実習生の失踪理由は7割が「最低賃金割れ」

 再度、放送案内です。

 明日よる11時、『独占公開!赤塚不二夫生前葬」秘蔵映像』がTBS NEWS(CS放送)で放送されます。
 19 年前(1999 年)に行われた赤塚不二夫さんの「生前葬」映像が存在した。「弔問客」は立川談志さん・川内康範さん・野坂昭如さん。名だたる”昭和・平成の巨人”たちが赤筭さんの「幽霊」と縦横無尽に語り尽くす世相・酒・終戦、そして生と死。爆笑&しんみりの大放談映像。
 再放送は12月12日、19日、26日の毎週水曜のよる11時から。
 この動画は、ジン・ネットのディレクターのIさんが、特別に許されて赤塚さんの生前葬をビデオ撮影したもの。ある事情でお蔵入りとなり、公開されないままになっていた、まさに秘蔵映像なのだ。ネットでも2月まで公開されます。ご覧ください。
・・・・・・・・・・・・・・
 政府が強引に国会通過を狙う入管法改正。しかし、議論の材料となる資料に大きなウソが見つかった。
 衆参法務委員会の野党委員が、失踪した外国人技能実習生2870人に対する昨年の法務省調査の元資料である聴取票を分析した結果、67・6%の1939人が最低賃金割れだったことが分かったのだ。法務省は複数回答の結果、失踪の理由として「最低賃金以下」を0・8%、22人としており、ほとんどデータの捏造と言ってもいいほどだ。
 4日の参院法務委員会で、立憲民主党有田芳生氏がこれを追及。《出入国管理法(入管法)改正案で新設される在留資格「特定技能1号」の約半数を技能実習生からの移行が占めることから、有田氏は「技能実習制度の総括なしに、新しい制度はない」と主張した。山下氏は「野党議員による分析結果を重く受け止めなければならない」と述べた一方で、「反面調査(裏付け)をしなければならない」と主張し、法務省内のPTで実習生の受け入れ先の賃金支払いに違法性がなかったか調査する考えを示した。》
 技能実習生、留学生も今回の入管法改正も、低賃金労働力を確保する、さらに言えば、日本に「2級市民」を作る目的に貫かれている。しかも、セクハラ、暴力、いじめなどの不適正な扱いも失踪理由の7割(複数回答)ある。日本人がやりたくない仕事を、日本人が嫌がる低賃金で、理不尽な扱いにも文句を言わずにやる。そういう「2級市民」をかなりの規模で形成するつもりなのだろう。結果として、彼らの人権が尊重されない上に、日本人の賃金も低く抑えられるだろう。
 政府は、「人手不足」という理由づけで外国人労働者の受け入れ拡大を正当化しているが、足元を見ると、いわゆるロスジェネと呼ばれる就職氷河期世代の問題にはほとんど取り組んでいない。正規の就職ができず、結婚もままならずに年齢を重ねていくことが、個々人の人生だけでなく、社会に大きなダメージを与える。「彼らは近年、長きに渡って状況が改善しないことに絶望し、あきらめの境地に入りつつある」そうだ。
http://news.livedoor.com/article/detail/15648789/
 日経新聞の記事でも―「厚労省によると、35〜44歳では仕事も求職活動もしていない無業者も17年時点で41万人と高止まりしている。このまま高齢化すれば、年金が少なくなり生活保護を受ける人が増える恐れがある」と書く。(日経2018/11/6)
 障害者もロスジェネも就職でき、労働者の暮らしがよくなることをまず第一に据え、留学生と実習生を安い労働力扱いする今の制度をいったん廃止し、外国人のまともな受け入れ態勢をつくることから作業を始めるべきだと思う。
・・・・・・・・・・・・
 きょう11時、東京地裁に裁判の傍聴に行く。トルコ国籍のクルド人の男性、アリ・アイユルドゥズさん(43歳)に在留特別許可が認められない処分への取り消しを求める裁判。つまり、彼を合法的に日本に滞在できるようにせよというものだ。

 1993年、アリさんは難民としての庇護を求めて来日した。18歳の若さだった。トルコではクルド人の一部が独立、自治を求めて武装闘争を行っており、政府軍はクルド人コミュニティを厳しく抑圧している。アリさんは同族に銃を向けたくないと徴兵を拒否したのだった。トルコに帰ったら迫害されることは確実だ。
 アリさんは難民として認めてほしいという点と日本に生活基盤を築いていることを考慮してほしいと訴える。25年も日本に暮らし、日本人の奥さんもいて、この国に根を下ろしているのに、在留資格を与えないことは人道上もおかしいのでは、というのだ。よく理解できる。
 入管法の問題にも共通しているのだが、外国人をモノではなく、一人の血の通った人間として見るという当たり前のことが、「先進国」といわれるこの国でどうして通用しないのか、とても歯がゆい。