関東大震災の虐殺100年によせて3

きのう10日(日)のNHKBS1『ボクと自由と国安法と〜香港600時間の映像記録』はすばらしいドキュメンタリーだった。 香港で遺伝子研究を志していたクレ・カオルさんは、民主化運動のなかで報道カメラマンに転じ、「国安法」による弾圧から逃れて故郷を離れた…

関東大震災の虐殺100年によせて2

先日、千葉県船橋市の行田公園に行ってきた。 ここはもと海軍の無線基地(海軍無線電信所船橋送信所)があったところで、戦後米軍に接収され、1966年に返還されて公園になった。この一画に日本近代史に重要な役割を果してきた無線塔の記念碑がある。 船橋送…

関東大震災の虐殺100年によせて

きょう映画『福田村事件』(森達也監督)を観てきた。 福田村事件とは― 「1923年9月1日11時58分、関東大地震が発生した。そのわずか5日後の9月6日のこと。千葉県東葛飾郡福田村に住む自警団を含む100人以上の村人たちにより、利根川沿いで香川から訪れた薬売…

核戦争で6割が餓死する日本の安全保障

日本の平均気温は、7月も8月も過去最高だったという。 先日ニュースで、人間活動による生態系の破壊が止まらないという問題をやっていた。例えば、原生林の減少は大問題だが、今後がさらに憂慮されるという。というのは今残っている原生林の7割は、人間が…

ジャニーズ性加害とマスコミの責任

猛暑はまだ続いているが、季節は確実に動いていて、夕方には秋の虫がさかんに鳴いている。 9月になったということは、今年の3分の2が過ぎたわけだ。時間の区切りを意識するたびに、しっかり生きようと思う。 暑いなか畑で人参の間引き。葉っぱはレンジで…

海洋放出の責任の重み

先月、東中野の「ポレポレ東中野」で中村哲医師の思索と行動を描いた『荒野に希望の灯をともす』のリバイバル上映があった。 「荒野に希望の灯をともす」 去年7月の上映開始から観客動員数が6万人を超えたという。ドキュメンタリー映画は1万人以上が観たらヒ…

8月に日本人の戦争観を考える

労働組合のストライキに非難が寄せられるご時世だ。 大手百貨店そごう・西武の労働組合は30日、ストライキを実施することを決めた。ストは31日に西武池袋本店(東京都豊島区)で実施し、午前10時の開店から終日を予定。そごう・西武は終日全館休業にする。 …

不信のなか処理水の海洋放出はじまる

原発敷地内にたまる処理水の海洋放出がついに24日に始まった。東京電力はトリチウムの濃度を国の基準の40分の1未満にまで薄め、海底トンネルを通じて沖合1キロから放出すると説明する。 この問題をどう見たらいいのか、迷っている人も多いだろう。ここに中国…

幼児化する政治家の言葉

節季は一昨日までが「立秋」できのうから「処暑(しょしょ)」に入る。 初候「綿柎開(わたのはなしべ、ひらく)」が27日まで。綿の実がはじけて綿毛が顔を出すころ。次候「天地始粛(てんち、はじめてさむし)」が9月2日まで。朝夕はようやく少しづつ涼しく…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事6

「終戦の日」によせて② 渡哲也のヒット曲「くちなしの花」(1973年発表)の陰に、ある戦没学生の存在があった。 この歌の作曲をした遠藤実は、戦没学生であった宅島徳光(のりみつ)氏の遺稿集『くちなしの花』の中の詩の一節をモチーフにして曲をつくってほ…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事5

はじめにお知らせです。 私の尊敬する知り合いを描いた番組が放送されます。20日(日)のEテレ「こころの時代」。早朝5時です。「『はだしのゲン』と父 翻訳者・坂東弘美」 坂東弘美さんはチェルノブイリ事故被災者の救援でも活動していて、私は30年近く前に…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事4

きょう8月12日は、鹿児島県から市川修一さんと増元るみ子さんが拉致されて45年になる。 るみ子さんの弟、増元照明さんが街頭で署名活動をする様子がニュースで流れた。 NHKニュースより 「まったく進展しないこの8月12日に関して、失望もあり、それでもやら…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事3

ここ3〜4日、本ブログへのアクセスが驚くほど増えて、「先週のはてなブログランキング」で28位になったと連絡が来た。いまも拉致問題への潜在的な関心は高いのだなとあらためて感じる。 2014年の田中実さん・金田龍光さん生存情報秘匿問題は、テレビや新聞が…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事2

「娘に会いたい」と題する横田早紀江さんと有本明弘さんの座談会は、「めぐみちゃんと家族のメッセージ」展初日の8月2日(水)の午前11時30分から、日本橋髙島屋8階ホールで行われた。 早紀江さんと明弘さん(8月2日)写真展は主催=あさがおの会、共催=…

横田めぐみさん写真展での奇怪な出来事

8月2日(水)から14日(月)まで、拉致被害者、横田めぐみさんの写真展が、日本橋の髙島屋で開かれている。 初日の2日は、11時30分から、めぐみさんの母、横田早紀江さんと有本恵子さんの父、有本明弘さんの座談会があって、私がファシリテーターをつとめた…

ロシアの言論状況は過去最悪に

先週土曜日、武隈喜一さんの講演「ウクライナ戦争 日本のメディア報道の落とし穴と情報チェックの実践法」を聴いてきた。武隈さんはテレ朝の元報道局長で、現在はフリーのジャーナリストとしてテレビなどでロシア情勢を解説している。 講演する武隈喜一さん…

中村哲が見た「飽食の国」日本2

山田洋次監督(91)の新作映画「こんにちは、母さん」の先行上映会が23日、山田監督の父の出身地である福岡県柳川市の市民文化会館であったとのニュース。91歳にして新たな映画を作ったのはすごい。 山田洋次監督(NHK) 山田監督の生き方はどこか中村哲医師…

中村哲が見た「飽食の国」日本

去年、1年間に自殺した人の数は全国であわせて2万1881人となり前年から874人増えた。うち女性は7135人で3年連続で増加し、自殺した小中学生や高校生は。小学生が17人、中学生が143人、高校生が354人で、あわせて514人となりました。前の年から41人増え、これ…

「人生の目的はしあわせ」でいいのか4

NHKの土曜ドラマ「やさしい猫」がおもしろい。 シングルマザーで保育士のミユキ(優香)は、震災のボランティア活動中に出会ったスリランカ人の青年クマラと結婚するのだが、クマラがオーバーステイになってしまい、入管施設に収容される。ここからミユキた…

横田めぐみさん写真展のお知らせ

お知らせです。 8月2日(水)から14日(月)まで、拉致被害者、横田めぐみさんの写真展が、日本橋の髙島屋で開かれます。展示されるのは、めぐみさんの父、滋さんが、めぐみさんが13歳で北朝鮮に拉致されるまで家族を撮り続けた写真の数々。 初日、8月2日(…

「人生の目的はしあわせ」でいいのか3

タレントのRyuchell(本名、比嘉龍二)が自死したニュース。痛ましい。彼を慕う若者たちに自死の連鎖が起きないよう祈る。 Ryuchell(TBSサンデーモーニングより) 自死の背景に、ネットでの誹謗中傷があると言われている。日本は、ネット上で発信する人の匿…

「人生の目的はしあわせ」でいいのか2

袴田巖さんの「無罪」判決がまた遠くなった。 「再審公判」で、検察側は袴田さんの有罪を立証する方針だという。これまでの審理で裁判所は重要証拠の「5点の衣類」について“ねつ造”を示唆し、それが再審開始につながったのだが、検察側は“ねつ造”の指摘に反…

「人生の目的はしあわせ」でいいのか

九州北部にまた豪雨。テレビに流れた被害の映像を見て心配になり、九州にいる知り合いに連絡して無事を確認した。 荒れ狂う川の映像(サンデーモーニング16日より) 気候変動対策は待ったなし、のはずだが、戦争、「経済」が先行して、各国の政策における優…

大賀蓮と「後世への最大遺物」

日本からの頭脳流出が本格化している。 6日のNHK「国際報道」では、日本では途絶えそうになった研究を中国が研究環境を提供して続けさせようという医療分野のプロジェクトが紹介されていた。 神戸市の公益財団法人と中国・成都のスタートアップ企業が手を組…

政治とのつながりは統一協会の命綱

「岸田を呼びつけて教育を受けに来いと伝えなさい!」 ハン・ハクチャ総裁(Nスぺより 先日の統一協会・韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁の発言が問題になっている。TBS「報道特集」は、統一協会の日本の政界への関与が今も続く実態を伝えていた。 5月26日、東…

日本の凋落は政治のせい「もううんざりだ!」

朝、府中郷土の森公園に散歩に行く。池にたくさんのハスが咲き、写真を撮ったり写生したりする人の姿があった。ハスの種類は37もあるという。 紅舞妃(べにまいひ)という種類のあでやかな花。(筆者撮影) 撮影に夢中のカメラ女子たち。 ハス博士、大賀一郎…

「環境問題」ではなく「自然との和解」

7月のペシャワール会カレンダー。 皆が夢見るのは、水の流れる故郷で 耕して食を満たし、家族と一緒に 平和に暮らすことです。 それ以上の望みを 抱く人は少ないでしょう。 そして、その最低限の望みは、人間ならば誰でも共有できる世界中の願いでもあります…

歌のちから ビートルズの革命

首都圏は連日30度を超える暑さ。エアコンを29度に設定して「除湿」をかけている。十分涼しい。 豪雨被害が出ている地域にはお見舞い申し上げます。 つい先日、昔の同級生が亡くなったとの知らせがあった。そのうち会おうと思っていたが、叶わず残念だ。訃報…

ウクライナの「勝利」が平和

ロシアの侵略前からウクライナを取材し続けている、香港出身のジャーナリスト、クレ・カオルさんと先月の講演会で再会した。 takase.hatenablog.jp すぐまたウクライナに取材に行くというので、カンパを兼ねて彼の写真を購入した。負傷したウクライナ兵士を…

慰霊とはどうあるべきか2

沖縄に米軍が上陸し、日本軍が南部へと移動するなか、戦火を避けていた住民が兵士によりガマなどから追いだされるなどして戦場に放り出された。結果、住民の4人に1人が犠牲になる惨状を呈した。 遺骨は地域ごとに祀られた(報道特集17日OAより) それらの犠…