10月23日夜、ウクライナ南部のザポリージャ市のホテルに一泊。翌24日の朝さっそくミサイルが落ちた場所を見に行く。
ホテルの窓がほとんど壊れているのでもっと近いかと思ったら、現場は200mほども離れている。ガラスが割れるのは爆発物の破片ではなく爆発の衝撃波による。ガラスが割れるほどの衝撃波なら人間はふっとばされるだろう。衝撃波がいかに遠くまで届くかを考えると怖くなる。
ミサイルが着弾した建物は路面電車が通る目抜き通りに面した民間のビルで、周辺に軍事施設は見当たらない。交通量もいつもどおりで、ミサイル着弾の話を知らなければ、ごく普通の平和な街にしかみえない。たんたんと日常を生きる人々にたくましさを感じる。
被災したビルの向かいに立派な教会があり、その前の歩道に物乞いする高齢者が4人いた。周辺で写真を撮っていると、若い男性から厳しい声で誰何(すいか)された。日本から取材にきたというと、相好を崩して自分はボランティアで前線に物資を届けているとスマホをみせてくれた。
ホテルに戻っていま午前11時27分、大きな爆発音が聞こえた。すると1分後に空襲警報がなる。警報より先に着弾している。これは怖い。
11時42分、追伸。テレグラム情報ではイスカンダルミサイルが着弾したとのこと。このミサイルは破壊力がすさまじいので被害の程度が心配だ。
11時45分追伸。ニュースではミサイルは2発とのこと。
12時20分追伸。ロシアの偵察ドローンORLANがザポリージャ上空を飛行中との情報。さらなる攻撃の可能性。
13時15分。もう大丈夫そうだ。街は何事もないように動いていた。
つづく