2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧
ダブリンでのクラスター爆弾禁止条約採択に私が注目するのは、これが《市民が国連に勝った》ともいえる快挙だからだ。私たちは、国連を乗り越えて進んでいくことができる時代に入ったのだ。 今回ダブリンで開かれていた「オスロ・プロセス」と呼ばれる軍縮交…
きのう、アイルランドのダブリンで、クラスター爆弾の禁止条約が採択された。ほぼ即時全面禁止に近い内容で、参加110カ国の全会一致だった。 クラスター爆弾とは、集束爆弾ともいい、一ケース(親爆弾)に子爆弾が数百個という単位で格納されている。(写…
このところ、とてもせわしく、悩みも多い日々が続いている。帰宅は夜12ごろで、ブログに時間をかけられない。書きたいテーマがどんどんたまっていって、困っている。 こないだ、ダーウィン展(科学博物館)に行った。なんだ、暇じゃないかと言われそうだが…
雨のなか、映画「靖国」を観に渋谷に行った。封切間もないころは、例の騒動が大いに宣伝になって、朝早くから行列ができたらしいが、きょう土曜の午後は8割くらいの入りだった。 この映画を、映画館が次々に上映中止にした事態には危険なものを感じた。上映…
こどもたちが自作の映像作品を競い合う「キッド・ウィットネス・ニュース」(注)のビデオ作品コンテストが今年も行なわれ、長野県東御市立東部中学が最優秀作品賞に選ばれた。2年連続優勝の快挙だ。 私の昔からの友人が、この中学で教員をしていることもあ…
去年夏、私は家族と上勝町を訪れた。徳島市からバスで2時間もいくとこの町の棚田が美しく広がっているのが見える。 ゴミステーションにも実際に行ってみた。ほとんど年中無休だから、ある意味便利ではあるが、交通の不便な遠くの集落から持ってくるのは大変…
きょうは、徳島県上勝町(かみかつちょう)の町長、笠松和市さんが東京に来られたというので一献かたむけた。笠松さんは、私が心から尊敬し、日本の首相になってほしいと願っているすばらしい人物だ。 いつも焼酎を飲みながら、日本を憂い熱弁をふるう。(写…
写真は苧環(おだまき)。もう花の季節は終わろうとしている。 苧環ファンのサイトを見たら、名前の由来がこう書いてあった。 《「苧(お)」という繊維を、中を空洞にして丸く巻き付けたもの(苧玉(おだま))に花の形が似ているところから。“苧(お)、玉…
チェ・ゲバラは、59年のキューバ革命成功のあと、大臣など要職を務め、カストロに次ぐナンバー2とされた。ところが、65年カストロに決別の手紙を残してキューバを去る。世界革命を自ら実践しようとしたのだ。67年、ゲリラ戦を行なっていたボリビアの…
プーさんシリーズは、『くまのプーさん』と『プー横丁に立った家』の2冊の童話(石井桃子氏が早くも戦前の昭和15年に訳して紹介した)と2冊の詩集からなる。 『プー横丁に立った家』はシリーズ最後のもので、ここでクリストファー・ロビンとプーたちとの…
私の中学時代から大学にかけて、最も関心を持ったニュースはベトナム戦争(インドシナ戦争)だった。アメリカの侵略であるこの戦争に対して、当時反体制活動家は二つの立場に分かれた。 一つは「反戦」、つまりいかなる戦争にも反対するという立場で、アメリ…
「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の会長、三浦小太郎さんは、政治批評から音楽評まで幅広い文筆活動を行なっている。姜尚中氏の北朝鮮への幻想を鋭く批判した「偽善的平和主義を拒否する」は拉致問題や脱北者に関わる人々に広く読まれて反響を呼んだも…
苦しみはどうすれば耐えられ、乗り越えられるのか。 高校球児が、普通の人なら音をあげてしまいそうな猛練習や先輩のしごきを「甲子園のため」という目標をかかげることで耐えぬくという話はよく聞く。オリンピックに出ようとする選手は、他人より苦しいトレ…
六本木通りの歩道わきに、ハルジョオン(春女苑)が群生していた。どこにでも生えるハルジョオンを昔は「ふてぶてしい」と感じたものだが、今は「がんばっているな」と好意的に見るようになった。「わびさび」を気取っているわけではない。きっと歳を取った…
けさ、憲法9条研究で知られる早稲田大学の水島朝穂教授からメールをもらった。水島君は早大法学部時代からの友人だ。 《本日、午後に胡錦涛国家主席が早稲田大学を訪問します。大隈講堂で講演し、福原愛さんらと卓球のダブルスをやる「イベント」まで用意さ…
拉致とは実に残酷な犯罪である。親たちはみな心身ともずたずたになる。 子どもが死亡した場合、親はもちろん悲しみのどん底に突き落とされるだろうが、いつかは心に区切りがつく。しかし、まだ13歳という幼い子どもが突然いなくなり、そのまま時間が経って…
自分を含めたこの宇宙がどうなっているのかという認識をコスモロジーという。 私が日記で書いてきたのは、日本の古いコスモロジーが、戦後の急激な価値転換で破壊され、代わりに物質科学主義的なコスモロジーが蔓延したことから、個人の生き方から社会の倫理…
おととい、ネパールで亡くなった古賀美岐さんのお母さんを自宅にたずねた。美岐さんは一人っ子のうえ、小さい頃お父さんが亡くなっている。美岐さんに先立たれたお母さんの喪失感の大きさは如何ほどのものか。 私は取りとめもなく、美岐さんにまつわる昔話を…
《なぜ人を殺してはいけないか?》 これは10年前、いっせいに取上げられた問いである。きっかけは、97年夏、TBSの「ニュース23」でスタジオに呼ばれた高校生がこの質問をしたところ、そこにいた識者といわれる人たちが答えられなかったという「事件」…
身近な人が亡くなると、自然に人生の意味を考える。 その時、我々はいま「意味」を失った時代に生きていることを感じる。それは圧倒的な物質科学主義の空気に満ちた時代。「結局は人間もモノなんだ」という認識が常識になっている時代だ。「心」でさえ、脳の…