竹中工務店の「中村哲の挑戦」展をもう一度観に行った。前回1時間半ではたくさん見残しがあったので。再訪でまた新たな発見があり勉強になった。
節季は芒種(ぼうしゅ)。
芒(のぎ)とは稲などの先にある突起の部分で、芒種とは穀物の種を蒔くころのことだそうだ。東京もそろそろ梅雨入り。
6日から初候「螳螂生(かまきり、しょうず)」。11日から次候「腐草為蛍(くされたるくさ、ほたるとなる)」。末候「梅子黄(うめのみ、きばむ)」が16日から。
まだ八百屋で青梅買えるかな。はやく梅酒を仕込まないと。
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先週のTBS「報道特集」で北朝鮮の失敗に終わった軍事衛星打ち上げを取り上げ、今のあの国の内部事情を特集していた。
久しぶりにアジアプレスの石丸次郎さんが登場して解説。石丸さんの強みは、北朝鮮内部に「協力者」を持っていることで、北部の協力者と電話で結んで近況を聞いていた。
協力者に「衛星」打ち上げについて聞くと、「知らない」という。「そんなことに関心を持っている人はいません。それで私たちの生活が何か良くなりますか。」と言ったあと、厳しい飢餓状態にあることを吐露した。
「3件に1軒ほどが飢えています。3分の1の人が一日一食しか食べられず、栄養失調で明日死んでもおかしくないと思います。食糧がなくて山菜を採りに山に入ったりするのですが、食べ物を探し回って死ぬ人もいます。先週も山で子どもと大人の遺体が見つかり、腐っていました。『一生死ぬまで食べる心配をしなければならないのか』、多くの人がそう言っています。」
石丸さん解説
「お金がなくて食糧が買えないと、次に家財道具や家まで売って、それでもダメな場合は、犯罪に走る人が出てきている。万策尽きた家庭では、年老いた親や子どもを放棄して、家出してしまうというケースもたくさん報告が入ってきています。」
「ミサイル発射実験は2022年以来ずっと続けてきています。ここに大変なお金を注ぎ込みながら、経済の疲弊によっておこる社会秩序の乱れは許さない。『管理された飢餓』が進行中なのではないかなと思います」
北朝鮮の民衆は、ぎりぎりまで暮らしが追い詰められても声を挙げることもできず、息絶えていっているというのだ。
韓国の国家情報院によれば、北朝鮮の食糧難が深刻化し、餓死者が例年の3倍に増えているという。凶悪犯罪が去年の同期比約3倍となり、自殺者は約4割増と推定されている。
この飢餓状況のなか、貴重な外貨を国民のための食糧買い付けに回さずに、核ミサイル開発に注いでいること自体、国家犯罪である。
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もう一つ気になったニュースが、天安門事件から34年を迎えた6月4日の香港。
天安門事件の翌年の1990年から2019年まで、犠牲者を追悼する大規模なろうそく集会が開かれたビクトリア公園近くには装甲車と警察官6000人が配置され厳戒態勢がとられた。公園では4日、親中派の団体が中国返還26周年を祝うイベントを開催し、中国各地の料理など特産品を販売するブースが設けられてお祭りムードだったという。
20年の国家保安法施行以後、追悼行事は開かれておらず、今ではわずかな意思表示も許されなない。5日、香港警察は前日、香港ビクトリア公園近くで公共の安全を脅かした疑いで男性11人と女性12人を連行したと発表した。連行されたのは、犠牲者を称えるためにろうそくを持ちデモを行った人、花を持って街に出た香港の有名な活動家アレクサンドラ・ウォン、天安門事件を報じた1989年6月4日の新聞をプリントした服を着た男性など。
NHKの取材に応じたのは、民主活動家の蔡燿昌さん。
天安門事件から中国の民主化に貢献したいと活動してきたが、国家安全法施行直後の20年6月、「無許可の追悼集会に参加したとして逮捕され、8カ月収監された。4日は、ある大学に行こうとしたら私服に連行されて隔離されてしまった。
「六四記念館」は一昨年9月に閉鎖され、これを維持してきた市民団体も解散させられた。図書館からは関連図書が排除され、事件の犠牲者を悼んだ記念像も撤去された。
香港当局や政府機関は、天安門事件の記録と記憶を抹殺するつもりだろう。
花束を手に立っているだけで連行されるという状況は、3年前には想像すらできなかった。いったん失った自由を取り戻すのはきわめて困難だろうが、抵抗する香港人を応援していこう。