北朝鮮は粛清が常態化する体制

takase222015-05-17

大阪の住民投票は大接戦ではらはらさせられた。
開票82%段階でまだ賛成が多かったが、反対が多数になることが明らかになったとテレビで報じている。
独裁者、橋下さんは政治から退場してほしい。
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北朝鮮でまた、金正恩の側近と見られた大幹部が粛清されたもようだ。
北朝鮮金正恩第1書記の側近の一人、玄永哲(ヒョンヨンチョル)人民武力相(66)が「反逆罪」で粛清されたと、韓国の情報機関、国家情報院が13日、明らかにした。正恩氏の意向に逆らえば、最高幹部でも粛清を免れないことを改めて示し、「恐怖政治」で体制を固める狙いがあるとみられる。
 玄氏は軍総参謀長などを経て昨年6月、人民武力相に就任。正恩氏が各地で行う現地指導に頻繁に同行していた。軍では最高司令官の正恩氏、軍総政治局長の黄炳瑞(ファンビョンソ)氏に次ぐ地位とされる。最近、北朝鮮と関係を深めているロシアも訪れ、昨年11月にはプーチン大統領、今年4月にはショイグ国防相とそれぞれ会談。その時点では正恩氏の信頼を得ていたとみられる。(略)

正恩氏が最高指導者に就いてから、幹部らの粛清や解任が相次いでいる。義理の叔父で「後見人」とされた張成沢氏は処刑され、軍総参謀長だった李英鎬(リヨンホ)氏や人民武力相だった金正覚(キムジョンガク)氏は解任・左遷された。
 韓国の国家情報院によると、幹部の処刑は12年は3人、13年が約30人、14年が31人。今年はすでに8人になるという。政権発足から4年間で10人余りを処刑したとされる父親の故金正日総書記の時代に比べても、多いという。》(朝日新聞

 こういう幹部粛清があると、体制が不安定化しているのでは、という解説が出てくるが、全体主義とはそもそも粛清を常態化する体制である
 軍のトップをどんどん殺したら軍の士気、力量を損じてしまうし、経済幹部を粛清すれば経済運営に困難が出るから「得にならない」と我々は思うのだが、あの体制ではその常識が通らない。
 思い出したのは、ハナ・アーレントの『全体主義の起源』の記述である。
 《単に合目的的な観点のみから考えたとすれば、ロシアは国の経済力回復を数十年も遅らせたとも思われる30年代のあの粛清をも、同じく巨大なロシアを対フィンランド戦争でほとんど敗北にまでいたらしめた赤軍参謀本部の粛清をもおこなえなかったろう。》(3巻P176)
 ポルポト派が、ベトナムと戦闘中、前線で戦う部隊の大隊長クラスを粛清していたが、これも戦闘遂行上はまったく非合理的である。
 金正恩は損得をわきまえており、合理的な判断を下すはずだという一部の専門家の描く指導者像は幻にすぎない。日本は、今後の交渉をみすえて、北朝鮮のこうした行動様式をよく研究しておかなければならない。