ウクライナのボランティア、マックスのこと

 ウクライナのボランティア、マックス君を紹介したところ、大きな反響があり、彼と交流したいとの希望も寄せられています。

 汚職がひどい話をたくさん紹介したので、その点、マックス君自身は汚れてないのか、大丈夫なのか?との疑問が当然出てくると思いますが、彼は「本物」です。

 10月17日に彼の食糧配布活動についていきました。そこは最前線から3500メートルという通常はジャーナリストが入れない危険地域でした。村人はマックスと初対面ではなく、以前も支援を受けたとのこと。つまり私たちの取材のためにこの日マックスがセットアップした活動ではないことが確認できます。

 次に23日、マックスが暮らすドニプロ市に彼の事務所を訪ね、支援物資を撮影。ともに活動する仲間、さらには幼馴染の後輩やお母さんから、彼の人となりを取材しています。一緒に食事もしました。

 最終的には取材者の「勘」として、マックスは信頼に足る本物のボランティアだというのが結論です。

事務所はいくつかのNGOが入る建物をシェアしている。支援物資が山積みになって配布を待っている。

スウエーデンから届いたばかりのソックス。冬を迎える兵士のためにと、3カ月かけて40足を手編みしたそうだ。ドイツからは大量の使い捨てカイロが届いていた。

危険地から避難してくる人のための使い捨て枕。支援品には細やかな心遣いがみられる。

支援物資で雑然とする事務所のなかで協力者たちと作業するマックス。

マックスと別れたドニプロ市の下町。彼とお母さんの間にいるのはガールフレンドだという。

 彼は以前から特別に政治や社会に関心があったわけではなく、ロシア侵攻によって自分も何かしなくてはと目覚め、前線支援を立ち上げたごく普通の若者です。一言でいって「いいやつ」です。彼を通じて、ウクライナの若者が何を考えているのか、日本の私たちは何ができるのかを考えるきっかけになればと願っています。