きのう、6月で40度超を群馬・伊勢崎市で記録した。観測史上初だという。
きょうも猛暑。近く客が来るので、この機会にと障子の張り替えをする。つれあいに「こんなに暑いのにバカ」となじられながら、汗だくで4枚張り替えた。一人でやるのはけっこう大変だった。
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24日の金曜は、タイから一時帰国した作家の笹倉明さんを囲んで飲み会。
笹倉明さんは1989年、ジャパゆきさんの殺人事件をテーマにした『遠い国からの殺人者』で直木賞を受賞した。私はその前に笹倉さんと知り合い、彼がフィリピンに取材に来たときに案内したりとお付き合いがあった。
酒の席での私の話を笹倉さんがおもしろがり、小説にした。フィリピンで起きた実際の事件が基になっていて、主人公のジャーナリストのモデルは私。『報復コネクション』(集英社 1989)という小説だ。
笹倉さんは2015年からタイで仏僧となってチェンマイの僧院に入っていたが、この秋に還俗(げんぞく)するとのこと。また物書きになるという。
7年近い修行は何をもたらしたか。今後どんな作品を書くのか。
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この間のニュースから。
ロシアのウクライナ侵攻からはや4カ月がたった。
激しい包囲戦が続いていたウクライナ東部の要衝セベロドネツクが25日、事実上ロシア軍に陥落したようだ。これでロシア軍はルガンスク州のほぼ全部を支配したことになる。マリウポリのように大量の兵士が捕虜になることはなかったようだが、ウクライナ側は守勢に立たされている。
軍事的な意味より政治的な意味あいが大きいとされロシア側の士気にもプラスに働くだろう。
ウクライナ政府によれば東部ドンバス地方での火力はロシアがウクライナの10倍以上で、西側からのさらなる武器支援を求めている。
いまさかんに「正義派」(ウクライナが勝つまで戦争を続ける)か「和平派」(とにかく一刻も早く和平を)かという議論の構図が提示されることが多いが、篠田英朗先生によるとそれは「親露派の偽りの問い」だという。
ウクライナに「正義」を放棄させる「和平」はありえないと。
篠田氏の論戦は続く。
私は以前からロシアのウクライナ侵攻は、米国がベトナムから撤退するパターンで考えていた。世界はロシアを撤退させなければならない、と。
米国が武器援助を続ければ戦争を長引かせるだけだという主張があるが、いまのウクライナはレイプしようとするロシアに必死に抵抗しているようなもので、その抵抗は支援されなければならない。
一方、ウクライナ軍からの逃亡が増えているとのリポートがある。
圧倒的な火力で劣勢に置かれた兵士が戦線を離脱したくなるのは人情。ロシアへの制裁とウクライナへの軍事を含む支援は継続されなくてはならない。
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参院選が始まった。
どの党も「給付金」「補助金」「減税」などバラマキの横並びに見える。
安倍元首相が去年、アベノミクスを擁護してトンデモ発言を繰り返したのをこの時期思い出してほしい。
「子どもたちの世代にツケを回すなという批判がずっと安倍政権にあったが、その批判は正しくないんです。なぜかというとコロナ対策においては政府・日本銀行連合軍でやっていますが、政府が発行する国債は日銀がほぼ全部買い取ってくれています」
「みなさん、どうやって日銀は政府が出す巨大な国債を買うと思います?どこかのお金を借りてくると思ってますか。それは違います。紙とインクでお札を刷るんです。20円で1万円札が出来るんです」(!!)
まるで飲み屋で与太話している感覚だが、膨大な国債発行と異次元の金融緩和が常態化して、政治家もみな日本の危機的な財政に麻痺してしまったのか。
私は個人的には「分配」よりも、将来への経済プラン、とくにどんな産業を伸ばしていくのか、どういう産業で日本が食べていくのかで争ってほしい。
一例を挙げれば、日本経済の最後の牙城とされる自動車産業がいよいよ危ない。EV(電気自動車)化で差をつけられつつある。日本はEVの性能、価格、充電設備どれを取ってもヤバい。
電気機器、半導体、携帯電話、太陽光パネルなど、日本が先頭を走っていた産業で次々と競争力を失うパターンがいよいよ自動車に及んできた気配がする。
これは政府の産業政策の誤りによるもので、いまだに脱炭素化への大胆な踏切をためらっている。このままだと、自動車産業を失うばかりか、次世代の産業開拓でも出遅れてしまうだろう。
さかんにSDGsがどうのと一応口では言ってみても、政策で裏打ちしなければ、スーパーにはマイバッグを持っていきましょうレベルの話で終わっちゃうよ。
「骨太」の産業政策の議論を望む。