確定申告の手続きで税務署に行った帰り、団地の前を通りかかったら、桜の老木の並木が満開で花びらが散り始めていた。通りすがりの人たちがスマホで写真を撮っていた。
散る桜には独特の情緒を感じてじっと見入ってしまう。私もやっぱり日本人だな。
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27日の国軍記念日の治安部隊のやり方は、抗議活動の「取り締まり」ではない。手当たりしだいに市民に襲い掛かる「虐殺」だ。いたいけな子どもたちまで殺している。
その27日当日、隣国タイ・バンコクでは、世界最大規模のミスコンテスト「ミス・グランド・インターナショナル」のファイナル審査が行われていた。
これに出場したミャンマー代表がスピーチで「どうか世界の皆さん、ミャンマーを助けてください」と涙ながらに訴えた。
学生はヤンゴン大に通うハンレイさん(22)。
「私がこのステージに立っている間にも、愛する母国で大勢が亡くなっている。世界中の市民は平和を望んでいるのに、指導者は利己的な権力を使うべきではない」と声を震わせると、会場から激励の拍手を受けた。(東京新聞)
27日の事態に対し、翌28日、茂木敏充外相がミャンマー国軍と警察を強く非難する声明を出した。いつもながらの対応。
加藤勝信官房長官は、「強く非難する」と表明しつつも、ミャンマーへの経済制裁など今後の対応については「事態の沈静化や民主的な体制の回復に向け、どのような対応が効果的か具体的に検討し、総合的に進めていきたい」と慎重姿勢。(29日の会見)
遠吠えじゃ「強い非難」も虚仮(こけ)にされ 三重県 山本武夫
(きょうの「朝日川柳」より)
日本は制裁一辺倒の欧米諸国と違い、ミャンマー国軍と「パイプ」があるから、それを利用して正常化に向け努力すべきだ・・ワイドショーで識者らがさかんに言っているが、じゃあ「パイプ」を使って何をしているのか、「事態を見守って」いるだけではないか。
一般的に暴力はいけません、なんて言ってる段階ではないだろうに。
軍政とこれに対抗する民主勢力の「連邦議会代表委員会」のどちらを正式な政府として認めるのか。また、国連総会で涙ながらにクーデターを批判したチョーモートゥン国連大使(https://takase.hatenablog.jp/entry/20210323)は軍政によって「解任」されたが、彼を正式な大使として認めるかどうか。
一つ一つに具体的な態度表明が求められている。
ミャンマー人は一般に非常に親日的だが、そのミャンマー人たちも日本のどっちつかずの対応を非難しはじめた。
すでに26日、在日ミャンマー人でつくる「在日ミャンマー市民協会」のタンスエ会長は「クーデターから54日経過したが、日本政府は意味のある行動をしていない。何もしていないのと同じだ」と述べ、日本政府がミャンマー国軍関連企業や関係者に対する経済制裁を行っていない理由などをただす公開質問状を人権NGOの「ヒューマンライツ・ナウ」と共同で外務省に提出している。
ミャンマーでは進出した中国系企業の工場などが焼き討ちされるなどして40社近い企業が被害を受けている。市民のあいだでは、軍政を支援する中国への反発が激しくなっているという。
このままのらくらしていると、日本への信頼も一気に失われるかもしれない。
具体的なメッセージが求められている。