胡錦涛を歓迎する早稲田の恥辱

 けさ、憲法9条研究で知られる早稲田大学水島朝穂教授からメールをもらった。水島君は早大法学部時代からの友人だ。
 《本日、午後に胡錦涛国家主席早稲田大学を訪問します。大隈講堂で講演し、福原愛さんらと卓球のダブルスをやる「イベント」まで用意されています。早稲田大学の教職員には知らされていません。本日の授業の教室変更が突然昨日夕方に行われ、本日は授業のピークに正門が閉鎖され、南門だけの入構に制限されます。すべて「警備上の理由」ですが、そのことすら明らかにされないまま、ことは進行しています。(略)
 世界中が注視するなかで、早稲田大学は、中国が行ったチベット政策など一連の政策の正当化に協力することになります。これは「学の独立」の観点からも重大問題です。取り急ぎ、一大学教員として、私自身の態度を表明いたします》
 私はこんなイベントがあること自体を知らずにいたので、驚いてすぐにメールで早稲田大学に抗議した。
 中国のトップが、チベット事件以来初の外遊先の日本で「歓迎」されたうえ、大学生と「交歓」したという見世物の場に早稲田が選ばれたというわけだ。建学の「在野精神」はどうなったのか。こんな茶番劇を世界に知られるのはOBとして恥ずかしい。早稲田大学の歴史に恥辱の事件として残るだろう。
 チベット事件以降の事態によって《誰とでも仲良く・・・では、良い社会は築けないし、本当の平和も得られない》ことを、うちの娘でさえ理解するようになっているのに。
 一方、聖火はというと、きょう日本時間午前10時半にチョモランマの山頂に達したとのニュースが流れた。チョモランマとはチベット語で「大地の母」という意味だそうだ。中国が五輪を盛り上げようとすればするほど、この祭典が汚れていく。