毎日がモグラ叩きを見るような

 きのうは晴れたので、いつも散歩する「お鷹の道」へ。何軒かの農家が売店を開いていて、タケノコとノラボウを買う。ノラボウとは「東京都西多摩地方(あきる野市青梅市等)及び埼玉県飯能市比企郡小川町付近で多く栽培されるアブラナ科アブラナ属の野菜」(Wiki)で、江戸時代から植えられるようになったという。このお浸しが好きだ。山形の田舎では菜の花をクキタチと呼んでいたのを思い出す。
 農家の庭の八重桜が見事な花をつけていて、みな足を止め上を仰いでしばらく見とれていた。
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 月は卯月、節気は清明。万物が清らかでいきいきした様子を表す「清浄名潔」(せいじょうめいけつ)という言葉を訳した晩春を表す季語だという。とはいえ、今年の春は急に夏日になったり、震えるほど寒くなったりと驚かされ、惜春の風情はあまり感じない。さっき、岐阜県郡上八幡の仲間とオンラインで会議をしたのだが、きょうの入学式の風景が珍しかったという。桜が早くに散ってしまった一方で、きのう季節外れの大雪が降って雪中の白い入学式になったとか。「こんなの初めて」だそうだ。
 さて、候だが、5日からが初候の「玄鳥至」(つばめ、きたる)。10日からが次候の「鴻雁北」(こうがん、かえる)。末候は15日からで「虹始見」(にじ、はじめてあらわる)だ。南からツバメがやってきて、雁がシベリアへと帰っていく。人も別れと出会いのときだ。
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 森友学園加計学園自衛隊の日報と、次から次に「ウソ」がばれてきた。
 毎日がモグラ叩きを見るような (朝日川柳7日より 東京都 安達雅夫)
 一見モグラ叩きに見えるが、実はモグラ=官僚をいくら叩いても核心には迫れない。問題は何のためにこういう「ウソ」をついてきたのかだ。官僚が勝手にやったはずがないではないか

 森友学園問題では、きょう財務省理財局長の太田充氏が、昨年2月に理財局員が学園の弁護士に電話して、地中のごみの撤去について「トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」と虚偽の説明をするよう求めていたことを認めた。
 この虚偽の口裏合わせは、NHKが4日に報じたスクープだった。
森友学園に国有地がごみの撤去費用などとして8億円余り値引きされて売却された問題で、去年2月、財務省が学園側に口裏合わせを求めていた疑いが出てきました。当時、国会で財務省は野党側から「実際に大量のごみの撤去を確認したのか」などと追及されていましたが、そのさなか財務省の職員が学園側に対し「トラックを何千台も使ってごみを撤去したと言ってほしい」などと、うその説明をするよう求めていたことが関係者への取材でわかりました。大阪地検特捜部はこうしたやり取りを把握していて詳しい経緯を捜査しています。》
 きょうの太田局長の答弁ば、この報道を財務局が糊塗できないとして、全面的に認めたかっこう。その一方で、NHK報道局では政権に不利な報道をしないよう現場に圧力をかけていたことが国会で暴露されている。
 3月29日の参院総務委員会で、共産党山下芳生議員が「NHK関係者からの内部告発と思われる文書が届きました」と切り出し、その内部告発を読み上げた。
「『ニュース7』『ニュースウオッチ9』『おはよう日本』などのニュース番組の編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を細かく指示している」
「トップニュースで伝えるな」
「トップでも仕方がないが、放送尺は3分半以内」
「昭恵さんの映像は使うな」
「前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるな」
 ニュースの項目選択、出す順番、長さ、伝え方、表現など細かく指示していたというのだ。
 先日、NHKのOBと会う機会があったが、彼によると、NHK内部でいま激しいせめぎ合いが進行中だという。メディアの動向は、今の政局に決定的な影響を与える。注視したい。