ウクライナ取材を終えて

 ウクライナ南部ザポリージャで、オデーサに向かう遠藤正雄さんと別れ、私は一人でバスでポーランドに出ることに。陸路国境を越え、31時間後、ワルシャワに着きました。ちなみにバス代は100ドル弱でした。

チェックアウトしたザポリージャのホテル前の朝焼け。

地雷処理チームから「お土産」だと差し出され、遠慮したのだが、いいから持ってけ!と押し付けられた。 帰路、荷物検査などで引っかかる可能性も考え、置いていくことに。取材を終えたらトラブルを避けて撤収、が鉄則なので。

バス乗り場まで車を呼ぼうと、通訳がスマホをちょこちょことやったら5分でホテルまで車が来た。Uberより安いアプリだという。タクシー会社に電話して呼ぶことしか知らない私は、時代に取り残されてることを実感。なお、夜間外出禁止の時間帯でも呼ぶ裏ワザもあるという。庶民の生きる(悪)知恵はすごい。

 マックス君と直接に対話しませんかという提案にたくさんの賛同をありがとうございます。ネットで結んで授業や講義をやってみたいとの希望も寄せられました。

 マックスにそれを伝えると
 Amazing, I’m waiting👌🏻(すごいね、待ってるよ)と喜んでいました。私も楽しみです。帰国したら具体化にむけご協力しますので、よろしくお願いします。

 私と同じバスに乗っているのは女性と子どもと高齢者。途中、出国審査で一人の中年男性がバスから降ろされそのまま戻ってきません。18歳から60歳までの男性は原則出国禁止で、それに引っかかったのでしょう。

私が乗るバスにマリウポリ行きとある。侵攻後まもなくロシアに占拠された町だ。以前のルートを今も掲げている。なお、ロシアが併合したと主張するドネツク市へは前線を超えて今もここからバスが通っているという。敵側の町に!「2回チェックポイントがある」とのこと。

赤い二階建てのバスに乗り換えた。2〜3時間おきにトイレ休憩がある。喫煙人口が多い。半分くらいは電子タバコ

国境に着いたのが翌早朝。出国手続きのため係官の女性が旅券を集めに来た。一人の男性に厳しい声で質問し、バスから降ろした。 入国手続きと荷物検査と合わせ、早朝2時間半を国境で拘束された。武器の密輸などもあって審査が厳しいのだという。

国境を抜けてポーランドの農村へ。濃い霧がかかっていた。

平原が地平線まで広がっている。

ロシア侵攻前から多くのウクライナ人がポーランドに出稼ぎに来ている。窓から見る限り、たしかに経済的に豊かな印象だ。ドライブインハンバーガーを買ったらウクライナよりずっと高い。

 正味わずか8日間のウクライナ取材でしたが、学ぶことが多く充実していました。これから日本での発表の場を探します。