コロナ・ワクチン摂取の「無料クーポン券」が私にも届いた。
夜、ネットで予約しようとしたら、私の知っているクリニックはみな6月いっぱいまですでに予約済み。7月の早い日時をと選んでいるうちに、どんどん予約不可のバツ印に変わっていく。
私と同じくらいの高齢者たちが、ちょうど今パソコンに向かっているらしい。どこか空いていないかと当たっていくと、1ヵ所だけガラガラのところが見つかったので、すぐ2回分の予約を入れた。これで私はぎりぎり6月中にファイザーのワクチンを2回打ち終わる予定だ。
しかしなぜ、このクリニックだけが空いているのか。ちょっと不安だが、ワクチンはどこでも同じなんだから大丈夫だろう。
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人類のグレートジャーニーの話を27日にやるので、氷河期のことを調べていた。
1万3千年前まで地球は氷河期だった。北極地方から氷床が南下し、いまの米国の五大湖周辺、英国やドイツあたりも氷に覆われていたという。
最も寒い時期には、氷床の暑さが3000mにもなり、地球上に液体の水が減少して海面が130mも低くなったとされる。日本列島は朝鮮半島やサハリン沿海州とつながっていた。人類の移動の経路を探るうえで大事な情報になる。
おさらいで、以前録画した科学番組「地球事変 氷河期」(2015年9月)を観た。
そこでは、地球に次の氷河期が迫っていると主張する研究者が3人登場した。みなその道の権威で、この認識はオーソドックスなもののようだ。
気候変動の振幅は、「ミランコビッチ・サイクル」(セルビアの地球物理学者が提唱した理論による周期変動)で寒冷期と温暖期が繰り返されると説明されてきた。近年さらに研究が進んで、過去100万年の間に8回の氷河期があり、10万年の氷河期の次に約1万年の温暖な間氷期、その次はまた10万年の氷河期という繰り返しのパターンがあったことがはっきりした。
いまは温暖な間氷期で、すでに1万3千年続いている。そろそろ氷河期に向かっても不思議ではないことになる。
「いまの問題は温暖化ではなく、氷河期が近づいていることだ」という主張をベースに温暖化による気候危機説に異を唱える研究者もいる。そのあたりどうなのか、とても関心がある。
番組に出た研究者のコメントはこうだ。
まず、「アイスコア研究所」のジェームス・ホワイト博士。この研究所ではグリーンランドの地下100mまで氷を採取し、100万年近い地球の気候を分析してきた。ホワイト博士によると、氷河期がいつくるのかは計算することができるという。
それは「地球の公転軌道によって、氷期の始まりと周期は決まっているからです。」
「次の氷期はいつか。実はすぐそこまで迫っているのです」。
ところが「温室効果ガスが予測を非常に難しくしています。その量があまりにも多すぎるため、いつ氷期に突入するか分からないのです」。
「いずれ氷期は必ずやってきます。地表の多くが氷に覆われ、穀物が育たないほど寒くなるでしょう。つまり暮らし方を根本から変えなくてはなりません。非常に困難なことなのですが、寒冷化は、何世紀もかけて進むので、その間に適応していけば良いのです。人類なら十分適応できると思います」。
と、最後は希望を与えるコメントだった。
温暖化は氷期への移行を見極めるさいの攪乱要素と考えられている。また、今進行中の温暖化はスピードが速すぎて、人類に「適応」の余裕を持たせない点、破壊的なダメージを人類に与える可能性がある。
氷河期と人類の関係について研究している人類学者、ブライアン・フェイガン氏は、温暖化が次の氷河期を急激に招く恐れを指摘する。
氏が注目するのは、大西洋の深層海流だ。
仕組みはこうだ。北極地方で海水が冷やされ凍結すると、凍った部分は周辺の海水に塩分を排出する。その塩分を引き受けた海水は比重が大きくなって沈み込み、より暖かくて軽い海水を南方から引き込む。この大きな循環によって、アフリカ北部や大西洋に面する欧州、米国東海岸の気候を穏やかにしてきたという。
温暖化で北極近くの氷が溶けると、この流れが止まる可能性がある。そうなると、米国、欧州が一気に寒冷化する恐れがあるというのだ。
では、どうするのか。
「過去を振り返ると、人類の適応力は非常に高いと分かります。全力を傾ければ、気候変動にも適応できるはずです。ただし、どれだけ本気になれるかが問われています。この問題は何よりも優先すべき課題です。戦争などしている暇はありません。人類の存亡がかかっているのです」。
急激な温暖化、それに続く氷河期。人類には課題が山積みだ。
戦争なんかしているヒマはない。