桜は満開だが、あいにく雨がつづく。
畑はさまざまな菜の花が花盛り。小松菜、からし菜、のらぼう菜(関東の野菜)、ブロッコリーみなアブラナ科で黄色い花をつけている。
まだ3月というのに、東京は夏日になったという。あったかいのはいいのだが、これも温暖化の影響かと思うと気味が悪い。
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岸田首相は21日、ロシア軍による400人超の民間人虐殺があったことで知られるブチャを訪問し集団墓地に献花をした。
ブチャ虐殺1年の現地からのリポートを観ると、ウクライナの人々が、私たちの想像を超える大変な状況に置かれていることにあらためて気づかされる。
ブチャの女性、クリムツォワさんは1年前、夫と甥がロシア兵に殺され、どん底の悲しみに突き落とされた。
「人は時間の経過とともに、心の傷が癒えていくといいますが、苦しみが増しています。生きている心地がしません。長く生きられないと思います。」
さらに心を悩ませるのは、クリムツォワさんの弟が、兵士として東部の最前線で戦っていることだ。
「いま一番つらいことは、まだこの戦争が終っていないので、また誰かを失うんじゃないかという恐怖を常に抱えていることです。」という。
近しい人を失い、仕事も故郷も失う悲しみ、そして終わりの見えない戦争への不安、尋常ではないストレスで、ウクライナの人々の8割が心身の不調を訴えているという。
心理カウンセラーのアントニーナ・ヴィソーツカさんは、少しでも同胞の力になりたいとボランティアで人々の心の悩み相談に応じている。オンラインで、自分の存在には価値がある、誰かが支えてくれていると感じられるようにカウンセリングを日々行っている。
実は彼女にも心が打ちひしがれることがあった。「両親や私にとって天使のような存在」だった弟がロシア軍との戦闘で亡くなったのだ。しかしアントニーナさんは、自分のつらい体験を他人を助けるために生かそうとしている。
「私の心の中には人々が感じているのと同じ悲しみがあります。逆説的ですが、苦しみこそが〝誰かの役に立ちたい“という思いの源になるのです。」
驚いたのは、ウクライナで精子や受精卵を凍結保存する人が増えていること。ぎりぎりの選択なのだろう。
卵子を凍結保存する決断をしたイリナ・トゥカチュークさんは「子どもを作り、家族をつないでいきたい。何もしないよりいいと思ったんです」という。彼女の夫はいま従軍中だ。
クリニックの院長は「不幸にも戦死する場合もあれば、戦争から戻っても、健康とは言えない場合もあります。子どもや誰か家族が残ることが重要なのです」といい、去年5月から、希望する兵士が無料で精子や卵子を凍結保存できる取り組みをしている。この背景には、ウクライナで急速に進む人口減少がある。戦争はこれに拍車をかけ、現在4千万人の人口が2030年には3千5百万人に減る恐れもある。
ウクライナの兵士も10万人以上が亡くなっていると推定されている。市民も国家も必死で生き延びる道をさがしている。