ウイグル人に対する異次元の人権弾圧

 サザンカの赤い花が目につく。
 いよいよ師走に入った。喪中ハガキが届く時期になる。先日、大学時代の先輩が亡くなったことを奥様からの知らせで知った。40年以上、お会いすることもなく、年賀状のやり取りだけだったのが残念だ。
 共通の友人に訃報を伝えたらこんな返事が。
「高瀬一誌の歌を思い出しました。
どうもどうもしばらくしばらくとくり返すうち死んでしまいぬ
お互いに会える機会を大切にしていきましょう。」
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 中国当局によるウイグル族への弾圧が、ここ2年ほどで、尋常でないレベルになってきたことが分かってきた。ウイグル族新疆ウイグル自治区に住むイスラム教徒の少数民族だ。
 以下、アムネスティ発表。
《国連人種差別撤廃委員会は8月23日、中国の民族差別に関わる最終見解を公表した。同委員会はその中で、中国では、新疆ウイグル自治区で中国系ウイグル人ら多数が拘束され、少数民族への組織的抑圧や人権侵害が際立っていると指摘した。具体例としては、次の点を挙げている。
 テロや過激な宗教活動への対抗措置という口実で、大勢のウイグル人を長期間、外部との接触を断って拘束している。その数は、報告によってばらつきがあるが、数万人から百万人におよぶと推測される。
 また、法律が定める「テロ」「過激主義」「分離主義」などの言葉の意味があいまいで、その適用範囲が広い。その結果、少数民族の人びと、特に、イスラム教徒であるウイグル人仏教徒であるチベット人の意見や宗教的見解が、取り締まりの対象となるおそれがある。さらにウイグルチベットの言語は使用が難しくなっており、チベット語に至っては、使用を提唱すると処罰されかねない。
 最終見解は、中国にこうした深刻な人権侵害への対応を求めている。直ちに次の手立てに着手すべきである。
 また国際社会は、中国政府が、少数民族、特に新疆ウイグル自治区チベット自治区少数民族とその文化を抑圧している問題を取り上げ、対応を求めるべきである。
 アムネスティ国際ニュース  2018年8月30日》https://www.amnesty.or.jp/news/2018/0905_7609.html

 中国当局は、チベット族だけでなくウイグル族に対してもエスニック・クレンジング(民族浄化)政策を採っている。その背景の一つには、中国当局が進める「一帯一路」があると言われる。新疆ウイグル自治区は、インド、パキスタンアフガニスタンタジキスタンキルギスカザフスタンロシア連邦モンゴル国の8カ国と国境を接し要衝に位置する。
 ウイグル問題に詳しい中央大学講師の水谷尚子さんはこう指摘する。
 「今、中国は一帯一路政策を押し進めていますので、あの地域というのは、主体民族はずっとウイグル人だったわけで、経済などの基盤などもウイグル人が中心となっていたわけですが、恐らく、中国の主体民族である漢民族の社会に乗り換えようという試みではないかと、私は見ております。」「ここまでひどい人権弾圧は21世紀に入ってまだ類例を見ないものの1つだと思います。」「まさかここまでのことをしているとは国際的にも、あと裏がなかなか取れない話であったということもあって、人権団体も初めは、にわかに信じられなかった」。
https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2018/07/0719.html

 新聞の外信面でもほとんど取り上げられずにきたが、このところNHKBSの「国際報道」や一部の新聞で報じられるようになった。より多くの報道を期待する。
http://www6.nhk.or.jp/kokusaihoudou/bs22/index.html
https://mainichi.jp/articles/20181124/k00/00m/030/128000c

 ウイグル問題についてはまたあらためて書こう。