毎朝通る空き地がセイタカアワダチソウの黄色に染まっている。
すっきりと晴れて少し肌寒い中を歩く。ああ、秋はいいいなあ。
朝はなるべく自然の美しさを愛でるようにつとめている。すると、どんなにトラブル続きでも、腹を決めて生きていける気がしてくる。
ミャンマーで拘束された山路さんは、すぐに釈放されてタイに出てきた。大事にはなるまいと思っていたが、無事でよかった。
尖閣映像を流出させた海保職員が判明し聴取しているとのニュース。そして、原因を徹底究明せよ、内閣は責任を取れなどの声も出ている。
もう、責任云々はやめようよ。日本はそれどころではないはずだ。今の内閣は、大事な問題をみな先送りにしているが、一つ一つ決めていってほしい。とくに、成長戦略を具体化して思い切って実行すべきだ。早く若い人たちの職場を大量に作らないと、将来税金を納める人がいなくなってしまうぞ。
テレビに出てくる菅首相の答弁を聞いていると、これがかつて溌剌と自民党に論戦を挑んでいた同じ政治家であることが信じられない。この人はいったい何者だろう。
先月23日に菅氏が「薬害エイズ」問題のさい、パフォーマンスで事態を捻じ曲げていったことを書いた。
今週号の『週刊現代』に、「特別レポート:菅直人と薬害エイズ―“手柄”だけを持ち逃げした男の物語」という記事が載っている。菅氏は9月の国連総会でも「国から無視されて放りっぱなしになっていた薬害エイズの被害者の方々の救済のために私は当時、厚生大臣として国と闘ってこの方々を救済する法案にサインをしました」と自負するスピーチをしている。
実は「解決」への道筋は他の人が苦労してつけたのを、菅氏が自分の成果としてさらっていったという。これを、私が紹介した弘中さんたちの側ではなく、主にエイズ被害者の側から明らかにしている。
東京HIV薬害訴訟原告弁護団の弁護士が、菅氏ははじめはこの問題にあまり関心を持っていなかったが、「我々が『厚生省がデータ隠しをしている』と話すと、急に話に食いついてきた。『それはいかん。とにかく官僚をなんとかしなきゃいけない』と繰り返していたのが印象的です」と語っている。
前回書いたように、「厚生省のデータ隠し」自体、なかったのだが、菅氏はこれを「発見」したと大々的に会見することになる。
大衆受けする「敵」が設定されると、がぜんエネルギーが沸いてくるタイプなのだろう。政治家としてのし上がっていく資質なのかもしれないが、危険な性行である。
しかし、彼を総理にしたのは、我々有権者の責任だ。これから菅氏の言動には十分注意して見守っていこう。