ガザでの所業はジェノサイドの典型(クレイグ・モカイバー)

 はじめにお知らせです。

 ウクライナ取材をテレビ番組で報告します。

 日本での報道と現地の実態はそうとう違っていて私も驚きました。その一部をお伝えしたいと思います。ご覧ください。

 11月13日(月)よる9時~9時54分
 BS11 「報道ライブ インサイドOUT]
 私がスタジオ出演します。

www.bs11.jp

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 ガザで起きている事態は、もうジェノサイド以外の何物でもない。

  「ハマスも悪いがイスラエルもやりすぎ」「憎しみの連鎖を断ち切れ」などと言っている場合ではない。かつてユダヤ人がやられたホロホーストが、いま世界の目の前で行われている。今の「暴力の構造」をつくり維持してきた点で、欧米諸国はもちろん、企業メディア、国連さえも共犯者である。

 

 私の友人、藤原亮司さんの『ガザの空の下』には、ガザがずっと「監獄」としてパレスチナ人が人間扱いされてこなかった実態がリポートされている。

takase.hatenablog.jp

 国連人権高等弁務官事務所・ニューヨーク事務所のクレイグ・モカイバー(Craig Mokhiber)所長が退任を前に、2023年10月28日付で、テュルク人権高等弁務官に最後の公式報告として、イスラエルによるガザへの軍事作戦に対して国連が適切に対応していないと批判する書簡を送った。

クレイグ・モカイバー氏


 その書簡から一部を引用する。
(ヒューライツ大阪 https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2023/11/1028.htmlを参照)

www.hurights.or.jp

(前略)

 高等弁務官殿、私たちはまたしても失敗している。

  この分野で30年以上の経験を持つ人権弁護士として、私は、ジェノサイドの概念がしばしば政治的に濫用されてきたことをよく知っている。しかし、目下進行中の、パレスチナ人民に対する大規模な殺戮には、疑念や異論の余地はない。これは、民族主義的な入植型の植民地主義イデオロギー an ethno-nationalist settler colonial ideology に根ざしており、対象がアラブ人であることだけを理由にして数十年にわたって継続されてきた組織的な迫害と追放の果てのできごとであり、さらにイスラエル政府と軍指導者による[ジェノサイドの]明確な意思表明をもともなっているのである。ガザ地区では、民家、学校、教会、モスク、医療機関が無差別に攻撃され、数千人の市民が虐殺されている。占領下エルサレムを含むヨルダン川西岸地区では、完全に人種にもとづいて家屋が接収され、再配置され、さらに暴力的な入植者ポグロム [破壊と虐殺。もとはロシア帝国におけるユダヤ人に対する集団的暴力を指すロシア語] がイスラエル軍部隊の支援の下で行われている。[ヨルダン川西岸地区の] 全域において、アパルトヘイト[人種隔離政策。もとは南アフリカ共和国白人政権の政策]が実施されている。

 これはジェノサイドの教科書的な事例である。パレスチナにおけるヨーロッパの、民族主義的な入植型の植民地主義プロジェクトは最終段階に入り、パレスチナにおいて最後まで残された土着のパレスチナ人の生活を破壊し一掃しようとしている。そして米国とイギリスの政府、多くのヨーロッパ諸国政府は、この恐るべき攻撃のまったくの共犯者である。これらの政府は、ジュネーブ条約への「尊重を確保する」条約上の義務を拒否しているだけでなく、事実、イスラエルの攻撃に積極的に武器を供与し、経済的・情報的支援を提供し、そして政治的・外交的言辞によってイスラエルの残虐行為を覆い隠している。

(以下略)

 

 日本も「バランス外交」などといいながら、この構造を容認してきた点で共犯者であることを免れないが、少なくともこれ以上の積極的な加担をするなと言いたい。

 クレイグ氏が書簡の最後に具体的な解決策を提案しているが、その中で私は、「幻の二国家解決案」を放棄して、一つの国家をつくるというアイディアに共感する。

「人権にもとづく一つの国家:私たちは、歴史的パレスチナ全域において、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が平等な権利を有する、民主的で世俗的な単一国家を樹立することを支持しなければならず、したがって、きわめて人種主義的な入植型の植民地主義プロジェクトの解体、および全土にわたるアパルトヘイトの終焉を支持しなければならない。」

 世界中から正義の声が沸き起こることを期待する。