めぐみさん明後日51歳に

takase222015-10-03

きょうは、昼前に家を出て川崎市平和館へ。
2時から拉致被害者家族を支援するかわさき市民のつどい」があり、山谷えり子拉致問題担当大臣も来て挨拶し、テレビ、新聞がたくさん取材に入った。
私は横田さん夫妻と1時間対談する役目だった。
これといって好材料がない時期のこういう役目はつらい。
それでも、めぐみさんの思い出話でちょっと盛り上がった。滋さんが、めぐみさんと宝塚にベルバラを一緒に観にいったことを語るときの嬉しそうな笑顔が印象的だった。

滋さんが82歳、早紀江さんが79歳。
私が元北朝鮮工作員からめぐみさん目撃証言を得て、横田さんのお宅を訪ねてから18年になる。
二人はこの間、期待しては奈落の底へ、を繰り返してきた。
2002年の小泉訪朝で「きっと帰ってくる」と思っていたら、北朝鮮からの「死亡」通知で裏切られ、去年7月には拉致の「再調査」開始で「これが最後のチャンス」と希望を託すも、いまだ進展がない。
期待していただけに今が一番しんどいと早紀江さんは言う。
なんという数奇な人生だろうか。

あさって、10月5日は、めぐみさんの誕生日。東京オリンピックのあった1964年生まれだから51歳になる。
13歳で拉致されて、51歳か・・・・
いつになったら解決するんでしょうね、と早紀江さんに聞かれるたびに確たる答えをいえずに悲しくなる。

北朝鮮が、めぐみさんを出したくない理由は、おそらく田口八重子さんの場合と同じだ。
大韓航空機事件の犯人、金賢姫(当時の工作員名、オッカ)はリウネ(李恩恵)と呼ばれた田口八重子さんに同じ招待所で寝泊りしながら日本人化教育を受けた。日本語から日本の若い女性の立ち居振る舞い、化粧の仕方から流行り歌まで教わり、「蜂谷真由美」という名の日本人の偽造旅券を使って海外を移動していた。
金賢姫にはスッキという工作員名のライバルがいた。
二人はエリート工作員として、一緒にマカオに中国語研修にも派遣されたりしている。
このスッキの日本人化教育を担当させられたのが、めぐみさんだった。
オッカ(金賢姫)とスッキは競い合いながら訓練を受けていたが、結局、大韓航空機爆破の任務を与えられたのは金賢姫だった。彼女は、選ばれたことを非常に名誉なことだとよろこんだそうだ。
拉致の残酷さは、単に自分が拉致されて人生の希望を否定されることだけではなく、自分が決して望まないテロにまで協力させられることだ。

北朝鮮指導部としては、秘密工作の深部を知った田口八重子さん、横田めぐみさんは出したくないだろう。
去年、ソウルで会った金賢姫も同じ考えだった。
しかし、難しくとも、そこを何とか突き崩さなければならないのだ。

この集いはNHK、民放ともニュースで流したが、yahooニュースでは以下に掲載された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151004-00004198-kana-l14