ムラサキシキブが実をつけている。
日本以外に朝鮮半島と台湾に分布するそうで、極東の植物だ。
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一昨年の10月6日は、フジテレビの「Mr.サンデー」で香港から中継で当局と民主化運動のせめぎあいをリポートした。
ヘルメット、ガスマスクをつけて終日デモを取材していた。日記に「この2日、ほとんど食べていない」と書いている。緊張で胃腸がやられて吐き気が続いていた。「カメラジャケットは汗でぐちゃぐちゃで臭い」とも。ついこないだのような気がするが、もう2年経ったのだな。香港はまるで別世界だ。
国慶節を節目にさらに独裁化が進んでいる。
《中国の建国記念日、国慶節にあたる1日に香港で行われた抗議デモ。参加したのは民主派団体のメンバーわずか4人》と報じたのはTBS。
例年、大規模な抗議デモが行われるため、警察は8000人態勢で厳重警戒したというが、デモを呼びかける民主派団体が軒並み解散してしまった。
《デモや集会を通して政府に意見をする、香港流の「愛国」が受け入れられなくなったと民主派の元区議は指摘します。
民主派元区議 梁柏堅さん
「今の政府は(支連会のような)愛国を必要としていません。中国政府にとっての愛国者は、彼らの言うことを聞く人のことです」》(TBSニュース)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb2875255c632b0de155b69ed36c325be0b1762f
独裁化のキーワードは「愛国」だ。
《香港政府の林鄭月娥行政長官は6日、立法会(議会)で任期中最後となる施政方針演説を行った。国家への反逆行為を取り締まる「国家安全条例」制定作業を進め、中国の習近平政権が求める「愛国者による香港統治」を徹底させる方針を示した。》
《国家安全条例は、昨年6月に中国主導で成立した国家安全維持法(国安法)とは別に香港独自に制定され、国安法を補完するものになるとみられている。条例制定は香港基本法(憲法に相当)によって義務付けられ、中国側が求め続けてきたものだ。2003年には条例案に反対する50万人デモが発生したことで撤回され、その後も長年棚上げされてきた政治課題だった。林鄭氏は演説でフェイクニュース規制にも言及しており、メディアへの統制強化が予想される。》(香港時事)
当局がとくに狙っているのが、教育を通じた若者の意識改革だ。
香港の若者が民主化に立ち上がるようになった背景に、「通識」(liberal studies)という科目があった。
2009年から必修科目になった「通識」は、現在進行形の時事問題、社会のしくみなどを扱う。新聞記事なども使いながら、答えがない社会問題を生徒自らが考え、活発に討論しあう。先生も個人としての立場で意見を述べ、時には論争相手になるという。
去年の今頃、このブログで、「通識」の内容が変更されたことを指摘した。
先月、この科目自体がなくなって、替わりに「公民と社会」が必修となり、生徒の「中国国民としての意識を深める」のだという。
街頭行動を抑え込み、議会から民主派を追い出し、メディアを黙らせたあとは、若者への洗脳というわけだ。
この中国共産党のやり方にどう抵抗できるのか、また私たち海外の人間はどう支援できるのだろうか。