2021-01-01から1年間の記事一覧

政府は置き去りにしたアフガン人協力者を救え

現代史の一つの画期、歴史に残る瞬間だった。 30日深夜、午後11時59分(アフガニスタン時間)、駐アフガン米大使らを乗せた最後の米軍輸送機C17が空港を離陸、バイデン大統領は「20年間に及ぶアフガニスタンでの米軍の駐留は今、終結した」と宣言した。 朝日…

子どもたちの自殺を食い止めるには2

大使館員はいち早く撤収し、日本からはるばる飛ばした大型輸送機2機で邦人一人と他国から依頼されたアフガン人十数人を運んだ、アフガンでの退避作戦を、今朝の朝日川柳はこう詠んだ。 輸送機はやめてセスナでよかったに (大阪府 小倉三歩) 大使館あとは見…

カブール退避作戦-韓国の奇跡、日本の屈辱

きのうの午後は猛暑だったが、畑に出た。 草むしりと耕運のあと、白菜とスナップエンドウの種まき。収穫は、モロヘイヤ、空心菜、ナス、トマト、枝豆、ニラ。ニンジンが伸びてきたので間引きした。これをどうしようか。 間引きしたニンジン。去年は葉をパリ…

子どもたちの自殺を食い止めるには

政府は、27日から新たに8道県を追加し、21都道府県に緊急事態宣言を発令することを正式決定。来月9月12日まで適用する。また、高知など4県にまん延防止等重点措置を新たに適用する。両方合わせると33都道府県が対象になる。 菅首相は「明かりははっきりと見…

「日出処の天子」をめぐって3

一昨日、親戚がコロナ感染で亡くなった。 はじめに若夫婦が感染し、同居していた70歳近い父親に家庭内感染した。父親は、がんの治療中で、ワクチンは接種していなかった。救急車を呼んだが、複数の病院で搬送を断られた。何とかある病院に入院できたが、がん…

「日出処の天子」をめぐって2

先週土曜の夜、東京ビエンナーレのプロジェクト「玉川上水46億年を歩く」で、活動の記録映画の上映会があった。 tb2020.jp 場所は「大手町の森」。東京駅に近い高層ビルの立ち並ぶ谷間に出現した3,600m²の森である。 www.asahi.com まるで自然林の中にいるよ…

「日出処の天子」をめぐって

河上麻由子『古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで』(中公新書)を読んだ。 2019年3月発行 河上氏は阪大准教授でまだ41歳。近年注目されている、「新進気鋭の」という形容詞がつく歴史学者だ。先日、考古学とその関連分野の優れた研究者に贈られる第3…

天皇ご心配「拝察」事件の真相

タリバンにどう対応するかで世界がパニックになるなか、JVC(日本国際ボランティアセンター)の元代表、谷山博史さんの見方を紹介したい。 谷山さんのFacebookより 谷山さんは1983年にタイで会って以来の友人で、現場を知る者ならではの説得力ある意見を述べ…

「鉄より重い元素は超新星爆発でできた」は誤り?

はじめにお知らせです。【高世仁のニュース・パンフォーカス】No.18 「ミャンマーの人道危機にどう向き合うか」を公開しました。関心のある方はお読み下さい。 www.tsunagi-media.jp ・・・・・・・・・ タリバンは17日、国内全土に全般的な恩赦を宣言。政府…

アフガン政権崩壊によせて

アフガニスタンの政権があっけなく崩壊してしまった。 カブール国際空港から飛び立つ米軍機に乗せてもらおうと取りすがる人々。痛ましすぎる。サイゴンが陥落直前、米国人脱出の際の大混乱を思いうかべた。 今朝の朝刊。現代史の節目だなと思いながら、いろ…

首都を包囲したタリバン

きのうの朝刊一面。あっちもこっちも大変な事態が起きている。 14日朝刊第1面 新型コロナ感染拡大が止まらず、重傷者がキャパを超えはじめ、治療が必要な人が入院できなくなる地域が急増している。自宅療養を余儀なくされれば、家庭内感染が広がるのは必至。…

アウンサンスーチー「未来に投資しなさい」

ミャンマーの二つの政府の間の正統性をめぐる争いが本格化してきた。 クーデターから半年の8月1日に、国軍がミンアウンフライン総司令官を首相とする「暫定政府」の樹立を宣言。 一方、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)の議員らは、クーデター…

良寛さまと盆踊り

感染拡大の「第5波」のなか、医療崩壊が恐ろしいスピードで進んでいる。 新型コロナウイルスに感染して自宅で亡くなった人が、1~6月の半年間に全国で84人に上ったと厚生労働省。しかも「把握できていないケースがたくさんある」(担当者)という。容体が急…

ホロコースト雑感

片付けをしていたら、一年前の鷲田清一氏の「折々のことば」(朝日新聞)の切り抜きが出てきた。なぜ切り抜いたかは忘れた。 権威への服従が人びとの責任感を麻痺させ、残虐な行動に走らせる。 (田野大輔) ナチス時代のユダヤ人迫害から現代の酷薄な差別発…

映画「アウシュヴィッツ・レポート」のメッセージ

「アウシュヴィッツ・レポート」はすばらしい映画だった。 《1942年にアウシュヴィッツに強制収容された二人の若いスロバキア系ユダヤ人は、1944年4月10日に実際に収容所を脱走し、アウシュヴィッツの内情を描いた32ページにも渡るレポートを完成させた。収…

関心のなさが生んだ「読み飛ばし」事件

朝から降ったりやんだりで迷ったが、晴れ間に畑に自転車で向かった。畑についたとたんザーザー降りでびしょ濡れに。そのあと日が差して蒸し暑くなる。汗だらけで草むしりと肥料やりの作業をした。 モロヘイヤのみずみずしい緑 トマトが豊作だ! きょうの収穫…

崩壊を自宅療養と言い逃れ

崩壊を自宅療養と言い逃れ (東京都 村田正世) 鉄面皮患者切り捨ての策に出る (神奈川県 大坪智) 罹(かか)っても自助です五輪は続けます (東京都 土屋進一) 今朝の朝日川柳より。 コロナの中等症は入院せずに自宅療養しろと菅首相。ついに医療崩壊が…

日本もミャンマーに標的制裁を

街を歩くとタチアオイが目立つ。ここ数年明らかに増えていると思うが、育てやすいとか何か増える理由があるのだろうか ミャンマーのクーデター政権は、きのう紹介したように「政府」を発足させ、本格的に既成事実化をはかる動きに出ている。 ロシアは武器市…

ミャンマー少数民族組織が民主派を「スパイ」容疑で逮捕

8月1日、クーデターから半年が過ぎたミャンマーでは、国軍が総司令官を首相とする「政府」を発足させた。 テレビを通じて発表するミン・アウンフライン総司令官 《ミャンマー国軍が設置した最高意思決定機関「国家統治評議会」は1日、議長で国軍トップのミン…

体操女王は悲劇の民族出身だった

東京五輪はニュースのダイジェストで結果を観ているだけだが、ある選手に注目した。 体操女子個人総合で優勝した米国代表のスニーサ・リー選手(18)。 スニーサ・リー選手(ロイター) リーという姓ならチャーニーズかコリアンの米国人かと思っていたら、彼…

五輪に浮かれて身上つぶす

夕暮れのネムノキの花。幻想的だ 前回、日本人は国際比較で、ワクチンへの不信感が大きいことを紹介したが、忌避感は若い人に多いという。 テレ朝「ワイド!スクランブル」より テレビでHPV(子宮頚がん)ワクチンの「副反応」で、何人もの少女に重篤な症状…

ワクチン信頼度が世界最低の日本

公園に行くとハスの花が開いていた。自転車歩きを朝にしてよかった 人流が減ったと見える不思議な眼(め)(兵庫県 河野敦)朝日川柳 全国の一日の感染者が、ついに1万人を超え、1万699人となった。 きのうが約9576人で連日過去最多を更新している。東京は38…

「藤野先生」再読

東京の一日のコロナ感染者が3000人を超え、昨日、今日と過去最多を更新し続けている。 菅首相はどこまでも突っ走るつもりらしい。今の政府を、「負けがこんでしまった博打うちと同じでやめられなくなっている」と評した人(中野晃一教授)がいる。言い得て妙だ…

ワクチン接種 自治体の叫び

節気は大暑。 22日からが初候「桐始結花」(きり、はじめてはなをむすぶ) 28日から次候「土潤溽暑」(つち、うるおうてむしあつし) 8月2日から末候「大雨時行」(たいう、ときにふる) セミ時雨の公園 猛暑が続く。ウナギでも食べようか。 万葉集にも、夏…

樋口英明元裁判長のほんとうの勇気

はじめにお知らせです。 【高世仁のニュース・パンフォーカス】No.17を公開しました。 テーマは「あなたは日本のために戦えますか?」(その2)です。このブログで紹介した日本人の権威・権力のとらえ方の異常性についても考えてみました。ご関心あればどう…

ホロコーストの揶揄で問われる日本の人権感覚

昨夜のオリンピック開会式、関係者が次々消えていく中、どうなるかとテレビをつけた。40%超の視聴率だったようだが、私のように心配で観ていた人も多かったのでは。 開会式のプロジェクションマッピング(朝日新聞より) プロジェクションマッピングで始まり…

自己肯定感が低い日本の若者2

猛暑がつづく。 これまで午後にやっていた自転車での街歩きを午前に変更。 神社の木陰で一休み。 願掛け風鈴の「どうか仕事に戻れますように」の字に見入ってしまった。下に横書きで小さく「笑顔が戻りますように」とも書かれてある。(オリンピックの成功を…

いじめをエンターテイメントにする人々

きのう、お茶の水のECOM駿河台(エコムスルガダイ)へ「玉川上水46億年を歩く」の展示を見に行った。 ECOM駿河台 tb2020.jp 展示場 記録映像が上映されている。私は「宇宙の歴史語り部」で登場 玉川上水の46キロを地球46億年の歴史に重ねて、ヒトと自然との…

自己肯定感が低い日本の若者

東京は16日に梅雨が明けて、連日、最高気温33~35℃の猛暑だ。 それでも自転車街歩きは続けている。汗だくになるが、未知の新しい景色に出会うのが楽しい。週末は、知らなかった遊歩道を二つ「発見」した。 こういう真っすぐな遊歩道は、農業用水の暗渠の可能…

極端に権力を嫌う日本人

きょう、私の年中行事であるホタル狩りに行ってきた。 横沢入。ヒグラシ、鳥、カエルなどの鳴き声が聞こえる夕暮れ時 場所はあきる野市の横沢入(よこさわいり)という里山で、私はもう25年くらい通っている。ただ、こんなに遅い時期にホタルを見に行くのは…