2010-01-01から1年間の記事一覧

楽しく生きよう

大晦日は仕事がないときは外食して映画を観ることにしている。 今年は『ノルウェイの森』。 緑(水原希子)が、好意を寄せる主役のワタナベ(松山ケンイチ)に生意気そうに近づいてくる、その背景に流れた曲”She Brings the Rain” (CAN) がとても印象的だっ…

右翼と左翼の「統合」3

個人の不幸は社会のせい、そんな考え方をかつて自分もしていた。 むかし、数年ぶりで高校時代の友人と会ったときのこと。大学を卒業して有名な大手証券会社に決まったと聞いていたのだが、一年もたたずに彼は退社していた。 営業成績による激しい社内競争、…

右翼と左翼の「統合」2

重要な政策転換がいっこうになされない今の政治には、誰もが失望している。 もう少し理念的なことを書きたいと思う。 「右も左も、党派を超えて取り組もう」という掛け声をよく聞く。 日本はいま、「国難」と言ってもいい事態だし、拉致問題もまた、右も左も…

嘘の人権 偽の平和 3

きょうは会社の忘年会。 写真はオフィスの一角で、右にある赤いのはダルマ。年初に片目を入れ、年末の忘年会に、一年生き残ったともう一つの目を入れるのがうちの儀式である。 このままで日本は、世界はよいのか、と議論にくれた忘年会だった、みな、心ある…

嘘の人権 偽の平和 2

数日前、金正日へのハガキを2枚出した。 時節柄「年賀状」となろうか。 金正日の写真が印刷してある。北朝鮮では、親愛なる指導者同志の写真、肖像を踏んづけたり、破ったりしたら厳罰に処せられる。だから、このハガキは決して粗末に扱われることはない。…

嘘の人権 偽の平和

畏友、三浦小太郎さんの先月発売の著作『嘘の人権 偽の平和』(高木書房、1200円)が届いた。 三浦さんは、評論家にして「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の代表をつとめる活動家でもある。以前から、彼の見識の深さ、確かさには教えられることが多かっ…

右翼と左翼の「統合」1

医師は、ふつうは重病の人を優先的に診るが、戦場や大災害の現場での救急医療では逆に、助かる可能性の高い人を優先する。圧倒的に不足する医療スタッフと医薬品を、限られた時間内で最も有効に使うためである。 「平和が一番、命ほど貴いものはない」という…

砲撃事件の背景―体制崩壊へ

北朝鮮現地から石丸次郎さんのもとに届いた情報によると、今の北朝鮮住民の暮らしは、90年代後半の飢饉時代以来の困窮ぶりだという。 アマルティア・セン博士流に、俯瞰して言えば、こうなるだろう。 90年代は、配給の機能マヒから来る、エンタイトルメント…

砲撃事件の背景―飢餓の解決

「人口論」で知られるマルサスは、餓死を引き起こすのは食糧の需要と全体的な食糧供給との間のギャップだと論じたとされる。 これに対し、前回紹介したセン博士は、飢餓が広がる一方で一部の者はかえって豊かになったりすることを、個々人や所属集団の食糧へ…

砲撃事件の背景―飢餓はなぜ起きるのか

北朝鮮の飢餓は、自然災害が原因ではない。 これを理論的な面からみてみたい。 ちょっと意外に思われるかもしれないが、大豊作でも飢餓は起こりうる。「食糧の供給量がどれほどあるのか」と「人々が食糧不足になるかどうか」は直接的な関係にはない。 大量の…

砲撃事件の背景―市場圧殺政策

サンデーフロントラインでは、いくつかの北朝鮮国内映像が流れた。 ひとつは6月に平安南道で撮られた映像。 やつれ果てた女性がうろついている。23歳だという。撮影した金東哲(キムドンチョル)氏によると、デノミの後の経済混乱で、父も母も死に、家を…

砲撃事件の背景―デノミの衝撃

テレ朝「サンデーフロントライン」のスタジオで「砲撃事件の背景」について解説した。 VTRでは、石丸次郎さんのもとに届いた北朝鮮からの最新の内部映像を、石丸さんのインタビューとともに紹介した。 今回伝えたかったのは、延坪島砲撃事件の背景には、…

自分の葬式に出てみたら

月末になると資金繰りでせわしい日が続く。 今年も紅葉狩りには行けなかった。見上げるとイチョウが見事に色づいて、街灯にクリスマスの飾りがついている。今年は時の経つのが速かった。 こういうとき、ふと、自分はこれでいいのか、何をめざして生きている…

アジアを中国に任せてはいけない

中国が緊急6カ国協議の開催を呼びかけた。 中国の「関与政策」というのは、ここまでいくのか。どんなにあばれても、よしよししてあげるという図に見える。これでは、北朝鮮にむしろ挑発のレベルを上げさせる動機づけを与えることになる。 北朝鮮が何かこと…

北朝鮮の砲撃と朝鮮学校無償化問題2

北朝鮮が韓国を砲撃したことは、無償化論議とは切り離すべしという意見がある。 たしかに朝鮮学校が直接に砲撃に関与したわけではない。 しかし、朝鮮学校で、あの危険で病的な国家体制とその指導者を讃え、正当化する内容の教科書を使用していることは問題…

北朝鮮の砲撃と朝鮮学校無償化問題1

ナチ党組織の指導者だったローベルト・ライは「ナチ・ドイツでは、なお私生活を送りうるのは眠っている間だけのことだ」と言ったという。 全体主義支配の特徴をよく言い表していると思う。 幼稚園レベルからヒトラーの神聖化が行われ、教室の壁にはヒトラー…

金正恩体制は東アジアの危険要因

北朝鮮が、韓国の延坪島(ヨンピョンド)に砲撃を加えたのを、後継者、金正恩が「砲術の天才」と喧伝されていたことに関連付ける見方がある。 北朝鮮は、「人工衛星発射に成功して衛星は今も地球を回っている」などととんでもないウソを平気でつく一方、後に…

体制危機の深まりか、北朝鮮が挑発

NTVのニュースゼロで弊社制作の「認知症」の特集が予定されていて準備していたら、午後おそく、北朝鮮が韓国の延坪島(ヨンピョンド)に砲撃したとのニュースが入る。結局特集は「とび」に。 韓国は自制するはずなので、すぐには事態がどんどん拡大するとは…

劉暁波さんのノーベル賞受賞を祝う会にて

ゆうべ、東京、恵比寿で「劉暁波さんのノーベル平和賞授与を祝う会」があった。 会は、詩人である劉さんの詩の朗読ではじまった。 「17歳」という詩がある。銃で撃たれて死亡した17歳の若者を、天安門事件2周年によんだ詩だ。最後は; 年齢を超越し 死を超…

スーチーさん制裁解除に転換か

かつて、アウンサンスーチーさんに自宅でインタビューしたさい、「日本に望むことは何ですか」と質問した。援助や投資、その他ビルマの軍事政権を利することをやめてほしい、観光に来ることも遠慮してほしいというのが彼女の答えだった。 そのスーチーさんが…

めぐみさん拉致の日に

めぐみさん拉致から33年、新潟で集会があった。 《横田めぐみさん=失跡当時(13)=が北朝鮮に拉致されて33年となった15日、新潟市で「忘れるな拉致11・15県民集会」が開かれた。約700人が参加、めぐみさんの父滋さん(78)や母早紀江さん(…

横田夫妻の白髪に思う

きのう、横浜市の杉田劇場で「横田ご夫妻を励ます会」があった。 会場すぐに定員300が満席になり、後ろに多くの立ち見が出た。 私も有田芳生さんとともに講師として招かれた。 壇上では横田夫妻の隣に座った。写真は、早紀江さんがお話をしているとき、失礼…

菅首相の危うさ

毎朝通る空き地がセイタカアワダチソウの黄色に染まっている。 すっきりと晴れて少し肌寒い中を歩く。ああ、秋はいいいなあ。 朝はなるべく自然の美しさを愛でるようにつとめている。すると、どんなにトラブル続きでも、腹を決めて生きていける気がしてくる…

ミャンマーで日本人ジャーナリスト逮捕

ミャンマーでは、軍事政権圧勝間違いなしの選挙が行われた。そこに日本人が取材中逮捕の報が飛び込んできた。 APF通信の山路徹さんが、タイからミャンマーに密入国して捕まり、拘束されているという。APFとは、3年前にヤンゴンで殺された長井健司さんが契約…

やっぱり千島全島返還を

朝から尖閣ビデオの流出がニュースで報じられている。私も6つの映像をネットからダウンロードして観た。これで一気に映像が世界をかけめぐることになった。 あらためて、インターネットの威力に驚く。一昔前には、こんなことは不可能だった。 中国漁船の船…

引越しのちテレビグランプリ

おととい、六本木のオフィスから引越し。 このオフィスには12年いた。 思い出がたくさんある。強烈なのは、最後の北朝鮮タブーと言われた朝銀のスキャンダルを暴いたときのこと。放送当日、オフィスが総連の抗議団に取り巻かれたことはすでに書いた。 http…

めぐみちゃん、元気にしていますか

20日、有田芳生さんの拉致問題委員会での質問について紹介した。 http://d.hatena.ne.jp/takase22/20101020 委員会の院内放送がビデオ録画で見られるのだが、不可解なことがあった。途中、短波放送「しおかぜ」で北朝鮮に向けて流された家族の肉声がカット…

マスコミと検察の暴走―他罰的な空気

23日のブログでは菅直人首相が大衆受けするパフォーマンスで、エイズ問題を捻じ曲げるきっかけを作ったとの指摘を紹介した。 アメリカから輸入した非加熱血液製剤で日本で1800人がエイズに感染、500人が死亡したとされる悲劇について、当時の政治家は―右も左…

最初で最後の拉致集会

きのう23日、東京都庁前の都民ひろばで、「北朝鮮による拉致被害者救出のための集い」が開かれた。特定失踪者の家族、関係者が全国から参集する初めての集会だ。 天気にもめぐまれ、たくさんの人―TBSは800人と報じていた―が参加した。 いろいろ、考…

マスコミと検察の暴走―菅直人首相の原点

菅直人氏が政治家として名を上げたのは、厚生大臣のときのいわゆる「薬害エイズ」問題での「謝罪」だった。 ウィキペディアの「菅直人」にはこうある。 《薬害エイズ事件の処理に当たり、当時官僚が無いと主張していた行政の明白な過ちを証明する“郡司ファイ…