金メダルの涙

北京五輪には疑問を持っている私だが、はじまってみると、やはりテレビを観てしまう。
さっき、女子ソフトボールで日本がアメリカを破り、悲願の金メダルを取った。飛び上がって喜んでいる選手を見ていると、ジーンとしてくる。心を一つにして闘う団体種目ならではの感動もある。
金メダル第一号は柔道の内柴正人、そして谷本歩実が続いた。
内柴は前回の金獲得の後、どうしても勝てないスランプに陥り、そこから奮起した。金を取った直後の彼のホームページにこうあった。
《長かったです。
ずっと申し訳なかったです。
なかなか勝てなくて、
「もう応援しないでくれ」
と何度も思いました。》
二度のオリンピックすべての試合を一本勝ちという快挙を成し遂げた谷本は、腰を怪我して柔道をやめようとしたという。今回寝技が多かったのは腰痛対策らしい。
あの、無敵の強さを見せつけ、精神的にもタフそうな平泳ぎの北島でさえ、国内大会で4位などという成績に苦しんだことがあった。とんとん拍子に栄光を得たものはいない。
内柴も谷本も北島も泣いていた。
勝者の涙には、彼らのつらい挫折の歴史も込められているのだなあ。思わず涙を誘われる。

苦しいときこそ、自分の「使命」について思いをはせることが大事なのだろう。
その困難に、メッセージを読み取っていこう。