五輪に浮かれて身上つぶす

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夕暮れのネムノキの花。幻想的だ

 前回、日本人は国際比較で、ワクチンへの不信感が大きいことを紹介したが、忌避感は若い人に多いという。

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テレ朝「ワイド!スクランブル」より

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 テレビでHPV(子宮頚がん)ワクチンの「副反応」で、何人もの少女に重篤な症状が出たと繰り返し報道されたことが、若い層に刷り込まれているのだろう。

 当時メディアで報じる側の末端にいたものとして、責任を感じる。5年ほど前、某テレビ局の報道部のそれなりの立場にある人数人に、検証番組を作ってきちんと視聴者に謝罪すべきだと提言したのだが、事柄が重大すぎて制作現場では決められないとのことだった。
 コロナワクチン接種にまで大きな悪影響を与えることになったことをみても、マスコミとくに騒ぎのお先棒をかついだテレビの責任は大きい。自浄能力があることを見せてほしい。

・・・・・・・・・
 これには驚いた。
 『女性自身』の調査では、東京五輪をやってよかったと思う人が77%に達したという・・・ほんとですか!?
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0801/joj_210801_9357499557.html

《開幕前の6月にとった本誌のアンケートでは、「東京五輪は楽しみですか?」という質問に対し、半数以上の人が「興味がない」「最後まで楽しめない」と回答していた。

東京五輪は楽しみですか?】(6月23日〜25日調べ)
楽しみ=16%
今は楽しみではないが、始まれば楽しめそう=31%
最後まで楽しめないと思う=30%
興味がない=23%


しかし、開幕後のいま「東京五輪は開催して良かったと思いますか?」とアンケートをしたところ、実に77%の人が開催してよかったと回答。世論はすっかり逆転してしまったことがわかる。 

東京五輪は開催して良かったと思いますか?】(7月27日〜7月30日調べ)

はい=77%
いいえ=23%

 開催してよかったと思う理由としては、「最初は反対でしたがやっぱり見てしまう。選手の頑張りには感動します。日本の政治や委員会の人選は選手に関係ないから」「コロナ禍で明るいニュースもなかったが、選手の素晴らしい活躍のお陰で家族みんなで盛り上がれたため」といった声が寄せられた。

 東京五輪開催後、新型コロナウイルスはかつてないほど感染拡大しているが、五輪開催への否定的な声はさほど高まっていない。結果的には、トーマス・バッハIOC会長が言った「日本の方は大会が始まれば歓迎してくれると思う」のとおりになってしまったとも……。》

 連日テレビで日本選手のメダル獲得と感動秘話を見ているからなあ。

 高笑いしているのはバッハ会長と政府・自民党か。
 《自民党河村建夫官房長官は31日、東京五輪で日本代表選手が活躍すれば、秋までにある次期衆院選に向けて政権与党に追い風となるとの認識を示した。山口県萩市の会合で「五輪で日本選手が頑張っていることは、われわれにとっても大きな力になる」と述べた。

 新型コロナウイルスが感染再拡大する中での五輪開催に批判的な声があることには「五輪をやっていなくてもコロナが増えていたと思う」と主張し「五輪がなかったら、国民の皆さんの不満はどんどんわれわれ政権が相手となる。厳しい選挙を戦わないといけなくなる」とも語った。》(共同通信

 なんて率直なんだ!やっぱり政治利用だったのだな。

 ところが五輪をテレビで楽しんで見ていると、国民への五輪の負担額、一人あたり「都民10万3929円」「国民1万408円」になるという。
 おれはテレビ見てないって? テレビ見てない人も払わされるよ。

《五輪費用は3段階に分けられる。狭義の開催費用は組織委員会の予算7060億円で、財源はスポンサー料収入(4060億円)やIOC負担金(850億円)、チケット売り上げ(900億円)などで賄われ、原則、税金は使われない建前だ。

 それとは別に東京都が競技会場の建設費用や輸送用車両など7170億円、国が新国立競技場の整備費(国の負担分)784.5億円などを含む2210億円を負担し、「大会予算」(直接経費)は計1兆6440億円と発表されている。
さらに、コロナの感染拡大で国は補正予算から感染対策などに大会費用を追加しており、国の負担額として1749億円が加わる。

 ただし、この金額には五輪後も使用される既存施設の改修費用などは含まれていない。それらの費用は「五輪関連経費」として大会予算とは別に計上されており、金額は東京都が7349億円。

 政府は国の五輪支出をあくまで「大会経費(直接経費)」にしぼって発表しているが、会計検査院は他にも関連事業があるとして、2018年度までに国が支出した総額は1兆600億円にのぼると調査報告書で指摘している。

 組織委員会分の費用を除いた東京都と国の「大会経費」と「関連経費」の合計額は、都が1兆4519億円、国が1兆3059億円になる。この金額は都と国の一般会計から支出されており、財源はいずれも税金だ。

 1人あたりの税負担を計算すると、東京都民は「10万3929円」、4人家族なら1世帯約42万円を都民税などで五輪のために払っている。都民負担金額を除いた国民1人あたり(都民を含む)の五輪負担は「1万408円」になる。

 これが都民と国民の東京五輪の“テレビ観戦料”ということになるわけだ。》(週刊ポスト2021年8月13日号)
https://www.moneypost.jp/815781

 まさか!と思うかもしれないが、米国の有名経済学者が、この数字に近い金額をはじき出している。東京五輪の収支は3兆3000億円の赤字になるというのだ。

 米紙「ニューヨーク・ポスト」は、コロナ禍で強行された東京五輪は巨額な損失が出ると予測。「損失を取り戻す方法がなく、300億ドル(約3兆3000億円)を失うだろう」と指摘した。

 同紙はスミス大学の経済学博士のアンドリュー・ジンバリスト氏の見解を紹介。「組織委員会は350億ドル(約3兆8500億円)を費やした。彼らは45億ドル(約5000億円)または50億ドル(約5500億円)近くは取り戻すだろう。ただ、その先には途方もない赤字が待っている。少なくとも300億ドルを失う」と厳しい見通しを示した。

 天文学的数字の巨額損失を埋め合わせるために使われるのはもちろん血税で、日本国民にはコロナの恐怖とともに大借金地獄まで待ち受けていそうだ。》
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d74abe8b5dfd7ae4fff8bb5db1254ad79228fa6

 東京五輪はすでに打撃をこうむっている市民の暮らしをさらに破壊し、結果、国力を大きく削ぐことになるだろう。

 日本選手のメダルに浮かれている場合ではない。