2008-01-01から1年間の記事一覧

北朝鮮はそんなにすごいのか

今、北朝鮮は核施設(原子炉、再処理工場、核燃料製造工場)の無能力化を中断、現状復帰を進めつつある。23日にはIAEAの封印を解き、監視装置を外した。特に使用済み燃料からプルトニウムを抽出する再処理工場の再稼動への動きを強めているのが気がか…

追悼玉城素先生

きのう27日、北朝鮮問題の研究会に出席し、そこで北朝鮮研究の先駆者、玉城素(たまき・もとい)先生が亡くなったことを知った。享年82。知らない人が多いと思うが、孤高の偉人だった。 戦後、社会主義朝鮮への無批判な礼賛が支配する左翼陣営にあって、公表…

刑死戦犯の手記より2

BC級戦犯裁判では、多くの下級兵士や軍属が裁かれた。 有罪になった中には、多くの朝鮮半島、台湾出身者がいた。朝鮮人148人、台湾人173人という記録がある。朝鮮人戦犯についていえば、148人のうち軍人は3人だけで、129人と圧倒的多数が捕虜収容所…

刑死戦犯の手記より

死を前にして、自分の死の意味を問う。 それが極限の形で現れるのが、処刑前の戦争犯罪人だ。 戦犯にはA、B、C級があった。「巨人連敗のA級戦犯は誰だ」などと使われ、罪の重いほうからABCと等級分けしたかのような誤解があるが、罪の種類が全く異な…

特攻はムダ死にだったのか2

「なでしこ」の写真をブログに載せようと思い、きのうカメラを持って近くの公園に行った。去年、そこになでしこが咲いていたのを思い出したからだ。三輪ほどしか咲いておらず、オートフォーカスではうまく写せなかった。とてもか細い花なのだ。これは、ネッ…

特攻はムダ死にだったのか

45年4月12日、穴澤利夫少尉機を見送る「なでしこ隊」の写真。 米軍の沖縄侵攻阻止を目的に、陸軍は「航空総攻撃」という特攻作戦を立て、45年4月6日から開始された。「なでしこ隊」が陸軍特攻隊を見送ったのがこの時期である。これに呼応して海軍は…

「なでしこ隊」は泣けた

きょうフジテレビに行く。18階からレインボーブリッジを望む。(写真はフジの上田昭夫キャスターのブログより) ここを「お台場」というのは、黒船襲来に脅えた幕府が、外国の艦隊から江戸を守るために小島を埋め立て造成して海上砲台(=台場)をここに築…

将軍様は早く死んでほしい

サンプロで特集「緊急追跡、北朝鮮で何が?―核施設“復旧宣言”の真相」を放送する。 昨夜は、夜9時半ごろからボイスオーバー(外国人のインタビューの日本語吹き替えなど)の収録、10時からナレーション収録と効果音(サウンド・エフェクト)を録音。その…

偽りのキャンパス

福田総理はなぜ辞めたのですか? 今回、アメリカで識者に会うたびに聞かれて、とても恥ずかしかった。福田氏も、結局、安倍氏と同じく「嫌になったから」総理を辞めた。一国の総理を引き受ける人は、当然命を投げ出す覚悟をしていると思っていた私には、こう…

懐かしのキャンパス

北朝鮮が先月14日から非核化プロセスを中断。無能力化を進めてきた核施設を復旧しはじめた。原子炉のある寧辺(ヨンビョン)で無能力化作業を見てきたアメリカ人研究者に話を聞くため、今月1日、サンフランシスコに行った。 この研究者は、いまスタンフォー…

「戦争屋」と呼ばれて 3

コレヒドール島の砲台跡 前回のブログに書いた経緯でつかんだ私の初めての「大きめのスクープ」、コレヒドール島に、太平洋戦争で唯一の米軍が作った大規模な日本兵の墓地があるのを「発見」したニュースは、テレ朝の「ニュースステーション」で大きく取り上…

「戦争屋」と呼ばれて 2

フィリピンは、86年の「2月革命」の後、クーデター騒ぎや日本人による保険金殺人事件そして三井物産若王子マニラ支店長誘拐事件などで大きな関心を集め、日本のマスコミがたくさんの記者、カメラマンをマニラに出張させていた。彼らは休暇には日帰りで行け…

「戦争屋」と呼ばれて

8月18日の日記で思わせぶりに終わっていた「スクープ」の話を、遅ればせながら書いていこう。 私は86年初めから約3年間、日本電波ニュース社の特派員として、マニラに駐在していた。 86年2月のフィリピン民衆革命、ひっきりなしのクーデター騒ぎ、そして三井…

宇宙を散歩する

朝、久しぶりに府中病院の裏手に広がる公園を歩いた。 心地よい涼しさだ。ここはうっそうとした森の斜面になっていて、常連の散歩人以外ほとんど見かけない。蝉に混じって無数の秋の虫が鳴いている。私一人が草の匂いに包まれて歩いている。ビッグバンでこの…

途方にくれても行き詰まらない

去年あたりから、たぶん人生で一番苦しい時期に入っているように思う。 私の人生の師、岡野守也さんにメールで弱音を吐いたら、次の聖書の言葉を紹介してくださった。 「それだけでなく、患難をも喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を…

北朝鮮の美女スパイに会っていた?

脱北女性が北朝鮮のスパイとして逮捕された。 メディアによって情報がまちまちだが、以下は毎日新聞。 《脱北者を装って韓国に亡命し、複数の軍人に近づいて得た情報などを北朝鮮に送っていた国家安全保衛部所属の女スパイ(34)が摘発され、愛人関係にあ…

ヒマラヤを越える子供たち

こないだの週末、長野県に住む友人が、東京でチベット祭りに参加するので上京する、ついてはぜひ来てほしいと誘われた。ものすごく忙しかったのだが、そこまで言われれば行かないわけにはいかない。 ポレポレ東中野で「受難と祈り」という祭りがあった。いろ…

北京五輪―宴の後に何が?

登山家で、エベレストの清掃登山などで知られる野口健氏が、雑誌『諸君』に「宴のあとに待つ『チベット人への報復』を許すな」という文章を載せている。 彼は、登山で付き合いのあるチベット人ガイドなどから、中国のチベット弾圧について知り、心を痛めてき…

金メダルの涙

北京五輪には疑問を持っている私だが、はじまってみると、やはりテレビを観てしまう。 さっき、女子ソフトボールで日本がアメリカを破り、悲願の金メダルを取った。飛び上がって喜んでいる選手を見ていると、ジーンとしてくる。心を一つにして闘う団体種目な…

蝉時雨の千鳥ケ淵墓苑

外国のように「無名戦士の墓」があればいいのに、という若い人に、「日本にも立派な無名戦士の墓があるよ」と言うとびっくりする。それが、千鳥ケ淵戦没者墓苑だ。 墓苑のホームページによると、 《千鳥ケ淵戦没者墓苑は、昭和34年(1959年)国によっ…

サンプロ「サムスン疑獄」

きょうのサンプロは韓国の巨大財閥サムスンの大疑獄事件を追った特集だ。私は2週連続でサンプロのスタジオに出ることになった。 これを観た高校時代の同級生のT君がこんなメールをくれた。 《女房は隣の国、韓国に、巨大企業があることを知り、びっくりし…

早紀江さんの歌の心

久しぶりに、横田早紀江さんの短歌を読んだ。早紀江さんは朝日歌壇に何度も入選したほどの詠み手である。 《はろばろと睦み移りし雪の街に 娘を失いて海鳴り哀し》 めぐみさんと双子の息子もいれて五人で広島から新潟に引っ越してきたのが、拉致の一年前。家…

拉致事件30周年雑感

30年前のきょう、鹿児島から市川修一さんと増元るみ子さんのカップルと、佐渡から曽我ひとみさんとお母さんのミヨシさんが北朝鮮に拉致された。 曽我さんは、02年の9月の日朝会談で北朝鮮側からはじめて名前が出て、驚かされたものだ。家出と見られてい…

韓国人の熱狂について

韓国人が一気にある方向に走り出したときの勢いは、日本人の想像を超えるものがある。これがどこから来るのか、私は韓国の専門家ではないので、今もよくわからない。 今回の「牛肉騒動」に火をつけたのは、MBCの看板報道番組「PD手帳」だが、かつてはこの番…

サンプロ「韓国騒乱」

サンプロで「緊急追跡 韓国騒乱〜急失速!経済大統領の危機」を放送。私がスタジオ出演した。番組の予告は以下。 《李明博(イミョンバク)政権が発足して約5ヵ月。大規模デモが続く韓国が、今、大きく揺れている。去年12月の世論調査では、大統領の支持…

旧知の人たちに励まされた日

このところ、トラブルで気の塞ぐことが多かった。食欲が落ちて気力も萎えていた。 そこに高校同期生から、飯嶋和一君が4年ぶりに新作を出したとの知らせが来た。歴史小説家で、『汝ふたたび故郷へ帰れず』、『雷電本記』、『神無き月十番目の夜』、『黄金屏…

プーチン王朝誕生の闇5

プーチン政権の特務機関にまつわる疑惑は数多いが、国内ではほとんどもみ消されるのに対して、外国で起きた事件では、リトビネンコ事件のように、司法当局が動くことで表面化するケースもある。独立したチェチェン共和国の第二代大統領だったゼリムハン・ヤ…

プーチン王朝誕生の闇4

第二次チェチェン戦争の引き金になったアパート爆破事件が特務機関の謀略ではないかとの疑惑を強く匂わせるのが、「リャザン事件」だ。 リャザンはモスクワの南200キロほどのところにある人口50万人ほどの町だ。 ここで、99年9月22日、爆破未遂事…

プーチン王朝誕生の闇3

アパート連続爆破事件とチェチェン戦争の謀略疑惑を本格的に扱った映画が、以前ここで紹介した映画「暗殺・リトビネンコ事件」だ。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20080111そして、アパート爆破事件の犯人は誰かを追及する目的で書かれたリトビネンコ自身の…

プーチン王朝誕生の闇2

きょうのニュースより。 《ロシアのプーチン首相が、同国の金属大手「メチェル」社のジュージン社長を脱税の疑いなどで名指しで批判した。(略) インタファクス通信などによると、プーチン氏は24日に開かれた冶金(やきん)企業幹部との会合で、メチェル…