偽りのキャンパス

takase222008-09-15

福田総理はなぜ辞めたのですか?
今回、アメリカで識者に会うたびに聞かれて、とても恥ずかしかった。福田氏も、結局、安倍氏と同じく「嫌になったから」総理を辞めた。一国の総理を引き受ける人は、当然命を投げ出す覚悟をしていると思っていた私には、こういう辞め方は理解しがたい。
零細企業の社長や高校野球部のキャプテンでさえ、「嫌になったから」辞めるというわけにはいかないのに・・。

その前の小泉純一郎氏をふくめ、いま有力政治家といえば、みな二世ばかりだ。そして、多くが海外の有名大学に留学し、帰国後は、学歴を詐称するか、そのすれすれのことをしている。
小泉氏の経歴には「慶応大学経済学部卒業。ロンドン大学留学」がある。
「留学2年間」の触れ込みなのに、実際は外国人向け特別コースの聴講生として9ヶ月登録しただけ、取得単位はゼロ。これを「留学」と言っていいのか。

次、安倍晋三氏。
成蹊大学法学部卒業。南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」とかつて公表していた。しかし、記録上の在籍は1年未満。専攻はなし。取得したわずか6つのコースのうち3つが英語で政治学はない。普通こういうのは「語学留学」と言って、アルバイトしながら英語専門学校に通って十分である。

そして、新総理の本命とされる麻生太郎氏。
日本青年会議所会頭時代の経歴書には、「昭和38年 学習院大学政治学部卒、40年 スタンフォード大学大学院修了、41年 ロンドン大学大学院修了」とあった。ところが、スタンフォード大学大学院の記録では、専攻学科(政治学関係)は軒並み単位を落とし、取得した単位はほとんど英語(32単位中20単位)。他はゴルフ(こんな科目があるとは!)やタイピングなど。もちろん大学院を修了できるわけがない。
さすがに気が引けたのか、今は「スタンフォード大学大学院に留学」と「修了」は使用していない。しかし、記録からはとても「大学院留学」と胸を張れるものではない。

(写真は、昨日に続いてなつかしのスタンフォード大学

これらの人々は、若い頃「お前もこれから政治家になるなら、広く世の中を見てきなさい」などと言われ(この光景、眼に浮かぶようだ)、大金をもらって長い海外旅行、文字通り「遊学」に出かけたわけである。そのこと自体はどうでもいい。また、勉強しなかったとか、単位が取れなかったことを批判するつもりはない。
英語専門学校に通うかわりに、わざわざ高い学費を出して名門大学の大学院に籍を置いたのは、ハクをつけるためだろう。一番の問題は、ハクをつけるために経歴でウソをついていたという点だ。
二世議員たちは、性格や行動様式は違うように見えても、根っこのところでは不思議に共通するものを持っている。やはり同類なんだなあ。ひょっとして彼らは、総理になることさえハクをつける手段とみなしているのではないか。
だから総理になった瞬間が双六の「上がり」で、嫌になったら簡単にやめてしまうのではないか。「だって、辛いばかりで楽しくないんだもん」と。
こういう人たちが次々に日本の総理の座についていく。
誰か、命を懸ける政治家はいないのか。