東京は16日に梅雨が明けて、連日、最高気温33~35℃の猛暑だ。
それでも自転車街歩きは続けている。汗だくになるが、未知の新しい景色に出会うのが楽しい。週末は、知らなかった遊歩道を二つ「発見」した。
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オリンピックが今週金曜に開会する。しかし、近所の人と会っても、ワクチン打ちましたか、雨の降り方が異常でしたね、毎日暑い日が続きますね、とオリンピックは話題にもならない。
17、18日の朝日新聞社の世論調査(電話)でも、この夏に東京五輪・パラリンピックを開くことに「賛成」33%、「反対」55%と出た。
さらに日本以外の国々でも反対が多い。IPSOSの米国やフランスなど28カ国を対象にした世論調査(5月21日~6月4日)では、夏の東京五輪の開催に「反対」が57%で「賛成」の43%を上回った。
五輪が始まれば、スポーツ観戦は面白いし、日本選手の活躍やさまざまな感動物語で盛り上がるかもしれないが、それで問題をチャラにするわけにはいかない。ここまでの五輪に関するギャンブル的な施策だけでも内閣総辞職に値する。
一昨日、東京19区の衆院議員、末松義規氏が戸別訪問でうちにもやってきたので、五輪のためにインドネシア邦人がこうむっている困難を訴え、追求してほしいと要望した。
今回の東京五輪をめぐる騒動では、日本政府への不信感とともに、オリンピックの輝かしいイメージの崩壊が記憶されることになるだろう。
そもそも日本の招致運動をめぐる買収疑惑(電通の怪しい動きも)、招致理由のウソ(日本の7~8月は「温暖で理想的な気候」、原発は「アンダーコントロール」)、新国立競技場の巨額経費問題と再コンペ、公式エンブレムの盗作騒ぎ、米TV(NBC)の放送権料(カネ)がすべての舞台裏、開催国に責任を押し付けるIOCの傲慢さと金権体質、女性を蔑視する発言や演出による組織委員会の幹部(森喜朗組織委員会長や開閉会式演出の総合統括者)の辞任騒ぎなどなどスキャンダラスな話題がてんこもりだ。
思い返せば、1964年の東京オリンピックは思い出深い。
わが田舎の小学校の一室をテレビの部屋にして暗幕で囲い、児童たちは交代で競技を「鑑賞」させられた。割当て時間によっては、まったく馴染みのない競技(飛び込みとか)を見せられたりした。たしか板の間にしいたゴザの上にすわらされて神妙に「鑑賞」した記憶がある。
記念切手も出て、何かすごいことが進行しているらしいとわくわくした。
世の中は五輪のお祝いムードに沸き、子どもの私は回転レシーブを真似て布団の上でころげまわっていた。
今回、祝祭の雰囲気がまったくないなか、どんな五輪になるのか。
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国際調査がおもしろい。客観化することで、気づかなかった自分=日本を発見できる。
内閣府は、日本を含めた7カ国の満13~29歳の若者を対象とした「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」を行なっている。気になるのは、日本の若者の自己肯定感が非常に低いことだ。
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/r01honpen/s0_1.html
自己肯定感の低さは、うつや自殺願望などにもつながる。
最近、若者の自殺が増えているとの記事を見かけるようになった。
コロナ禍が非正規職の人々の暮らしを直撃したことも影響して、若者や女性の自殺が増加しているという。小中高生についてみると、去年自殺した人は、前年から25%増えて過去最高になった。ほんとうに痛ましいことだ。
この記事によれば、文科省の有識者会議は、SNSでの相談体制の充実や子どもの気持ちの変化をとらえるアプリの開発などを提言する。こういうのも大事だとは思う。
また、坂口恭平さんのやっている「いのっちの電話」など、自殺直前に思いとどまらせる相談窓口も公的なお金で拡充すべきだと思う。
しかし、これらの方策は、あくまで応急措置である。
自己肯定感が低いままでは「解決」にならないだろう。一人ひとりの「ものの見方」のところを何とかしないといけない。
どうすればいいのか。
(つづく)