北朝鮮の砲撃と朝鮮学校無償化問題2

北朝鮮が韓国を砲撃したことは、無償化論議とは切り離すべしという意見がある。
たしかに朝鮮学校が直接に砲撃に関与したわけではない。
しかし、朝鮮学校で、あの危険で病的な国家体制とその指導者を讃え、正当化する内容の教科書を使用していることは問題にして当然だと思う。
日本は自由な国である。
金正恩ファンクラブを作っても咎められないし、北朝鮮政府との友好を目指す組織があってもかまわない。私的な施設ならどんな教育をやるのも自由だ。
問題は、その組織や施設が、公的なお金を投入するに値するかどうかだ。金日成金正日の肖像をかかげ、捏造した歴史を教えているならば、税金を使うわけにはいかない。
今週24日、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」が、菅総理大臣宛に「北朝鮮の民間人砲撃という暴挙に抗議すると共に日本政府に断固たる姿勢と朝鮮学校無償化反対を求める要請文」を提出した。
民族排外主義とは無縁で、在日コリアンと日本国民の共生の立場から書かれている。賛同したので、その一部を紹介する。
《私達が人権団体として何よりも訴えたいのは、このような暴挙は偶然のものではなく、北朝鮮政府が国内で行っている人権弾圧や、拉致や大韓航空機事件、天安艦事件などと基本的に同根のものであることです。北朝鮮政府は国民に外部の情報を閉ざし、外国はすべて敵であるという誤った宣伝を行い、同時に、国内でも徹底的な人権弾圧を政治犯収容所を中心に行ってまいりました。また、その政府を支えてきた中国政府は、北朝鮮の人権問題に関心を示さないだけではなく、難民条約に違反して脱北者を逮捕し北朝鮮に強制送還してきました。この人権弾圧の改善と中国の姿勢の変化が無い限り、北朝鮮の軍拡・先軍政治やテロ・軍事的挑発は続くのです。

 そして、私達が忘れてはならないもう一つの問題は、このような政権を賛美、礼賛している朝鮮学校に対し、地方自治体の補助金が拠出され、また日本国政府が授業料無償化に向かう方向を基本的に変えていないことです。私達は在日コリアンへの差別や、朝鮮学校に通う生徒や先生方への攻撃は断固反対いたしますが、同時に、在日コリアンと日本国民との共生、そして真の意味での相互理解のためにも、朝鮮学校無償化に反対し日本政府の明確な姿勢を望むものです》
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政府は「教育内容は問わず、教員数や施設などの態勢が日本の専修学校高等課程と同レベル」という形式的な要件で無償化対象にするとしている。学校の体をなしていればよいという基準自体を見直すべきだろう。