選挙で統一協会問題を問え

 おととし3月に名古屋市の入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の遺族が国に賠償を求めている裁判で、きのう、遺族の弁護団は、証拠として提出された収容中の女性が体調を悪化させていく様子を写した映像5時間のうち約5分間を報道機関に公開した。

 「病院に連れて行って」、「私死ぬ」と懸命に訴えるウィシュマさんに対する扱いの冷たさは、見るのがつくらなるほど。猛烈な怒りを感じる。

NHKニュースより

 動画については東京新聞が詳しく紹介している。

www.tokyo-np.co.jp

 この事件の反省がまったく見られない入管法改正につよく反対する。

・・・・・・・
あの教会すっかり忘れ選挙戦 (兵庫県 松井憲三)
世襲する人に課したい相続税 (東京都 吉永光宏)

 7日の朝日川柳だが、選挙に関する報道があまりにも少ない。

 テレビでは一日中、WBCと出場した選手、監督の話題をまだやっている。

 統一協会が政治の中枢を汚染していた大問題は選挙の争点にならずに、脇に置かれてしまう危惧を覚える。

 有田芳生さんは山口4区で衆院補選を闘っているが、統一協会と安倍元総理の一族との関係を正面から問う

 ソウル発で、1992年、金丸信自民党副総裁(当時)が便宜をはかって文鮮明を超法規的に日本に入国させたとの外交文書が報じられた。

【ソウル共同】「1992年3月に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の創設者文鮮明氏(故人)が来日した際、米国で実刑判決を受けて本来は日本に入国できないのに、金丸信自民党副総裁(当時)が便宜を図り特別に許可されていた経緯が、韓国外務省が6日公開した外交文書で分かった。政界と教団との深い関係が30年前の外交記録からも浮かび上がった。
 文書によると、法務省は当初、文氏の入国を拒否しようとした。だが金丸氏が身元を保証した上、外務省も異論を示さなかったため、入国が許可されたという。韓国大使館が日本外務省に非公式に問い合わせた情報としている。」

 これはすでに知られていたが、韓国の外交文書で裏付けられた。

 松野博一官房長官は6日の記者会見で、この入国経緯について、「法相の裁量的な処分である上陸特別許可を受けて上陸が認められたものと承知しており、当時の法相の判断として適切なものであったと聞いている」と述べているが、これがいかに間違っているかを、有田さんが語っている。
https://twitter.com/renkon33211147/status/1643996491009368069?s=20

 入管法第5条の4に「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、一年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者」は入国できないとはっきり書いてある。超法規的に入国させたのは間違いない。

takase.hatenablog.jp

 文鮮明は80年代はじめ、米国で脱税で逮捕され、1年6カ月の実刑判決を受け服役した。そこに安部元総理の祖父である岸信介氏が、レーガン大統領に、文鮮明を早く釈放してくれるよう嘆願する手紙を出す。その効果か、文鮮明は84年に1年1カ月で刑務所から出ている。

 1年以上の刑罰を受けた文鮮明は、日本に入国できない。そこを金丸信氏が政治的な力をつかって特別に入国許可させた。

 つまり自民党の実力者が複数回にわたって超法規的な便宜を文鮮明に与えているのだ。

 有田さんは、この背景を実際の取材にもとづいて詳しく語っている。とくに、70年前後に、統一協会系企業が散弾銃と空気銃を製造し、大量に日本に持ち込んだ経緯、今もある教会系銃砲店、政治家の秘書として送り込まれた91人の女性信者・・・統一協会とはどんな組織なのかがよく理解できた。

 有田さんの解説、ぎょっとするような内容満載でおすすめです。ぜひお聞きください。

 私はそのなかの、1987年5月3日の朝日新聞記者が殺害された赤報隊」事件統一協会の関係に戦慄させられた。

 これは次回紹介しよう。