安倍=統一教会の関係における2015年の意味

 お知らせです。

 高世仁のニュース・パンフォーカスNo.29「不条理な世界を生きる知恵を中村哲医師に学ぶ」を公開しました。

 ウクライナの戦争をはじめ、この世には悲惨な出来事があふれています。他人の不幸を自分事としてとらえ、「共感疲労」になる人もいるようです。自分には何ができるのか。そのヒントを中村哲医師に学びました。

www.tsunagi-media.jp

 ご関心ある方はお読みください。

中村哲さん(アフガンの堰のモデルにした福岡県朝倉市の山田堰をバックに)撮影高世、2012年

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 こないだの参院選で、安倍元総理が統一教会(通称)に特別の支援体制を要請し、当選した井上義行井上氏への旧統一協会の組織票の分布を推定し、地図上に表示したのが以下。

 なるほどなあという手法で感心した。

 有田芳生さんがツイッターで「これはすごい分析です。得票率増加ナンバーワンの埼玉県神川町統一教会の「聖地」。1967年6月に文鮮明教祖が訪れた土地です。」とコメント。

 多くの人たちが調査、分析に加わってくれば、また新たな発見、発掘があるだろう。期待したい。
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 統一教会と政治のかかわりで焦点になるのが、2015年に教会の名称変更が認められたことだが、この時期の重要性について、先日、ジャーナリストの鈴木エイトさん共産党の「旧統一教会問題追及チーム」に招かれて話をしたさいに興味深いやりとりがあった。

www.bing.com

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-08-05/2022080502_02_0.html

鈴木エイト氏(冒頭から11分ごろから)

「2016年の参院選で初めて選挙権年齢が18歳に引き下げられる。2015年秋、国会議事堂の裏とかで毎日SEALs(シールズ)がデモを行って国民の支持を集めていた。しかもその時期というのは、共産党が初めて野党一本化に応じる意思を示し、それまで全選挙区に候補者を立てて、こういう言い方失礼ですが共倒れをして自民党に協力したかのような共産党が初めて野党一本化に協力をしめした、非常に重要な時期なんですね。

 ということで安倍政権が焦っていたというのが2015年秋の状況なんですね。そのあたりから2016年7月になると突然、SEALsに対抗するような大学生組織が全国にあちこちで共産党反対、安保法制賛成、安部政権支持、憲法改正指示っていうデモ、街頭演説、街宣を一斉に始めたというようなことがありました。で、いろんなメディアがSEALsと同じような分量で取り上げるということがあって、そのあたりの安倍政権と統一教会勝共連合を使った策動とかいろいろ(私が)記事にはしてきたころではあります。(略)

(私の取材は)一番初めは2012年第二次安倍政権の発足、13年の参院選で安倍首相がじきじき統一教会に組織票支援、北村経夫さん、当時の産経新聞政治部長への組織票を依頼するような内部文書を入手したことを記事にして、さらに官房長官が北村さんを統一教会の地区教会二カ所へ派遣するような証言を得たことから、官邸と統一教会の間に何かしらの取引があるんじゃないかというところをスタートに『週刊朝日』にまず記事を書いてそこから取材をスタートしました。

 そのころ、いろいろ自民党の議員を中心に、統一教会のイベント、集会に参加する議員が続出し、海外へ遊説する人もいたりとか、さっき言った大学生、それは外見的には保守派の大学生が自主的に活動を始めたっていう体裁をとってたんですね。一応、名前には国際勝共連合大学生遊説隊UNITE(ユナイト)という名前がついてたんですが、東大の4人の大学生が社会を憂いて、SEALsに対抗する形で保守派の大学生が声をあげたという体裁をとっていたんです。

 最初に渋谷で大きなデモ行進を5月28日にやったんですけれども、その日のニュースでテレビ東京が「保守派の大学生、憲法改正デモ」みたいなことを報じたら、なんとそのタイミングでそのニュースを自民党ネットメディア局長などをやられていた平井卓也さんが自分のフェイスブックに「大学生はSEALs」というイメージは間違いですと投稿しました。その直後にいま話題になっているピースロードに平井さんが出席したりとか、何かしらの連動性を感じたんですね。

 「勝共UNITE」の取材をするなかで彼らが全員統一教会2世であることをつかんで、報じたりしてるなかで、当時の統一教会の内部メールを入手したところ、「明日エイトが取材に来るそうです、言葉には気をつけてください、外向きには勝共連合、UNITE二つの看板を背負っての活動です」と書いてあって、外向けに二つということは中身は一緒なんだなというところから何かしらの策動があるんじゃないかと。その時期にちょうど首相官邸統一教会の会長が招待されたという情報を掴んで記事をかいたんですけども。(略)

 そういう人たち、政治家がどんどん政務三役に登用されるようなケースが目立ってきた。第4次安倍改造内閣が一番顕著だったんですが、それだけ、政務三役の適齢期の政治家に幅広く根を張って手を伸ばしていたということの証左でもあるんですが。(略)」


 つまり、安倍氏が政治的に焦るような時期が2015年ごろで、そのあたりから統一教会との結託が強まったというのである。

 鈴木エイトさんの講演の後の質疑で、宮本たけし衆院議員がこう語った。(53分ごろから)

宮本たけし衆院議員

2015年という年はひとつの象徴的な年なんですよ。安倍さんがそれまでの自民党とも違う、悪魔と契約するような道に踏み込んだ年なんですね。

 森友でいうとその年に安倍昭恵さんが塚本の幼稚園に行って、名誉校長に就任して、一瀉千里に悪い方向へ舵を切ると。加計でいうと、それまではそんなのは認められないと言ったのが、内閣府閣議決定されて別の道で許可する方向で走り始めると。極めつけは9月の私たちが「戦争法」と呼ぶあの法制なわけですよ。

 ですから、もう従来の生やさしい形の保守政治ではダメで、やることは全部やると。力つこうて政治ねじまげるのも、もう何もかもやるというところに踏み込んだ時であって、その時に、この問題もですね、長年の懸念になってた名称変更も、下村通じてやってしまえと。こういう大きな流れがあったのではないかと。2015年というのは一つのキーワードではないかと見てるんですが」

 「さすが共産党」という指摘だったが、この発言には鈴木エイトさんも、先の安倍=統一教会の動きと符節が合うと賛意を示していた。

 名称変更をめぐる動きの追及がますます重要になってきた。

権力との緊張関係を忘れないウクライナのジャーナリズム

15日の天皇のお言葉(テレビ朝日より)

 原爆忌敗戦の日も、平和について考えるとなると、必ずウクライナに思いを馳せてしまう。

 ロシアの侵攻からはや半年。戦況のニュースより、ウクライナの人々のがこの戦争でどう影響されたのか、何を考えているのかを知りたい。報道も次第にそちらの方向に向かっているようだ。

 14日の『朝日新聞』に、ロシア軍による虐殺が起きた首都キーウ近郊のブチャの住民の悲惨なエピソードが掲載されていた。

14日朝刊第1面

 ブチャに住むタチアナ・ナウモウ(38)の証言。

 元ガス会社員の父セルゲイ・シドレンコ(65)はウクライナ民主化運動の熱心な活動家。母リダ(62)は世話好きで、近所の独居のお年寄りらに、しばしば料理を配っていた。 

 2月27日、ロシア軍がブチャを占領すると、一家が暮らすイワナクランカ地区にも装甲車が駐留した。リダはロシア兵に「なぜ来たのか」などとウクライナ語で問いただした。

 ウクライナ軍との砲撃戦が激化する中、逃げるか留まるか一家の判断は揺れた。
 自宅は3月3日に停電、5日にはガスも止まる。3月のウクライナは零下で寒い。タチアナは夫と息子とキーウに脱出。父母だけが留まる選択をした

 タチアナは「ロシア軍でも、対話を刷れば殺しはしないと、両親は信じていました」という。

 父母は砲弾を避けて地下蔵で暮らし、3日に一度は外に出てタチアナに携帯で連絡を取った。3月22日、涙を見せたことのない母リダが、3分間ほどの通話の間じゅう泣き続けた。それが最後の電話だった。「後から思うと、母は別れを告げていたのです」

 リダの日めくりカレンダーは22日で止まっていたので、その日に両親が殺されたとタチアナは信じている。

 4月1日にロシア軍がブチャを撤退したあと、4日に近所の人が周囲を撮影して避難先のタチアナに送ってくれた。町外れに放置された黒焦げの遺体が両親だった。母リダは腕を切断されていた。

 タチアナが自宅に戻ったのは16日。血だらけの父の帽子と、頭皮がついた母の髪の毛が庭に落ちていた。父母は拷問を受けていたのだと思います」

 ブチャでは、数百人の市民がロシア軍に虐殺されたとされ、その遺体は路上や庭に放置された。軍人でもなんでもない老夫婦を、残忍な拷問の末になぶり殺しにするという許しがたい暴挙だ。

 人命が第一なのだから、とにかく戦闘はやめるべきだ、白旗を掲げて降伏すれば命だけは奪われない。日本にはそういう考えの人もいるけれど、実態は、ロシア軍の支配下に置かれたら、命が助かるどころか、何をされるか分からない最悪の状況になるのだ。

 ブチャの虐殺が知れ渡ると、ウクライナ国民から、ロシアとの停戦への拒否感が一気に高まったという。

 ゼレンスキー大統領は12日、ウクライナ最高会議(議会)に対し、ロシアの侵攻を受けて発令している戒厳令と総動員令の延長に関する二つの法案の承認を求めた。成人男性の出国禁止を継続して兵力確保に備えるなど、長期戦を視野に入れた措置。11月まで3カ月延長するとみられる。

 ロシアが撤兵しなければ抵抗が長引くことは必至だ。

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 ウクライナのジャーナリストたちはどう活動しているのか。

 戦争中の国家が報道を締め付けて虚偽の情報を国民に流すことは、かつての日本が体験した痛恨の歴史だ。負け戦を隠し、戦意高揚の記事のみを発表したことで、膨大な無用の犠牲者を出すことを後押ししたことは、日本のジャーナリズム史の汚点である。

 私も知りたかった戦争とジャーナリズムというテーマを先週のTBS「報道特集」が取り上げていた。

 ウクライナでは、激しい戦闘が続く中、国家権力とジャーナリズムがかなり健全な形で向き合っているという印象を持ち、感心した。

 激戦地だったチェルニヒウ(キーウの北東130キロにある古都で、ロシア軍の砲爆撃で町の7割が破壊されたとされる)では、戦火のなか、ジャーナリストが命を危険にさらしながら取材を続けた。それはなぜかと聞かれて―

《ここで起きていることを全世界に向けて発信することは非常に大切なことだった。》とカメラマン。記者は

《街の住民は「自分たちは忘れられた存在だ」と落ち込んでいた。「忘れられた存在ではない」としっかり示すことが私たちの使命だった。

 自分の使命をきちんと自覚している。

報道特集13日放送より

 国防省の会見で、金平キャスターが、ウクライナ軍の犠牲者の数を公開するよう迫ると、報道官は―
《戦争中は情報公開のルールがある。このルールは防衛や安全のために必要なものだ。戦時下で死者の総数は公開しない。》と原則を説明したあと、躊躇しながら

ウクライナ側の死者数はロシアよりもかなり少ない。その数は・・(少し間をおいて)数千人と述べておく》とギリギリの応対をしていた。

国防省マリャル次官(報道特集より)

 その会見に出ていた公共放送「ススピーリネ」の記者は―

《戦争時は公開していい情報とそうでない情報を区別するために、自己検閲が必要になることもある。私たちは発言の内容や伝え方について責任を負うべきだ。

 国防省や兵士にしてはいけない質問がある。外国の一部のメディアが情報をより深く知ろうとすることも理解できるが、兵士や民間人の命が何よりも大事だ。そのため私たちは特定の内容に関して質問しないこともある。》と率直にコメントしていた。

 具体的に考えながら「自己検閲」の範囲に答えを出していこうとする誠実さを感じる

報道特集より)

 ウクライナでは現政権下、親ロシア派の放送局を厳しく規制しているが、放送事業を監督・規制する「テレビ・ラジオ放送国民会議の議長は―

《今は戦争中で戒厳令が発令されている。戒厳令が発令されると、日本でもそうだろうが、どんな国でも、国を守るために情報を規制する。

 それと同時に私たちウクライナでは言論の自由を守る必要がある。日本では第二次世界大戦時にメディアは制限され、戦況を正しく伝えることができなかったと聞いている。ウクライナでは状況が全く異なる。講じられているのは検閲ではなく、必要不可欠な対策だ。》

 規制は必要だが、言論の自由という原則のもとでやっている。そこは戦時下の日本や今のロシアとは全然違うというのだろう。

報道特集より)

 ロシア軍が侵攻直後、キーウのテレビ塔を砲撃したため、公共放送『ススピーリネ』が非公開の場所で他の民放とも協力しながら24時間ニュース「団結ニュースマラソン」を流している。

 日本のNHKにあたる『ススピーリネ』の会長は、きさくな38歳だった。彼は報道の内容には口を出さないという。

《私にはニュースの制作・編集の権限はない。現場のプロである編集長がいるので。

 民主主義国家であっても政府は常に圧力をかけようとするものだ。私たちの編集長やキャスターが必要なものと”NO”と突き返すものを判断している

 将来的な課題は自己検閲だろう。記者の頭の中にあらゆる制限が存在していて、その制限がある状態で仕事をしている。

 検閲をはね除け、自分たちを守る唯一の方法は、ジャーナリズムの規範を厳守することだ。大変な道のりだが、民主主義や自由なメディアの規格、強い公共放送が必要で、私たちは他のヨーロッパの仲間の国のようになる必要がある。》

 実に立派である。権力とジャーナリズムのあいだには常に緊張関係があることをしっかり自覚し常に自己点検している。戦争中なのに、記者の自己検閲の心配までしている。

報道特集より)

 最後の「他のヨーロッパの仲間の国のようになる」という表現に、ウクライナのジャーナリストたちのはっきりした方向性を見た。

 戦時下でもないのに不要な自己規制をかけ、権力に忖度ばかりしているNHKに見習ってほしい姿勢である。

中村哲医師に学ぶ世界の不幸への向き合い方(その2)

 藤沢周平の小説を再び読んでいる。

 本ブログで何度も紹介してきた、同郷の尊敬する作家である。

takase.hatenablog.jp

 

takase.hatenablog.jp


 ちょっと目的があって、山形県のリアルな人物や地名が出てくるものを、詳しめの地図と照合しながら読んでいる。

 いま読んでいるのは『雲奔(はし)る~小説・雲井龍雄米沢藩の人なので、私に縁のある場所が出てきて楽しい。

藤沢周平。人柄のにじみ出るいい表情だ

 私にとって最高の娯楽で、いい気分転換になる。
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 とてつもない大事業をなしとげた中村哲さんだが、好きな言葉は、意外にも「一隅(いちぐう)を照らす」だそうだ。隅っこの一画を明るくするという意味だ。

 天台宗の開祖、最澄の『山家学生式(さんげがくしょうしき)』の冒頭に出てくる言葉で、最澄の師、唐の湛然(たんねん、天台宗第六祖)の著『止観輔行伝弘決』にある次の話を踏まえているという。

 むかし、魏王が言った。「私の国には直径一寸もの玉が十枚あって、車の前後を照らす。これが国の宝だ」。すると、斉王が答えた。「私の国にはそんな玉はない。だが、それぞれの一隅をしっかり守っている人材がいる。それぞれが自分の守る一隅を照らせば、車の前後どころか、千里を照らす。これこそ国の宝だ」と。

 『山家学生式』は、最澄が「一隅を照らす国宝的人材」を養成したいとの想いを著述し、嵯峨天皇に提出したものだという。最澄にとっては、「一隅を照らす」人こそ、大乗の菩薩であり、そういうリーダーが国を導いてほしいと思っていたのだろう。

 中村哲さんはクリスチャンだが、仏教にちなんだ言葉を座右の銘にするとは、これも型にとらわれない中村さんらしい。

 この言葉については、こう言っている。

「一隅を照らすというのは、一つの片隅を照らすということですが、それで良いわけでありまして、世界がどうだとか、国際貢献がどうだとかという問題に煩わされてはいけない。

 それよりも自分の身の回り、出会った人、出会った出来事の中で人としての最善を尽くすことではないかというふうに思っております。

 今振り返ってつくづく思うことは、確かにあそこで困っている人がいて、なんとかしてあげたいなあということで始めたことが、次々と大きくなっていったわけですけれど、それを続けてきたことで人間が無くしても良いことは何なのか人間として最後まで大事にしなくちゃいけないものは何なのか、ということについてヒントを得たような気がするわけです。」(中村捏『医者よ、信念はいらない まず命を救え!』羊土社より)

 「一隅」とは自分の身近な場でよい。
 仕事場や家庭かもしれないし、趣味のサークルや習い事の場かもしれない。大それたことを考えずとも、自分の持ち場で少しでも人のためになればとの願いを込めて、しっかりと毎日を生きる。その積み重ねが大事だというのだ。

 アフガニスタンの田舎の水路は、ほんとうの平和とは何だろうかという問いを世界になげかけている。

 実は、世界は、宇宙はすべてつながっている。

 それぞれにとっての「一隅」を照らしていくことが、世界の悲惨への向き合い方だという哲学に、心から感銘を受ける。

 

「照一隅」と座右の銘を見せる中村哲さん「歴史秘話ヒストリア比叡山延暦寺 最澄1200年のメッセージ」より

 私が憧れの中村哲さんにお会いした時のことについては―

takase.hatenablog.jp

中村哲医師に学ぶ世界の不幸への向き合い方

 まだ質問があります!

 記者(江川紹子さん)の声を無視して会見場をそそくさと去る岸田総理。どこに「聞く耳」があるんだ?

https://twitter.com/Lanikaikailua/status/1557352281875484672

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 先日、悲惨な出来事をニュースなどで知って、「共感うつ」になる人がいるという話を本ブログに書いた。

 そして「理不尽さであふれるこの世の中を、どんな心構えで生きればよいのか」と振っておいてそのままになっていた。きょうはその続き―

 不幸な人を見たり、悲惨な出来事を知ったときにすべきことは、その不幸や悲惨を無くすか軽減するための行動であって、共感しすぎて心が乱れ、自分も不幸になることではないはずだ。具体的にはどんなことをすればよいのか・・・
https://takase.hatenablog.jp/entry/20220802

 これについては私の師の岡野守也さんがこう指摘していた。

「健全な市民にはもちろん適度な共感性は必要だが、共感しすぎて自分まで不幸になるのは、世界に不幸な人を一人増やすだけで、不幸を減らすことにはならない。あなたがすべきことは、不幸を少しでも減らす具体的な行動をすることであって、それができないのなら、そのことは忘れて、せめて自分が不幸になるのは避けるように」

 共感しすぎて疲れたり「うつ」になったりするよりも、人間として適度な共感の範囲にとどまりながら、自分にできる行動をすることの方が有効だというのは、理性的な考え方だ。

 では自分にできる具体的な行動にはどんなものがあるか。

 私を例にあげると、例えばウクライナでの悲惨な事態については―

ロシア大使館への抗議デモに行く
ウクライナへの救援活動に寄付する
SNSでのキャンペーンに賛同する。SNSで発信する
#知り合いとウクライナを話題にして語り合う
ウクライナ支援のTシャツを着る
#祈る

 以上のことをやっている。

 私は政治活動の経験もあるし、報道に携わってきたこともあって、デモや集会に行くこともおっくうではないが、そんなの無理という方も多いだろう。それに私は特にウクライナに関心が高いが、不幸が起きているのはウクライナに限らない。

 ある映画を観て考えさせられた。いま上映中の『荒野に希望の灯をともす』だ。

 これは、35年もの間、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続け、2019年12月にアフガニスタンで凶弾に倒れた医師、中村哲さんの生き方を描いている。私も中村哲さんを取材し、その人柄にふれて感銘を受けた一人だ。

中村哲さんは自ら現場作業にも従事した(映画より)

 中村さんは、大干ばつで飢餓が蔓延するなか、医療では人々を救えないと、井戸を掘り、用水路を建設する事業に取り組んだ。7年にわたる難工事を経て水路は完成。荒地は一面の緑あふれる大地となり、65万人もの人々の暮らしを支えている。

 難民たちは沃野に蘇った故郷に戻り、食うために武装集団の戦闘員になっていた男たちは銃を鍬に替えて農作業にいそしんでいる。

人々は荒野となった故郷を捨てた(映画より)

それが水路によって緑の大地によみがえった(映画より)

 まさに人々を不幸から救うすばらしい行動だ。この中村哲さんの生き方から何を学べるのだろうか。

 とてつもない大事業をなしとげた中村さんだが、座右の銘は意外なものだった。
(つづく)

 なお、中村哲さんの過去の言動にはいまも多くの気づきをいただいている。
 

takase.hatenablog.jp

 

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 日本の自然科学分野での研究力が下がり続けていることがわかった。

世界で2018~20年に発表された自然科学分野で影響力の大きな上位論文数で、日本が世界12位と、統計がある1981年以降、初めて10位以内から脱落した文部科学省科学技術・学術政策研究所が9日にまとめた調査結果で分かった。日本は研究力の低迷に歯止めがかかっていない。

 論文は、他の論文に引用されるほど注目度や影響力が高いとされる。同研究所によると、日本が12位になったのは、被引用数が上位10%に入る論文数だ。前期は10位で、新たにスペイン(10位)、韓国(11位)に抜かれた

 日本は論文総数でも前期の4位からインドに抜かれ5位、被引用数が上位1%の論文数も前期の9位からインドに抜かれ10位と、いずれも順位を下げた。とくに注目度の高い論文で、世界における存在感の低下が顕著だ。

 研究力の伸びが著しい中国は、上位1%論文数で初めて米国を上回り1位になった。上位10%論文数、論文総数も前期に続き1位で「3冠」を初めて達成した。(以下略)》(毎日新聞

mainichi.jp

 スペインや韓国といった、日本より人口も研究予算も少ない国々に抜かれている。

 これに注目するのは、オリンピックのメダル数比べのようなムード的なナショナリズムからではない。
 日本が将来、何で食っていくのか、もっというと、日本の次世代の「働き口」をどう確保するのかという問題だからだ。

 本ブログで繰り返し警鐘を鳴らしているが、沈みゆく日本の産業の最後の牙城、自動車産業が、EV化の波で「強み」を失いかねない。早く次の産業を育てなくてはならないのに政府のもたつきがひどい。

takase.hatenablog.jp

 中国が3冠というのは予想の範囲だが、このままでは次世代産業へとつながる最先端分野で軒並み中国の先行を許す可能性がある。

 そうなれば、「中国の特色ある社会主義」の方が、欧米の民主主義より優れているとして中国がますます強硬路線を突っ走るということにもなりかねない。世界がどちらに向かうかという趨勢にもかかわってくる。

 将来を見越して科学、産業を育てる戦略が、岸田総理の「新しい資本主義」には全く見えないことを憂慮している。

「政治の意図」が統一教会を野放しにした

 

 統一教会(通称)と政治の関係。

 岸田内閣、自民党はこのテーマをとにかくやり過ごそうとしており、関係をもった政治家たちが、統一教会ではなく宗教一般の話にしたり、「関連団体」が「統一教会とは知りませんでした」ととぼける作戦に出ている。

 そこで、こういう言い逃れを許さない、その通り!と唸った核心をつく台詞を二つ紹介したい。

 一つは7日の「サンデーモーニング」でコメンテーターの青木理さんのコメント

(これ、重要な点なんで繰り返しておかなくちゃならないのはね)「安部元総理の銃撃事件がパンドラの箱を開けた」ととらえるのは絶対まずいんですね。つまり、ああいう銃撃事件を起こしたことが、問題提起をした結果が、この問題を明らかにしたととらえると、ある意味で、暴力の連鎖を呼びかねないわけですから。これはこういう捉え方をしたら絶対まずいということは強調しておかなくちゃならないんですね。

 僕は逆なんじゃないかという気がしてるんですね、つまり、70年代、80年代から霊感商法とか合同結婚式とか数々の社会問題を起こしてきた、かなり反社会性の高い教団に対して、もっと早い段階で、警察だったりとか行政が、宗教法人格の適正性も含めてね、警察があるいは実態解明に乗り出すことをしていれば、被害はその時点である程度おさえられたわけですね。ところが、それをしなかった。

 僕自身の経験でも、90年代なんですけれど、僕が警察の取材をしてたら、警察が統一教会のことを調べ始めたんですよ。僕も取材してたんですけれども、ある時期にピタッと止まって、その理由を尋ねたら「政治の意図だ」っていう話が僕も聞いたことがあるんですね。

 つまりその段階で調べていれば、ちゃんと、こんなに被害が広がらなかった、あるいは被害が続かなかった可能性があるわけですね。そうすると、今回の事件はおそらく起きてなかったかもしれない。ということを考えると、政治の意図とか不作為によって、教団が野放しというか、温存されてしまった結果として、今回蓄積したものが爆発して事件が起きてしまった、っていうふうに僕は捉えるべきだと思うんです。

 そうすると、やっぱりこれを機に、きちんと政界と統一教会との関係というのを一回きちんと整理をして、統一教会というものとある程度、日本社会が訣別していかないと、また同じような事件が起きるんじゃないですか、っていうことを考えると、今回岸田さんを含めてね、自民党がもっと真剣に統一教会との関係、歴史的な面も含めてですけれど、調べて明らかにして、ここで決別をするっていうことをきちんと表明するべきだっていう風に僕は思います。

 ここで出てくる「政治の意図」は、有田芳生さんの言う「政治の力」に通じる。統一教会の窮地を「政治」が救ったとなれば、統一教会と政治の関係において、ここが一番の急所となる。

takase.hatenablog.jp

 

 つぎに、統一教会問題で独自の調査報道を続けてきたジャーナリスト鈴木エイトさん日本共産党の「旧統一教会問題追及チーム」に招かれて話をしたが、その中でこう語っている。

ジャーナリスト鈴木エイト氏

www.youtube.com

 政治家が自分から統一教会の関連団体にお金を払ったケースは「それほど重要視していません」としたうえで―

 逆に、統一教会側から数万円とはいえ政治献金とか受け取った議員は、これはもう金額の大小にかかわらずアウトだと思っています。

 それはなぜかというと、そのお金は統一教会の被害者のお金なんですね。被害者が収奪された、騙し取られたお金を結果的に政治家が手にしているということです。金額の多少にかかわらず、それは問題視すべきだと思います。

 この場で鈴木エイトさんはほかにも非常に内容の濃い話をしているので、視聴をお勧めする。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-08-05/2022080502_02_0.html

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 お知らせです。

 1945年8月9日、当時日本だった南樺太に突如ソ連軍が侵攻した。当時、40万人もの日本人が住んでいたが、日ソ中立条約があってソ連が攻めてくるなど予期していなかった日本側は不意をつかれパニックになった。

 ソ連軍のほとんど一方的な攻撃は8月15日を過ぎて22日まで続き、多くの民間人が犠牲になった。逃げ場を失って自決するなど、沖縄戦のような悲劇も起きている。

 今回のロシアによるウクライナ侵攻を彷彿とさせる事態だが、戦後、サハリンと名を変えた現地に残留せざるを得なかった多くの日本人がいる。

 彼ら残留日本人の帰国事業を担ってきたNPO法人「日本サハリン協会」の斎藤弘美会長のインタビューが、NHKの二つのラジオ番組で放送されます。

 残留せざるを得なかった事情や彼らの心情、そして戦後生まれながらサハリンに関わり続ける斎藤さんの思いを熱く語るすばらしいインタビューです。

 ウクライナ難民が話題になっていますが、他人事ではありません。日本人の難民にも思いをはせ、戦争と平和について考えていただければと思います。

8月8日(月)NHKラジオ第1 午前4時台「ラジオ深夜便
【戦争・平和インタビュー】サハリン残留日本人に思いを寄せて
NPO法人 日本サハリン協会会長・元 フリーアナウンサー 斎藤弘美

http:// https://www.nhk.or.jp/shinyabin/program/2b7.html


8月3日(水)・10日(水)NHKラジオ第2 午前10時30分 
「アナウンサー百年百話」(15分)(再放送 3日10日午後10時、 6日13日午後3時45分)
「サハリン残留邦人に思いを寄せて 前編(3日)」

https://www.nhk.jp/.../rs/MVYJ6PRZMX/episode/re/BR3LQ2P2GK/


「後編(10日)」では、ウクライナ在住のサハリン残留日本人の降旗さんをロシアの侵攻後、緊急の募金活動で日本に避難させる経緯も語られます。

https://www.nhk.jp/.../rs/MVYJ6PRZMX/episode/re/MZ2PZ3WLG7/

 私もサハリンに何度か通って残留日本人の取材をしました。日本にも「難民」がいたんだと知ると、ウクライナのことは他人事ではなくなります。

takase.hatenablog.jp

 このNPOは、本来日本政府がやるべき、残留日本人の実態調査、一時帰国、永住帰国を(政府がちっともやらないので)独自に行ってきた。日本サハリン協会によれば、現在生存している残留邦人はおそらく70名内外、これまで協会として3700人(延べ人数)を一時帰国として日本に呼び、137世帯309人を永住帰国させた。

 いま残留邦人は、コロナ禍とウクライナ侵攻で(ロシア極東と結ぶ便がなくなった)日本に来ることができないでいるという。

 ご関心あれば、上記ラジオ番組をぜひお聴きください。
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 猛暑のなか、せっせと本を読んでいる。

 私は「サングラハ教育心理研究所」のコスモロジーセラピー・インストラクターという肩書もある。去年から、セラピーに使える教科書を執筆し始めたのだが、ちょっと行き詰って、もう一度基礎から勉強しなおそうと、宇宙論を中心に読んでいる。

 この1カ月で読んだのは;

①ブライアン・グリーン『時間の終わりまで~物質、生命、心と進化する宇宙』(講談社、2021)
②カルロ・ロヴェッリ『世界は「関係」でできている~美しくも過激な量子論』(NHK出版、2021)
③ポール・ナース『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ダイヤモンド社、2021)
④小林憲正『宇宙からみた生命史』ちくま新書、2016)
⑤アーヴィン・ラズロ『生ける宇宙~科学による万物の一貫性の発見』(日本教文社、2008)
⑥フランク・ウィルチェック『物質のすべては光~現代物理学が明かす、力と質量の起源』(早川書房、2009)
⑦村山斉『宇宙はなぜ美しいのか~究極の「宇宙の法則」を目指して』(幻冬舎、2021)
⑧日本科学情報『宇宙一わかる、宇宙のはなし』(KADOKAWA、2021)
⑨ローレンス。クラウス『宇宙が始まる前には何があったのか?』(文藝春秋、2013)

 あらためてここ20年くらいの宇宙論の急激な進化には驚かされる。

 ニュートンが、重力とは「質量をもつ物質の間に働く力」で、物質は質量に応じて重力という「力」でまわりの物質を引っ張るという「万有引力の法則」を確立したが、それをアインシュタイン一般相対性理論がそれをひっくり返して、重力とは「時空の歪み」だとなった。

 ニュートン時代の、何もない宇宙空間に物質が浮かんでいるイメージでは、主役は物質で空間は単なる背景にすぎないが、アインシュタインは主役を「物質」から「時空」に換えたのだ。

 それが近年さらに進んで、質量の起源もまた空間によって生み出されたものという理論が有力になっているようだ。

 「空間のほうが主たる現実(リアリティ)で、物質は、それが形を取って現れただけの副次的なものにすぎない」。(ウィルチェック=この人、2004年にノーベル物理学賞を受賞した超一流の研究者)
「一見すると空っぽに見える空間が、我々が存在するための種(たね)を含んでいる」(クラウス)というわけである。

 むかしむかし、宇宙空間は「エーテル」で充ちているという理論があっていったんは完全に否定されたのだが、それの現代版リバイバルみたいな考え方だ。

 これは世界観、ひいては人生観にどのような影響を与えるだろうか。

takase.hatenablog.jpseijino

統一協会報道を禁じたテレ朝の変

 はや立秋だ。

 7日から初候「涼風至(すずかぜ、いたる)」。13日からが次候「寒蝉鳴(ひぐらし、なく)」。18日からが末候「蒙霧升降(ふかききり、まどう)」。

 まだ暑いさなかだが、その中に秋が忍び寄るのを感じ取れるように暮らしていきたい。
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衿(えり)正しゃ党が保(も)たない汚染ぶり(神奈川県 朝広三猫子)

初登院写真撮ったらもう終わり京都府 桑原宣彰) 朝日川柳より

 国会は3日でおしまいにして、岸田総理は統一教会自民党との関係に蓋をしたまま、国葬内閣改造で乗り切ろうとしているようだ。

立川談四楼のツイートより

 「仲間が凶弾に倒れたのになんで必死にならないんだろう」と私たちはみな感じているよ、岸田さん。

 今後の追及のための備忘として以下。
 The Headline統一教会との関与が示された議員・知事ら121名一覧。現職閣僚から首相経験者まで」

www.theheadline.jp

 

 報道特集が毎回出色の独自取材で気を吐いている。

 先週は、元信者が複数、実名と顔を出して自民党支援に動員されたことや巨額献金の実態を証言した。

次から次へと献金に追われ、子どものお年玉や自分の貯金通帳をすべてゼロにした。「脅されていましたね、恐怖は感じていました。夫や子供に災いがあると思っていましたから」と証言する元信者。(報道特集より)

2000万円の献金をしたほか、選挙では自民党の候補の支持を広げるための電話かけをしたという元信者。教団の指示で、霊感商法について放送をしたテレビ局には無言電話をかけた。

 

「こうやって(インタビューに)応じることは私としてはすごく恥ずかしい。本当は人前に出たくないですよ。穴があったら入りたいぐらいなんですけれど、今回この件があって、とにかく統一教会、こんな詐欺団体を宗教法人と認めちゃいけないです。ぶっ潰したいです」と元信者の石原早苗さん

 

 日本の信者から献金を集める手法の一つに「解怨式」という儀式があるという。

 これは、文鮮明が“地上天国”を作ると銘打った地、韓国・清平で行われる、怨みや後悔を持ったまま地獄で苦しむ先祖を天国へ導く儀式のこと。報道特集が06年に取材した素材は衝撃的だった。

解怨式を「報特」は06年に取材していた

 1代から7代までの先祖の解怨に必要な献金は70万円、それ以降は7代ごとに3万円かかるという。当時は父方の父をたどる先祖と、母方の父をたどる先祖を180代前まで解怨することが望ましいとしていた。

キリスト教の教義に真っ向から反すると思うが・・・(報道特集より)

 こんなことがキリスト教の教義にもとづくことはありえないが、この儀式に参加するためにお金を持って渡韓した日本人信者の姿をTBSは2006年に撮影していた。信者らはバス10台以上に乗って仁川空港から清平へと向かった。

 

現在の清平(チョンピョン)。一帯には 宮殿のような建物や病院、レストランなどが建ち並び建設中のものもある報道特集より)

 

 教団の関連団体のホームページには430代前までの解怨式をしている写真が掲載されていたという。1代を30年で計算すると430代前は1万2900年前になる。縄文以降の先祖の「怨」をすべてお金で解決するという荒唐無稽な話である。

教団関連のHPにはたしかに430代前の先祖の解怨について書かれている

 全国霊感商法対策弁護士連絡会紀藤正樹弁護士は、解怨式は“1990年代半ばに突如始まった”と指摘する。日本の信者が献金を横領しているのではと韓国の本部が疑い、韓国に直接お金を持って来させる仕組みを作ったという。

 日本人信者からお金を巻き上げるやり方は、手を変え品を変え、時代と共に変化してきたわけだが、献身的な日本の信者の貢献で統一教会は拡大してきた。

 韓国で信者の脱会を手伝う活動をしてきたキムさん(仮名)は「日本の献金の力は大きいです。日本人の多額の献金によって、統一教会が成し得たことは本当に多かった」と証言する。

 

 統一教会は精力を拡大、米国の政治にも大きな影響力を持つようになっていった。前回の「報道特集」に登場した元幹部のアレン・ウッド氏は、統一教会の狙いは政界進出だったという。

 荒唐無稽に聞こえるが、政治と宗教が統一した世界で文鮮明はそのトップに立ちたいと思っていたという。

 文鮮明が初めに政治に接近したのは統一教会設立7年後の1961年、朴正煕が軍事クーデターで権力を得たときだった。

 78年の米国下院の報告書によれば、「KCIA金鍾泌(キムジョンピル)氏が政治的手段として統一教会を組織した」と書かれている。

初代KCIA長官で朴正煕の最側近の金鍾泌文鮮明が手を握った

 「反共」をかかげてKCIAの手先として米国の政界に食い込んでいった統一教会

 そこで日本からの献金が大きな力を発揮したことは言うまでもない。

豊富な資金が統一教会の米国での活動に貢献した

 統一教会が政治の世界に食い込む際に掲げたのは「反共」イデオロギーだったが、冷戦が終わると、文鮮明が突如北朝鮮を訪問し、金日成と握手。北朝鮮指導者に巨額の「献金」をし、北朝鮮のビジネスパートナーになっていく。 

これも日本から収奪したお金か。

報道特集より)

 アレン・ウッド氏は統一教会は時の政権に取り入るために理念を変えるという。

「何より大事なのは権力。信仰は関係ない。一層の権力を手にするためにあらゆるものを利用する」(ウッド氏)

「しかしキリスト教右派にアプローチし始めると、強硬に反対し始めた」とウッド氏


 元信者がいうように、統一教会は宗教団体じゃないな。

 見逃し配信を以下で観られます。
 https://tver.jp/episodes/ep4s3ihagi

 

 朝日新聞』の統一教会報道にエンジンがかかってきた。

 7日の朝刊は1面トップと2面全面を使っての特集を載せた。

7日朝刊1面

2面。これで大体の構図が理解できる特集

 問題はテレ朝だ。

 はじめは「モーニングショー」で連日鋭く突っ込むなどしていたが、ある時から突然パタッと統一教会に触れなくなった。リテラがその背景を探っている。

lite-ra.com


「異常なのがテレビ朝日だ。

 気がついたら、同局では、『報道ステーション』などのニュース番組からも、『羽鳥慎一モーニングショー』のようなワイドショーからも、統一教会問題についてのまともな報道が完全に姿を消しているのである。」

「『モーニングショー』は当初、統一教会報道に消極的だったわけではなかった。特集で統一教会と政治家の関係を取り上げ、玉川徹氏らもかなり批判的なコメントをしていた。そして、18日には、統一教会問題を追及してきたジャーナリスト・有田芳生氏が出演、その発言が大きな話題になった。

 有田氏の発言は、1995年ごろ、警察が統一教会の摘発に意欲を示し、警察庁と警視庁からレクチャーの依頼があったが、捜査は実現せず、その理由について、有田氏が10年後、警察庁・警視庁幹部2人に質したところ、「政治の力だった。圧力」という答えが返ってきたというもの。この発言は大きな反響を呼び、Twitter上でも「政治の力」がトレンドワード入りしたほどだった。

 ところが、その翌日、19日から、『モーニングショー』は突如、統一教会自民党の癒着どころか、統一教会の違法献金などの問題も取り上げなくなかった。

 もちろん、これはたまたま、ではない。実は、有田氏は翌日19日にも同番組に出演する予定だった。ところが、突如番組側からキャンセルの連絡が来たという。何かの事情で報道を取りやめたことが露骨にわかるエピソードだが、テレビ朝日では、これだけではなく、すでに放送された報道をなかったことにするという事件まで起きていた。」

 放送された報道をなかったことにするというのは、7月24日放送の「サンデーステーション」の統一教会北村経夫参院議員の関係を取り上げた部分のアーカイブを削除してしまったことを指す。

報道局長時代の篠塚浩氏(共同ニュース)

 そこで問題になっているのが、「今年6月に同局社長に就任したばかりの篠塚浩氏の「ツルの一声」」なのだが、それだけではないとの推測が・・。

「篠塚社長ら上層部がいくら政権忖度体質だったとしても、今回のやり方はあまりに露骨過ぎないだろうか。報道を抑制するにしても、忖度による自主規制の場合は、目立たないよう少しずつトーンを落とすようなやり方が普通。今回のように、ある日を境に極端に報道しなくなったり、わざわざ一旦、放送した動画や書き起こしを削除するなどというのは、あまり聞いたことがない。

 そんなところから、局内はもちろん報道関係者の間でも自民党からテレ朝の上層部に直接、圧力があったとしか思えない」という見方が広がっている。」


 その政治家には、萩生田光一経産相菅義偉前総理の名が挙がっているという。

 「テレビ朝日が報道機関として完全に死んだ」とリテラ。

 篠塚社長は入社2年目の若いころに一緒にフィリピンで仕事をして以来知っているが、だいぶ「人間」が変わってしまったようだ。報道畑の記者が、地位や金で自らが腐った権力になっていくのは悲しい。

takase.hatenablog.jp

安倍政権の誕生に統一教会が関わった?!

一昨日から山形県新潟県と北陸で記録的な大雨が続き、私の故郷、山形県南部に大雨特別警報が発令された。知り合いが多いので心配していた。

 5日、山形県の少なくとも10市町で建物の浸水被害が確認され、飯豊町では男性が行方不明になっているという。
 農作物へのダメージも深刻だろう。被害が少しでも軽微なものにとどまるよう祈ります。

長井市のダリヤ園近くの橋が崩落した(産経新聞

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 米下院議長ナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問、蔡英文総統と会談した。

TBSニュースより

 ペロシ氏は中国の人権問題では筋金入りの強硬派として知られる。

 1991年の訪中の際は天安門広場で「中国の民主化のために犠牲になった人たちへささぐ」と中国語と英語で書かれた幕を掲げ、天安門事件の弾圧を批判。

 08年はブッシュ元大統領に北京五輪開会式の出席をボイコットするよう迫った。

 09年にダライ・ラマ14世の訪米の際は、オバマ大統領は中国に配慮して会談を見送ったが、ペロシ氏は下院外交委員長を務めた故トム・ラントスにちなんで創設された人権賞を贈った。(以上wikipedia

 これまでも大統領とは「別行動」をとってきたわけだ。

 ペロシ氏は今回、「人権博物館」で民主活動家とも会い、同行の10人の米議員ら約10人とともに中国や香港の人権状況について説明を聞いた。

 会合に呼ばれたのは天安門事件当時の学生リーダーでウイグル族ウアルカイシら約5人。その中に香港の銅鑼湾書店の元店主、林栄基氏がいて、台湾でがんばっているんだなと嬉しかった。

takase.hatenablog.jp

ウアルカイシ氏が来日した件についてはhttps://takase.hatenablog.jp/entry/20101120

 ペロシ氏の台湾訪問については、中国を不必要に怒らせて緊張を高めたと批判的な論調がメディアには多いが、中国の人権問題で「ダメなものはダメ!」と原則を貫く政治家は必要だ。

 中国共産党チベットウイグルで行っている「ジェノサイド」をやめさせることは喫緊の世界的課題である。「緊張」が高まるからといって、ジェノサイドを「なあなあ」でやり過ごすわけにはいかない。

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 連日、統一教会(通称)に関する見逃せないニュースが飛び込んでくる。

 まず、7月に統一教会の関係者からの相談件数が激増したという共同通信のニュース。一人で悩んでいた信者2世や信者の家族らが、安倍元総理殺害事件を機に、相談できるチャンネルがあることを知って押し寄せているのだろう。

共同通信


 名称変更を認めたうえ、統一教会にメッセージを出すなどしてお墨付きを与え、被害者を増やす結果を招いた自民党はとくに深く反省して、徹底した調査と被害者救済に乗り出すのがスジだろう。ところが驚いたことに、調査を拒否する!のだという。

東スポより)

立憲民主党西村智奈美幹事長(55)は4日、自民党茂木敏充幹事長(66)に対して世界平和統一家庭連合(旧統一教会)をめぐる問題で、国会に被害調査委員会の設置プランを提案したことを明かした。

 西村氏は国会内で行われた「旧統一教会被害対策本部・厚労部会・文科部会・内閣部会合同会議」に出席した。

 自身の事務所に旧統一教会による被害相談を受けていたことも踏まえて西村氏は、茂木氏に調査委の設置を要請するため書面を作成し国会対策委員会を通じて渡そうとしたが、受け取りを拒否されたという。(以下略)》

 
 国会を3日だけしか開かないのも、とにかく逃げ切ろうという魂胆か。茂木氏の態度からは、調査しないどころか調査を妨害するのではとの危惧を覚える。

 

 日刊ゲンダイ』が、「しんぶん赤旗」日曜版(7日・14日合併号)の“衝撃的なスクープ”を報じた。安倍政権の誕生に「統一教会」が大きく関わっていた可能性が出てきたという。

 重大な話なので長めに紹介する。

統一教会の関連団体「世界戦略総合研究所」の小林幸司事務局長が、赤旗編集部の取材にこう証言しているのだ。

 「親しい議員からお願いされて自民党に入った自民党員だったのは2011年から17年までで、途中1年ほど退会していたかもしれない」

 さらに、12年9月に行われた自民党の総裁選について、「首相になってほしいので安倍さんを応援し、投票した」と認めているのだ。小林事務局長は、総裁選の半年後(13年4月)に開かれた「桜を見る会」に招待されている。招待された理由についても「(総裁選で安倍氏を)応援したからですかね」と話している。

 統一教会の関連団体の幹部が、自民党員となって総裁選で安倍晋三氏を支援したとハッキリと証言しているのだから衝撃だ。問題は、総裁選に関与したのは幹部1人だけだったのか、ということだ。統一教会の信者は、7万~8万人いるとされている。もし、全信者が自民党員になって総裁選で一票を行使すれば、十分、総裁選の結果を左右する力になるからだ。

 2012年の総裁選は、まだ自民党が野党時代に行われている。投票総数は約49万だった。当初は、石破茂石原伸晃が有力視され“石・石対決”といわれていた。安倍氏は本命ではなかった。ところが、安倍氏は第1回投票で2位につけ、決選投票で石破を破って総裁に就任している。

 安倍氏が第1回投票で2位になったポイントは、石原に党員票で差をつけたことだ。議員票は<安倍54票 石原58票>と拮抗していたが、党員票は<安倍約14万票 石原約7万4500票>と大差をつけている。

 はたして、あの総裁選で、旧統一教会の信者が動いたのかどうか。検証する必要があるのではないか。》

本命ではなかった安倍氏が総裁に(日刊ゲンダイdigital)

 徹底的な追及を!