「環境問題」ではなく「自然との和解」

7月のペシャワール会カレンダー。 皆が夢見るのは、水の流れる故郷で 耕して食を満たし、家族と一緒に 平和に暮らすことです。 それ以上の望みを 抱く人は少ないでしょう。 そして、その最低限の望みは、人間ならば誰でも共有できる世界中の願いでもあります…

歌のちから ビートルズの革命

首都圏は連日30度を超える暑さ。エアコンを29度に設定して「除湿」をかけている。十分涼しい。 豪雨被害が出ている地域にはお見舞い申し上げます。 つい先日、昔の同級生が亡くなったとの知らせがあった。そのうち会おうと思っていたが、叶わず残念だ。訃報…

ウクライナの「勝利」が平和

ロシアの侵略前からウクライナを取材し続けている、香港出身のジャーナリスト、クレ・カオルさんと先月の講演会で再会した。 takase.hatenablog.jp すぐまたウクライナに取材に行くというので、カンパを兼ねて彼の写真を購入した。負傷したウクライナ兵士を…

慰霊とはどうあるべきか2

沖縄に米軍が上陸し、日本軍が南部へと移動するなか、戦火を避けていた住民が兵士によりガマなどから追いだされるなどして戦場に放り出された。結果、住民の4人に1人が犠牲になる惨状を呈した。 遺骨は地域ごとに祀られた(報道特集17日OAより) それらの犠…

慰霊とはどうあるべきか

6月23日は沖縄慰霊の日だった。1945年のこの日、沖縄での組織的な戦闘が終わったとされる。 テレ朝の「報道ステーション」はこの日、平和祈念公園から大越キャスターの中継リポートを含む約20分の特集。今年の追悼式は、4年ぶりに「制限解除」され多くの一般…

強制送還に怯えるシリア難民

6月20日は「世界難民の日」。 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、戦争や迫害などが理由で住む場所を失った難民や国内避難民が過去最多になったと発表した。ウクライナでの戦争や気候変動の影響もともない、ふるさとを追われた人が2022年の1年間で1,910万人…

歌のちから「マイ・ラスト・ソング」より

反撃するウクライナ軍にBBCが従軍取材した映像が、生々しい戦場の様子を伝えている。ロシア軍が制空権を握るなか、ウクライナ軍は多大な犠牲を出しつつ前進する。 49歳の司令官はちょっと小さいヘルメットをかぶっている。それは同じ戦場でつい最近戦死した…

ジャニー喜多川問題を報じなかったマスコミの罪3

そろそろ紫陽花も終わりだなと、小平市の「あじさい公園」に行ってみた。花の色もくすみ始めて、「ゆく春」を惜しんだ。 可憐なベニガク(筆者撮影) ちょっと遅くなったが、八百屋で青梅を求めて梅酒を仕込む。 ・・・・・・・ 『週刊文春』は1999年からジ…

ジャニー喜多川問題を報じなかったマスコミの罪2

中村哲医師を支援してきたペシャワール会のカレンダー うまそうなスイカが山積み。6月のペシャワール会のカレンダーだ。中村哲医師の言葉— 「平和」とは大地の上に築かれるもので、自然と人間との関係のあり方が大きな意味を持つような気がしてならない。 敵…

ジャニー喜多川問題を報じなかったマスコミの罪

今週、旧友に招かれて信州に遊んだ。田植えが終わった青々とした田んぼと黄色く実った穂が揺れる麦畑が美しかった。 麦秋の信州(上田市) そろそろ山形のさくらんぼが出てくる。私の実家近くの農家に聞いたら、今年は天候不順で収量が激減し、来年の3割しか…

中村哲医師と大和魂

空がどんより曇っていたが、気分転換に自転車で東村山市八国山緑地に出かけた。 ここは「トトロの森」で知られている広大な森だが、隣に北山公園菖蒲苑がある。ちょうど「菖蒲まつり」(18日まで)でにぎわっていた。 10万本が満開だ(筆者撮影) 色や形のバ…

入管法改正案は可決成立したが・・

入管法改正案は6月8日(木)に参院法務委員会で強行採決、翌9日(金)に参院本会議で可決、成立した。 日本国民として恥ずかしい限りだ。 廃案にすることには残念ながら失敗したが、国民の関心が高まり野党ががんばったこともあって、現在の入管行政、難民審…

入管法改正反対で5千人が国会前デモ

満開の紫陽花。どの花もよく見ると「よくもまあ、こんな美しいものを自然は造るものだなあ」と感心する。 山形の実家から移植したうちの紫陽花 「栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった」という聖書の言葉や金子みすずの「…

ミサイル発射の陰で「管理された飢餓」が進行する北朝鮮

竹中工務店の「中村哲の挑戦」展をもう一度観に行った。前回1時間半ではたくさん見残しがあったので。再訪でまた新たな発見があり勉強になった。 竹中工務店本社前の作品 Canal 。祐成(すけなり)政徳氏の作。友人のリー智子さんのお兄さんだそうだ。 中村…

中村哲医師の宗教観「白い峰を共に仰ぐ」

お知らせです。 「中村医師が命がけで私たちに教えてくれたこと―平和そして人の道」を東京・小金井市の市民講座で2回にわたりお話します。7月8日、15日(土)14-16時で、ご関心ある方はお問い合わせください。 小金井市在住、在勤、在学でなくとも定員まで…

「中村哲の挑戦」でロングインタビューを観る4

いま参議院で審議されている入管法改正案。中村哲さんが生きていたら、これをどう考えただろうか。 なぜペシャワールというパキスタンの奥地にまで医療支援で行くのかと問われた中村さんは「やむにやまれぬ大和魂ですたい」と答えたそうだ。その中村さんなら…

「中村哲の挑戦」でロングインタビューを観る3

今朝の新聞の一面トップが将棋の藤井聡太が渡辺明名人に勝ったニュース。 藤井は20歳10カ月での名人獲得となって、谷川浩司が1983年に達成した史上最年少名人(21歳2カ月)の記録を40年ぶりに更新。さらに羽生善治が96年に全七冠制覇を達成して以来、史上2人…

「中村哲の挑戦」でロングインタビューを観る2

中村哲さんは社会批評や人生観を文章にして書き記しているけれど、動画で、しかもカメラ目線で語りかけられるととても味わい深い。 中村哲ロングインタビューのつづき― Q4:日本が失ってしまったものは何だと思いますか? 簡単に言うと、金で買えないものを…

「中村哲の挑戦」でロングインタビューを観る

いま竹中工務店のギャラリーA4(エークワッド)で「中村哲の挑戦」展をやっている。これがすばらしい。 東京・江東区の竹中工務店本社 1階のGallery A 4で6月22日まで 中村さんが、らい(ハンセン病)患者の足を保護するために独自に研究・開発したサンダ…

北朝鮮:サイバー攻撃で核ミサイル開発の資金調達

テレビのニュース番組で仕事をしている友人が石垣島に急遽出張になった。 台風とミサイル警戒の取材だという。「ミサイル」とは、北朝鮮が31日以降に「人工衛星」として通告した弾道ミサイルの発射計画だ。軍事偵察衛星が搭載され、北朝鮮北西部の平安北道・…

送還の恐怖に怯えるクルド人―入管法改正をめぐって

先週末、友人の写真スタジオでモンゴルの馬頭琴の奏者、ボルドエルデネさんの演奏を聴いた。 馬頭琴とホーミーの夕べ 馬頭琴を弾くボルドエルデネさん すぐ近くで奏でられる馬頭琴の音の振動が肌から染み込んでいくようで圧倒された。彼はホーミーでも全国大…

連載50周年を迎える「はだしのゲン」

先々週のことになるが、NHK『国際報道』の酒井美帆キャスターのフィンランド取材を特集していた。 酒井美帆キャスターの物おじしない取材態度がよかった(国際報道より) フィンランドは幸福度ランキングで6年連続世界一。男女平等を示す指数で世界2位、女性…

被爆者を失望させた広島G7

先日、香港出身のジャーナリスト、クレ・カオルさんの講演会に行ってきた。 クレ・カオルさん。東京外国語大学での講演(5月20日) 東京外国語大学での写真展 彼はウクライナに、ロシアが侵略する前から入って、いまも取材を続けている。去年、彼の話を聴い…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側③

「立夏」をすぎて節季は「小満(しょうまん)」。 あらゆる命が満ちていく時期、太陽を浴び、万物がすくすくと育つ季節、だそうだ。 歩道に初夏の花、タチアオイが咲く。早いな。花は下から順に上に咲いていく。 21日から初候「蚕起食桑(かいこおきて、くわ…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側②

G7首脳が広島にそろい、原爆の犠牲者たちを追悼した。 NHK国際報道より これまで観たことのない光景で感慨深い。首脳らの平和記念資料館見学のようすは非公開だが、資料館から出てきた一般の外国人のなかに言葉を詰まらせる人がいるのも印象的だった。 私は…

統一協会によるスラップ訴訟との闘い

きょう午後、東京地裁で「旧統一教会スラップ訴訟・有田芳生事件」の第1回口頭弁論があった。傍聴席68は満席。 東京地裁 この訴訟は、去年8月19日の日本テレビ「スッキリ」にゲストとして出演した有田さんの以下の発言が名誉棄損だとして、世界平和統一家庭…

金賢姫「実在」証明スクープの裏側

スクープを狙うのはジャーナリストの常だが、スクープと言ってもいろいろある。 新聞記者の世界で典型的なのは、いずれ発表される情報を他社より早く「抜く」スクープだ。単純明快だが、予定より数日、あるいは数時間早く報じられることで、世の中が変わるこ…

中村哲医師と不動明王2

夜のニュースを伝えるテレビに怒鳴ってしまった。 衆議院であの入管法改正法案が採択された。 「不法滞在中の外国人が入管施設で長期収容されている問題の解消を図る入管法改正案は9日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過した。審議は参院に移るが…

中村哲医師と不動明王

先月の八重山の旅より。 鳩間島に日帰りで訪れた。この島は、かつてはカツオ漁が盛んで700人が暮らしたそうだが、いま実際に住んでいる人はわずかに30人内外だという。周囲3.9キロの小さな島で、亜熱帯の樹林が広がるワイルドな自然と売店も何もない美しい海…

難民申請者を送還する入管法改正案

きのう5日は、茨城県龍ヶ崎市で『医師中村哲 仕事・働くということ』の自主上映会があり、アフタートークに呼ばれた。 『医師中村哲の仕事・働くということ』 50人の会場から質問がいくつも寄せられ、ある大学生からは将来の進路を考えるヒントをと求められ…