安倍=統一教会の関係における2015年の意味

 お知らせです。

 高世仁のニュース・パンフォーカスNo.29「不条理な世界を生きる知恵を中村哲医師に学ぶ」を公開しました。

 ウクライナの戦争をはじめ、この世には悲惨な出来事があふれています。他人の不幸を自分事としてとらえ、「共感疲労」になる人もいるようです。自分には何ができるのか。そのヒントを中村哲医師に学びました。

www.tsunagi-media.jp

 ご関心ある方はお読みください。

中村哲さん(アフガンの堰のモデルにした福岡県朝倉市の山田堰をバックに)撮影高世、2012年

・・・・・・・・

 

 こないだの参院選で、安倍元総理が統一教会(通称)に特別の支援体制を要請し、当選した井上義行井上氏への旧統一協会の組織票の分布を推定し、地図上に表示したのが以下。

 なるほどなあという手法で感心した。

 有田芳生さんがツイッターで「これはすごい分析です。得票率増加ナンバーワンの埼玉県神川町統一教会の「聖地」。1967年6月に文鮮明教祖が訪れた土地です。」とコメント。

 多くの人たちが調査、分析に加わってくれば、また新たな発見、発掘があるだろう。期待したい。
・・・・・・・・

 

 統一教会と政治のかかわりで焦点になるのが、2015年に教会の名称変更が認められたことだが、この時期の重要性について、先日、ジャーナリストの鈴木エイトさん共産党の「旧統一教会問題追及チーム」に招かれて話をしたさいに興味深いやりとりがあった。

www.bing.com

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik22/2022-08-05/2022080502_02_0.html

鈴木エイト氏(冒頭から11分ごろから)

「2016年の参院選で初めて選挙権年齢が18歳に引き下げられる。2015年秋、国会議事堂の裏とかで毎日SEALs(シールズ)がデモを行って国民の支持を集めていた。しかもその時期というのは、共産党が初めて野党一本化に応じる意思を示し、それまで全選挙区に候補者を立てて、こういう言い方失礼ですが共倒れをして自民党に協力したかのような共産党が初めて野党一本化に協力をしめした、非常に重要な時期なんですね。

 ということで安倍政権が焦っていたというのが2015年秋の状況なんですね。そのあたりから2016年7月になると突然、SEALsに対抗するような大学生組織が全国にあちこちで共産党反対、安保法制賛成、安部政権支持、憲法改正指示っていうデモ、街頭演説、街宣を一斉に始めたというようなことがありました。で、いろんなメディアがSEALsと同じような分量で取り上げるということがあって、そのあたりの安倍政権と統一教会勝共連合を使った策動とかいろいろ(私が)記事にはしてきたころではあります。(略)

(私の取材は)一番初めは2012年第二次安倍政権の発足、13年の参院選で安倍首相がじきじき統一教会に組織票支援、北村経夫さん、当時の産経新聞政治部長への組織票を依頼するような内部文書を入手したことを記事にして、さらに官房長官が北村さんを統一教会の地区教会二カ所へ派遣するような証言を得たことから、官邸と統一教会の間に何かしらの取引があるんじゃないかというところをスタートに『週刊朝日』にまず記事を書いてそこから取材をスタートしました。

 そのころ、いろいろ自民党の議員を中心に、統一教会のイベント、集会に参加する議員が続出し、海外へ遊説する人もいたりとか、さっき言った大学生、それは外見的には保守派の大学生が自主的に活動を始めたっていう体裁をとってたんですね。一応、名前には国際勝共連合大学生遊説隊UNITE(ユナイト)という名前がついてたんですが、東大の4人の大学生が社会を憂いて、SEALsに対抗する形で保守派の大学生が声をあげたという体裁をとっていたんです。

 最初に渋谷で大きなデモ行進を5月28日にやったんですけれども、その日のニュースでテレビ東京が「保守派の大学生、憲法改正デモ」みたいなことを報じたら、なんとそのタイミングでそのニュースを自民党ネットメディア局長などをやられていた平井卓也さんが自分のフェイスブックに「大学生はSEALs」というイメージは間違いですと投稿しました。その直後にいま話題になっているピースロードに平井さんが出席したりとか、何かしらの連動性を感じたんですね。

 「勝共UNITE」の取材をするなかで彼らが全員統一教会2世であることをつかんで、報じたりしてるなかで、当時の統一教会の内部メールを入手したところ、「明日エイトが取材に来るそうです、言葉には気をつけてください、外向きには勝共連合、UNITE二つの看板を背負っての活動です」と書いてあって、外向けに二つということは中身は一緒なんだなというところから何かしらの策動があるんじゃないかと。その時期にちょうど首相官邸統一教会の会長が招待されたという情報を掴んで記事をかいたんですけども。(略)

 そういう人たち、政治家がどんどん政務三役に登用されるようなケースが目立ってきた。第4次安倍改造内閣が一番顕著だったんですが、それだけ、政務三役の適齢期の政治家に幅広く根を張って手を伸ばしていたということの証左でもあるんですが。(略)」


 つまり、安倍氏が政治的に焦るような時期が2015年ごろで、そのあたりから統一教会との結託が強まったというのである。

 鈴木エイトさんの講演の後の質疑で、宮本たけし衆院議員がこう語った。(53分ごろから)

宮本たけし衆院議員

2015年という年はひとつの象徴的な年なんですよ。安倍さんがそれまでの自民党とも違う、悪魔と契約するような道に踏み込んだ年なんですね。

 森友でいうとその年に安倍昭恵さんが塚本の幼稚園に行って、名誉校長に就任して、一瀉千里に悪い方向へ舵を切ると。加計でいうと、それまではそんなのは認められないと言ったのが、内閣府閣議決定されて別の道で許可する方向で走り始めると。極めつけは9月の私たちが「戦争法」と呼ぶあの法制なわけですよ。

 ですから、もう従来の生やさしい形の保守政治ではダメで、やることは全部やると。力つこうて政治ねじまげるのも、もう何もかもやるというところに踏み込んだ時であって、その時に、この問題もですね、長年の懸念になってた名称変更も、下村通じてやってしまえと。こういう大きな流れがあったのではないかと。2015年というのは一つのキーワードではないかと見てるんですが」

 「さすが共産党」という指摘だったが、この発言には鈴木エイトさんも、先の安倍=統一教会の動きと符節が合うと賛意を示していた。

 名称変更をめぐる動きの追及がますます重要になってきた。