる。自力ではどうにもならない。
 仮放免中の子どもたちは将来、日本に多様性をもたらす国際的な存在になりえる。その芽を社会の中で育てることはできないか。(以下略)

 

 彼らからこう聞いたことがある。
 「僕らは日本語もペラペラだし、日本の習慣や制度もよく知っている。仕事させてくれたら、即戦力になるのに・・」

 晴れて共生できる日が早く来るように。

刑務所よりひどい入管収容施設

 ずいぶん涼しくなってきた。

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公園にて。シュウカイドウが咲いていた

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オオカッコウアザミ。涼しい季節に咲く

 東京の今日のコロナ新規感染者は154人。急激に減っているのは喜ばしい。
 今こそ、次の波にしっかり備える施策を行うべき時なのだが、閣僚をふくめ自民党議員が総裁選に注力しているのを見ると怒りがわいてくる。

 必要な入院をさせずにコロナ患者を放置する「自宅療養」などをけっして繰り返さないための真剣な取り組みが求められるはずなのに・・

  総選挙で痛い目にあわせないと。
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 きのうのドイツの連邦議会選挙は中道左派社会民主党が第1党となり、メルケル首相が所属するキリスト教民主・社会同盟は第2党になった。次期内閣は難産になるとの観測が出ている。

 振り返ると、メルケル首相の原則を踏まえたうえでの柔軟な外交には学ぶべきものがあったと思う。とくにロシアのプーチン大統領とは16年の在任中、首脳会談を繰り返しながらも厳しい批判、注文をし続けた。

 20日にはモスクワで、プーチンとの最後の首脳会談に臨んだ。会談後の記者会見でメルケルは、国際舞台では「対話に代わる合理的な選択肢はない」と強調したうえで、服役中のロシアの野党指導者ナワリヌイ氏の解放を求めた。また、「残念ながら境界線でウクライナの兵士が死亡している」とウクライナ東部戦線での和平に注文をつけた。

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言うべきことを面と向かってしっかり言う指導者が日本にいたか

 

 共同記者会見で、面と向かってプーチンを批判するなどということを日本の指導者はできるのか。安倍前首相はプーチンへのへつらう姿しか記憶にない。

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 米国大統領には尻尾を振ってご機嫌うかがいに行くのに、隣国の韓国の大統領とは会談を避けて久しい。

 日本の政治家はメルケルを見習って反省するように。
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 私が所属している「牛久の会」(牛久入管収容所問題を考える会)から9月号の会報が届いた。そこにイラン人ヤドラさんからの手紙が載っていた。

 ヤドラさんは、ちょうど1年ほど前の去年9月1日、自分の糞尿で牛久入管の壁や床を汚したとして逮捕された。収容が4年以上になったところに入管の医療関係者に非人間的な扱いを受けたことをきっかけに、精神のバランスが崩れてしまったようだ。

 私は裁判を2回傍聴しに行って事件の背景を学ぶうち、多くの被収容者のもっとも強い不満が入管の医療態勢にあることを知った。

takase.hatenablog.jp

 その後、スリランカ女性のウィシュマさんの死亡事件が起きたが、やはり医療態勢が問題だった。この際、徹底した調査と改革が必要だ。

 ヤドラさんは「懲役10月」の判決を受けて服役しており、手紙には2022年1月17日に出所すると記している。
 この手紙を読んで胸が締め付けられるのは、刑務所の方が入管よりマシで、期限もルールもない入管に戻るのをとても不安に思っていることだ。
 
「(略)2022年1月12日に出所日です。しかし、自由になるんじゃなくて、入管の職員に引き渡されることが思うと、まるで屠所に引かれる羊のように、ですから、日々出所日に近付くに連れて不満や不安が増すのです。
(略)刑務所には期限あって、ルールあって立場の弱い者をとことんまで人を追い詰めて暴行や虐げられることも中々ないだと思いますので、安心感が、入管に勝っています。(略)」(原文のまま)

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ヤドラさんからの手紙

 刑務所よりひどい入管・・・おそろしい。
 最低限の人権すらない今の入管制度は根本から立て直さなければならない。

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 このブログ、これから少し頻度と分量を少なくします。

 本を出版しようと思い立ち、きょうから原稿を書き始めたので、そちらに多少時間とエネルギーが割かれそうです。

 読者からも「おまえのブログ、量が多くて読み切れないんだよ」との声をいただきました。

 これからは適正量で書いていきたいと思います。
 よろしくご了承ください。

 

野党4党が「市民連合」と政策合意

 お知らせです。
 私がプロデュースした『心を創る~二神雅一の流儀』が公開されたので、どうぞご覧ください。

www.youtube.com


 主人公は、「日本一不親切な親切」を掲げて介護業界に旋風をおこした岡山県の「創心會」の社長、二神雅一さんです。
 去年春に企画が立ち上がったのですが、コロナ禍で撮影が何度も延期になり、納品までまる1年以上かかってしまいました。

 二神さんは、日本の介護・リハビリのあり方、包括ケアシステムの今後について深く思索をめぐらしながら事業を展開されており、私も取材中、とても勉強になりました。

 なお、私は今、こういう自分史ビデオ製作を「なりわい」にしています。
 この作品は「創心會」創立25周年の記念事業にも位置付けられ、大がかりなものになりましたが、「自分史ビデオ」は自分の趣味やスポーツとのかかわりを描いたり、家族とのプライベートな思い出をたどるなど、さまざまな形で作品にできます。

 ご関心ある方はご連絡ください。
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 夜、NHKチコちゃんに叱られる」を観ていたら、刺身に菊の花を添えてあるのはなぜかという問いがあった。答えは江戸時代、魚肉のなますを酢につけて食べていたのが醤油につけるようになり、食中毒予防で菊の花を一緒に食べる習慣ができたというもの。

 その流れで、食用菊のランキングになり、山形の「もってのほか」が堂々の1位だった。

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チコちゃんに叱られる」より

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きょう買ってきた「もってのほか」

 ちょうど夕方、八百屋で「もってのほか」を見かけて買ったところだった。これからが旬である。うちでは春菊と合わせておひたしにするのが定番。

 テレビでは、焚きこみご飯がうまいと紹介されていたが初耳だ。あす試してみよう。
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 衆議院選挙に向けての動きがはじまっている。

 9月8日には、立憲民主党共産党社民党、れいわ新選組の野党4党が、市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)との政策合意に調印した。

 「市民連合」が野党に働きかけた結果、共闘の枠組みができた、つまりこの団体が野党を束ねたわけだ。「市民連合」の存在意義は大きい。

 私の古い友人がこの団体で活動している。彼自身は共産党員なのだが、「市民連合共産党の〈隠れ蓑〉みたいな組織じゃなくて、本当に市民の自立した運動だ。いろんな立場の人がいて、刺激を受けるし、おもしろい」と私に語っている。これまでのいわゆる共産党系大衆組織とは違うらしい。

 「市民連合」は、2015年9月19日に安倍政権が安保関連法案を成立させたことに対して野党共闘によって選挙で政治を変えなければとの市民の声から生まれた。野党共闘がなかなか進まないなか、「まずは市民が広く連帯することで、市民が野党共闘をリードしようという考え」で同年12月に発足したという。

 野党と合意した政策を見ると、いちいちもっともで、これで4党をまとめたのはすばらしい。
 とくに私は「沖縄辺野古での新基地建設を中止する」、「エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する」、「森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う」、「日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する」などの政策には強く期待したい。

shiminrengo.com

 衆議院総選挙における野党共通政策の提言
――― 命を守るために政治の転換を―――
 
 新型コロナウイルスの感染の急拡大の中で、自公政権の統治能力の喪失は明らかとなっている。政策の破綻は、安倍、菅政権の9年間で情報を隠蔽し、理性的な対話を拒絶してきたことの帰結である。この秋に行われる衆議院総選挙で野党協力を広げ、自公政権を倒し、新しい政治を実現することは、日本の世の中に道理と正義を回復するとともに、市民の命を守るために不可欠である。

 市民連合は、野党各党に次の諸政策を共有して戦い、下記の政策を実行する政権の実現をめざすことを求める。 

1 憲法に基づく政治の回復

・安保法制、特定秘密保護法共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。

平和憲法の精神に基づき、総合的な安全保障の手段を追求し、アジアにおける平和の創出のためにあらゆる外交努力を行う。

核兵器禁止条約の批准をめざし、まずは締約国会議へのオブザーバー参加に向け努力する。

・地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する。

 

2 科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化

・従来の医療費削減政策を転換し、医療・公衆衛生の整備を迅速に進める。

・医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの待遇改善を急ぐ。

・コロナ禍による倒産、失業などの打撃を受けた人や企業を救うため、万全の財政支援を行う。

 

3 格差と貧困を是正する

最低賃金の引き上げや非正規雇用フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。

・誰もが人間らしい生活を送れるよう、住宅、教育、医療、保育、介護について公的支援を拡充し、子育て世代や若者への社会的投資の充実を図る。

・所得、法人、資産の税制、および社会保険料負担を見直し、消費税減税を行い、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。

 

4 地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行

再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。

・エネルギー転換を軸としたイノベーションと地域における新たな産業を育成する。

・自然災害から命とくらしを守る政治の実現。

農林水産業への支援を強め、食料安全保障を確保する。

 

5 ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現

ジェンダー、人種、年齢、障がいなどによる差別を許さないために選択的夫婦別姓制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。

ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直すとともに、保育、教育、介護などの対人サービスへの公的支援を拡充する。

・政治をはじめとした意思決定の場における女性の過少代表を解消するため、議員間男女同数化(パリテ)を推進する。

 

6 権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する

・森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行う。

日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。

内閣人事局のあり方を見直し、公正な公務員人事を確立する。

2021年9月8日

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします。
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 自民党総裁選の論戦では、4人から国民のみなさまを幸せにするさまざまなプランが開陳されている。また公明党は総選挙用の「政策」を出している。
 だったら与党なんだから、今すぐ国会を開いて提案し実行するよう努力したら?

憲法第53条
 「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」

 憲法違反がどうどうとまかりとおっている。

大学の教員・理系学生の女性比率はOECDで最低

 はじめにお知らせです。
 高世仁のニュース・パンフォーカス】No.19「日本人ジャーナリストが見たカブール」を公開しました。

www.tsunagi-media.jp

 後藤健二さんがISに殺害され、安田純平さんがシリアで拉致されるなど日本人ジャーナリストが重大事故に遭ったことをきっかけに、「自己責任論」とともに、日本からわざわざ危ない場所に取材に行かなくてもいいではないかという声が上がった。
 ニュースなら、外国通信社からの配信などで足りるだろうというのだ。

 では日本のジャーナリストが現場に行って取材することの意味はどんなところにあるのか。9月11日のTBS「報道特集」で放送されたカブール取材から考えてみた。

 関心のある方はお読みください。
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 きのうの続きで、大学におけるジェンダーギャップについて。

 朝日新聞河合塾による調査で、日本における大学教員や理系学生に占める女性の比率は低いままで、国際比較でもきわめて低いことがわかった。

 女性教員の割合は26%。助教が32%、准教授が26%、教授が18%と、職位が高くなるほど女性比率が低くなる。副学長は15%、学長は13%にとどまる。

 女性の登用が特に遅れているのが国立大で、女性教員の比率は、私立大が30%に対して国立大は19%。教授は私立が21%で国立が12%。学長は私立が14%で国立がわずか2%だ。

 一方、女性教員を増やすには「教員の卵」となる学生を育てる必要があるが、理系の女子学生の割合は低いままだ。学生全体では女子が45%と男女半々に近いが、工学部は15%、理学部は27%と、理系では女子比率が低いままで、ここ20年間変わっていないという。

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OECD「図表でみる教育2021」の高等教育における女性教員比率。日本は一番右、つまり最低。


 OECDが16日に公表した2021年版「図表でみる教育」によると、高等教育で工学・製造・建築を専攻する新入生の女性比率は16%で、加盟国中最低。高等教育における女性教員比率は28.4%で、これも最低だった。朝日新聞20日朝刊の記事より)

www.oecd-ilibrary.org

 男女平等にかぎらず、障碍者の就労、子どもの貧困の解消、新産業の育成など日本の立ち遅れの目立つ分野はどれも、政治がそれらを放置していることが問題だ。
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 自民党総裁候補4人のうち2人、半数が女性で画期的だとの評を目にするが、高市早苗氏は「夫婦別姓」に反対する議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表を務めるなど、「別姓反対」の急先鋒だ。

 女性議員の比率が極端に低い自民党のなかで、オヤジたちにちやほやされているとこういう政治家ができるのか。

ジェンダーギャップを科学的に考える

 おととい、自転車で小平霊園に寄った。

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小平霊園

 いつもより車も人も多い。線香の香りがする。花が供えてあるお墓も見える。ああ、お彼岸なのか・・とやっと気づいた。毎朝、線香を焚いてご先祖におまいりしているのに忘れていた。
 実はサイクリングコースに小平霊園や多磨霊園を入れてある。霊園は道がまっすぐで交通事故の心配もなく、自転車で走るにはうってつけなのだ。
 お彼岸の霊園でサイクリングは不謹慎だなと早々に退散した。

 もう秋分だ。公園のそばを通りかかると大音響の虫の音に包まれる。
 23日から初候「雷乃収声(かみなり、すなわちこえをおさむ)」。空には秋の澄んだ雲が広がる。
 28日から次候「蟄虫坏戸(むし、かくれてとをふさぐ)」。虫たちが土の中へと潜っていく。
 10月3日から末候「水始涸(みず、はじめてかる)。田んぼから水が抜かれて涸れるの意。
 今日、東京は30度近くまで気温が上がって暑かったが、季節は次第に冬に向かっていく。

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ザクロが旬だ

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 タリバン政権下で女性の権利がどうなるか懸念されている

 報道担当のザビフラ・ムジャヒド幹部は、女性の権利について、「シャリア(イスラム法)の枠組みの中」で尊重するとのべたという。(8月15日)

 実際に大学が再開してみると、男女共学が認められていない。
 タリバンは《9月12日、女性が大学で教育を受ける際の規制を発表した。男女共学は認めないほか、頭部を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用を義務付け、男性教員の直接指導を禁じるなどした。》(ニューデリー時事)

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大学では男女別学で、同じ教室でも男女の間に仕切りがもうけられている

 教師と学生は同性が原則だという。
 ただでさえ女性教員は少ないうえ、大学を去り、海外に逃れたものもいる。理系など女性教員がほとんどいない科目もある。これでは社会における女性の権利は大幅に後退してしまう。

 21日、タリバンのムジャヒド幹部は、女子生徒が、日本の中学校と高校にあたる中等教育の学校に再び通うことを近く認める方針を明らかにしたという。大学と同じく、男女共学は認めないだろう。

 このニュースで思い出したのが、日本のある大学の入学式での学長式辞だった。
 
 それは兵庫県立芸術文化観光専門職大学で、日本で初めて、国公立で演劇やダンスの実技が本格的に学べる大学として、今年4月に開校した。学長は、劇作家・演出家の平田オリザだ。

www.at-hyogo.jp


 平田氏は式辞で、東日本大震災やコロナ禍を通じて、科学への信頼がゆらぎ、フェイクニュースで社会の混乱も見られるなか、大学で身につけるべきは、科学的に考え、理性によって行動する習慣だと語る

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平田学長が式辞をのべる

《具体的に考えてみましょう。
 
 いま、この会場にいる新入学生八四名のうち六九名、八二%が女子の学生です。しかし教員における女性の割合は二五%にすぎません。すぐに見て分かるように、こちらの壇上に並んでいるのも来賓の皆さんも大半が男性です。私は学長として、この状況を少しでも改善していきたいと考えています。

 こういったジェンダーギャップの壁のことを「ガラスの天井」と呼ぶことは、皆さんご存じかと思います。しかし、そのガラスの天井は、本当に無色透明の透き通ったガラスでしょうか?

 実は、大学を作るのには、厳しい設置基準があります。この大学に全国から集まった教員の皆さんは、文部科学省の厳しい審査をくぐり抜けてきた精鋭の先生方です。

 教員の審査には、研究の業績などの他に教員としての履歴も対象となります。例えば教授になるためには准教授を何年以上やっていなければならないといったことです。

 現在、すべての大学における教員の女性比率は二五%前後です。しかも、新しい大学を作る際には、各分野ごとに、講義内容にふさわしい経歴を持った先生を採用しなければなりません。本学で言えば、マネジメントなど分野によっては、まだまだ、もともと女性教員の少ないセクションもあります。

 もう皆さんはお分かりになりましたね。

 普通に大学設置の基準を守っていては、どんなに努力しても女性教員はすぐには増えないという結論になってしまうのです。

 これを打破するためには、何か強力な政策や、他の新しい基準が必要になるでしょう。私自身、制度の壁を破れなかったことに対する深い反省を背中に負って、いまここに立っています。
(略)
 このように、数字や制度を論理的にたどっていくと、無色透明に見えたガラスの天井にも、いろいろな傷や曇りやひび割れがあることが見つかるのです。それが「科学的に考える」という態度です。(略)》(大学HPより)
https://www.at-hyogo.jp/news/2021/04/000124.html

 平田学長のいうように「科学的に考える」と、男女平等の問題は、一人ひとりができるところから変えていきましょうなどと言っても埒があかない。政治の力で制度を変革していかないと前に進まない。
 日本でさえ、大学における女性の権利はこんな状態なのだから、アフガニスタンの今後は非常に厳しいだろう。
 タリバン指導部の頭(=政策)を変えるための方策に国際社会は知恵を絞らなくてはならない。

私たちは「宇宙の子」であり「星の子」だ

 きのうは月が美しかった。

 きのうが満月かと思ったが、ほんとは今日で、8年ぶりに中秋の名月と満月が同じ日にあたるという。もっとも、関東はよる雲がかかって月を見るのはむずかしいらしい。月を探してみよう。
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 ちょうど1カ月前、東京ビエンナーレで「玉川上水46億年を歩く」の記録映画の上映会があった。https://takase.hatenablog.jp/entry/20210824

 そのさい、宇宙創成と生命の誕生について何か話をするよう主催者から依頼され、上映前に15分ほど話した。

 参加者のほとんどが大人だったので、ビッグバンや超新星爆発などもおりこんで、以下のような話をした。

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大手町の森を会場に行われた上映会の前座で話(8月21日)

 地球にはいま分かっているだけで175万種の生き物がいます。
 地球は46億年という長い時間をかけて、すばらしい多様な生命の星になりました。

 「玉川上水46億年を歩く」は46kmを地球史の46億年に見立てたプロジェクトですが、地球はできた時すでに将来生命が生まれる可能性をもっていた星でした。

 そのことを分かってもらうために、私たちは何からできているかを考えてみます。
体は主に酸素、炭素、水素、窒素でできていて、この4つで96%を占めます。
これらは、どこでどうやってできたのでしょうか?

 主な4元素のうち水素ができたのは、宇宙のはじまりのときでした。
宇宙に「ビッグバン」というはじまりがあったことが分かったのは80年くらい前。そして今から8年前、そのはじまりが138億年前だったと分かりました。

 目に見えない小さな点から巨大なエネルギーが爆発的に広がりました。それが広がり続けて今の宇宙になりました。
 ビッグバンの直後、膨大な量の水素原子ができました。

 その138億年前にできた水素が、いま私たちの体をつくっています。
 例えば、私たちの体の6割は水ですが、水はH2Oで水素(H)でできています。
 ビッグバンでできた物質を、この私がいま体内にもっていると思ってみてください。どんな感じがしますか。

 その他の元素、酸素や炭素や窒素はどうやってできたのでしょうか?
 実はそれらはみな、星が創ってくれました。
 夜空に輝くたくさんの星は何をしているのかというと、水素を原料にして、いろんな元素をその中で創っているのです。

 例えば太陽です。
 太陽はほとんどが水素ですが、その中心部は超高圧、超高温の溶鉱炉のようになっていて、核融合が起きています。
 水素原子が押しつぶされて陽子と電子がいったんバラバラになって融合し、ヘリウムができます。このとき出る莫大なエネルギーが熱と光となって地球まで届いています。

 太陽よりずっと大きい星では、水素からヘリウムに、さらに炭素にというように、次々に重い複雑な元素が創られていきます。
 つまり、星が輝くのはいろんな元素を創るため、とも言うことができます。
 そして、核融合ができなくなったときが星の寿命になります。

 大きな星は寿命が来ると大爆発を起こして、一生かけてつくった元素を宇宙空間にまき散らします。超新星爆発です。
 こうして宇宙はどんどん複雑な宇宙になっていくのです。

 私たちをつくっている主な4元素のうち、水素は宇宙の始まりのときにでき、残りの3元素は星の輝きで創られました。
 ということは、私たちは「宇宙の子」であり「星の子」です。ロマンチックに聞こえますが、これは事実なのです。

 さて地球の誕生です。
 それは今から46億年前、宇宙の誕生、ビッグバンから数えると92億年後のことです。
 138億年を3等分して3分の2のあたりになります。
 地球は宇宙の複雑化が進んでから、いろんな元素でできた星として誕生しました。だからこそ生命が生まれたのです。

 宇宙が次々に複雑なもの、高度なものをその中につくり出していくという進化の流れは、そのまま地球でもつづいていきます。
 多くの元素をもって生まれた地球で、原子から分子へ、分子から高分子へというふうに、より複雑なもの、より高度なものへの進化がたゆみなく行われ、物質の複雑化があるレベルに達したとき生命が生まれました。

 40億年近く前に登場した小さな小さな単細胞生物が、地球のすべての生き物の共通祖先です。
 そこからまた複雑化、高度化の進化が連綿と続いて、今の私たちがいます。
 私たちは、宇宙の138億年の進化の頂点にいると言ってもよいでしょう。

 この宇宙進化の流れを知ることで、何を感じますか。
 そこから、私たちはどう生きたらいいのかを考えていただければと思います。

「仲良く楽しく生きて、楽に死ぬ」セラピーの案内

 「敬老の日」(今日)ということで、きのう母親を訪ねてきた。

 親不孝ばかりしてきた身なので、今はなるべくひんぱんに顔を見に行くようにしている。母親はうちから10キロほどのところにいるので、自転車で行くと良い運動だ。 

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スカイタワー西東京(多目的電波塔)にさざ波のような夕焼雲

 その帰り、夕焼けに染まる空にまるい月がのぼっていた。
 何かいいことありそうな・・。
・・・・・・
 きょうはご案内です。

 9月26日、「コスモロジー・セラピー」入門講座がリモートで開かれます。

 「仲良く、楽しく生きて、楽に死ぬ」ためのコスモロジー(世界観+人生観)をつくっていく実践的なセラピーで、心を元気にしたい人にはすぐに「効く」のでおすすめします。

 これは「サングラハ教育・心理研究所」で別々の講座として行ってきた「コスモス・セラピー、唯識心理学、論理療法、アドラー心理学、ポジティヴシンキングなどの多様なプログラムを一つに統合しヴァージョンアップした〈コスモロジーセラピー〉の入門的講義とワーク」で、講師は私が30年近く師事している岡野守也主幹です
 参加をご希望の方は、以下からどうぞ。
 

www.smgrh.gr.jp

 私は去年から、勝手に「宇宙史の語り部」を自称して、宇宙史、地球史、生命史などをZOOMや小さな会合などで語っている。これは知識を得ておもしろがってもらうことより、自分と宇宙が一体であることに気づいてもらうことを狙っている。

 それを聞いたことがない友人は、「宇宙というでっかい話を聞くと、自分の悩みなんて小さく感じられるから楽になるんだろうね」と言う。ちょっと違う。

 138億年の宇宙史を学んだり、夜空を見上げたりすると、えてして「雄大な宇宙、それに対して、なんてちっぽけな〈わたし〉」というふうに自分を小さく感じがちになる。
 たしかに「自分の悩み」という否定的な部分だけを矮小化すれば、気が楽になる効果はあるけれど、これではほんとうの意味で「元気」にはなれない。 
 コスモロジーセラピーでは、〈わたし〉が宇宙大になる感覚を現代科学にもとづいて身につけていく。普通の宇宙史とコスモロジーセラピーのもっとも大きな違いはこの点だと思う。

 コスモロジーセラピーで「元気」になれることは私の実体験からも言えるし、岡野さんが法政大学、武蔵野大学桜美林大学などでコスモロジー教育を実践したさいの臨床効果としても実証されている。

 以下は研究所のセラピーの案内文より。

 「居場所」という言葉がありますが、私たちのもっとも広い居場所は宇宙です。

 そして、誰もが宇宙の中に生きているので、ほんとうには居場所のない人などこの世には一人もいません。

 そのことに気づいていないと、「自分には居場所がない」「ひとりぽっちだ」という気がしてきますが、宇宙が居場所だと気づくと、もうそういう気持ちはなくなってしまいます。

 そんな大きな話で気持ちが楽になるのだろうかと疑問に思う方もいるかもしれません。

 でも、その大きな話が自分のことだと実感できれば、心がとても広く爽やかですっかり楽になるのです。

 コスモロジーセラピーは、「宇宙という大きな話が実は私の話なんだ」と実感するためのプログラムです。

 知識的な内容のかなりの部分は本ブログに公表していますが、読むのとライブのセラピーとでは実感が大きく違います。

 今回は、初めてのリモート講座で、主催者にとっても新しい試みですが、対面に近い効果があるにちがいないと予想しています。

 参加者のみなさんも、半信半疑でもかまいません。試しに参加してみませんか。

 

 有料のリモート講座で、9月26日(日)13:30〜16:30(休憩を入れて3時間)に開かれます。
 自分に自信がもてない人、人生に意味を見出せない人などにお勧めします。