長いことブログをご無沙汰しました。沖縄の八重山諸島をめぐる旅をしていて、20日に帰宅しました。おかげさまで、事故も病気もなくすばらしい旅を終えることができました。旅を少しづつ報告していきます。
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統一地方選、あすは後半の投票日。
前半の結果は、維新の躍進ぶりに驚いた。野党第一党の座を立憲から奪う趨勢だ。
維新は、守旧派を批判しているようにみえて、実はより右翼的な方向をめざす危険な政党だと思うのだが、閉塞感を打ち破ってくれるイメージが支持されているのだろう。
きょうJRの駅二つで乗り降りしたが、いずれも駅前には維新の候補が、緑の旗を立て、緑のベストの運動員を従えて演説していた。強いフレーズを使って力強く、孤高の改革者ぶりを訴えている。勢いを感じる。このままだと、後半も維新の躍進という結果になるのではないか。立憲、共産は戦略、戦術ともに練り直しが必要だろう。
しかし、ここまで選挙が盛りあがらないことが、そもそも問題だ。とくに若者が、政治にそして選挙に関心を持つようにすることが必要だ。
こないだフィンランドの選挙についてNHKニュースで特集していた。フィンランドではサンナ・マリン首相が今月の総選挙で与党が敗北したのを受けて辞任したばかり。
投票率は72%。日本と同様18歳から選挙権がある。それだけでなく被選挙権も18歳からあるので、立候補者の中に若い人も多く、18~29歳の立候補者が全体の1割を占める。
フィンランドでは、学校で政治について考える授業があり、13~17歳が実際の選挙の立候補者に投票する「模擬投票」が大々的に行われている。つまり、本番の投票と並行しての投票行動。投票用紙や投票方法も本番と同じ形式で、模擬投票の結果はテレビや新聞でも報じられる。前回の選挙では全国900の学校から9万人余の生徒が参加したという。生徒たちは政党のウェブサイトやSNSで情報を集めて自分が良いと思った政党を選ぶのだが、この過程で政治への関心を高めていく。
さらに自治体ごとに、その地域の若者で構成する「青年会議」があり、首都ヘルシンキの場合、選挙で選ばれた13歳~17歳の30人がメンバーとなって、自治体側に定期的に意見を伝えている。議論するのは、いじめやメンタルヘルスに関する問題が多いという。
また、事実上の軍部独裁がつづくタイで、来月の総選挙が注目されている。
事前の調査では、軍部系の政党よりも反軍の野党(かつてクーデターで追放されたタークシン氏の次女が率いるタイ貢献党)に人気が集まっているという。ただ、何度も民主化運動を弾圧されてきたタイでは、選挙に無力感を抱く若者も多い。そもそも今の軍政下で上院の250人の議員は任命で決まり、選挙で決まるのは下院の500人。上院はほぼ軍部支持派で占められるから野党が政権交代をするには500のうち376議席を得る必要がある。
それでも若者をなんとか投票に向かわせようとキャンペーンするグループがある。彼らが、街頭で今回の選挙で不正が行われるかどうかと若者たちに聞いたところ、ほぼ100%が「不正が行われる」と回答。政治不信は根強い。そこで彼らが行ったのが、やはり「模擬投票」。
厳しい現実を前に、諦めずに活動するタナパットさんたち。黙せず闘う。これだよな。いつも青年は未来だ。