今年も朝鮮学校の生徒たちが平壌に送られ、「迎春公演」を行った。
以下は2012年の「迎春公演」の動画。
日本の朝鮮学校の少年少女が、身もだえし今にも泣きそうになりながら「金正恩先生だけをかたく信じ従います」と叫ぶ姿は見るも痛々しい。
http://www.youtube.com/watch?v=0lZJFwkEXKc&noredirect=1
今年、張成沢とその関係者の粛清が続く状況のなかでも、例年どおりにこの行事は行われた。
《朝総連は昨年12月31日、平壌の万景台学生少年宮殿で行われた「学生少年たちの迎春公演」に在日朝鮮学生少年芸術団121人を派遣した。学生たちは平壌で長期合宿訓練を経て公演に参加した。また、1月10日には、許宗萬をはじめ全国の幹部活動家たちが朝鮮会館で金正恩の新年辞貫徹を誓う決起大会を開いた。張成澤処刑後、北の全域で吹きまくる血の粛清の嵐の中でのことだ。
朝総連機関紙の朝鮮新報によれば、「在日朝鮮学生少年芸術団」は、大阪朝鮮高級学校の金充善校長を団長に、東京、大阪、京都、北海道などの朝鮮学校に通う初級部5年生から高級部2年生までの生徒121人と教員7人で構成され、昨年12月5日平壌入りした。
生徒たちは20日間以上の準備を経て出演し、金正恩を讃える公演の「9月の章」を演じた。第161次在日同胞祖国訪問団として平壌を訪問(12月28日から1月6日)中の朝総連中央教育局長の宋根学や学生の親たち26人も公演を観覧したと伝えられた。》
これは在日韓国人を主な読者とする『統一日報』(統一教会の新聞とは別)の記事である。
記事の最後はこう締めくくられている。
《朝総連は虐殺者の手下、韓民族の恥だ。在日の親たちは、もう終わりが見える暴圧体制と心中する朝総連に子どもを預けるべきではない》
http://news.onekoreanews.net/detail.php?number=74509&thread=04
これについて、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の三浦小太郎さんはこうコメントしている。
《朝鮮学校に対し無償化を求めたいのなら、また、地方自治体の支援を求めるのなら、このような行為が全く逆効果しかもたらさないことを、朝鮮学校の先生たちも総連も、もはやわかっていると思います。このような行為は民族教育でもなんでもなく、帰国者を弾圧しスパイとして収容所に送り込んでいった金独裁政権への従属にほかなりません。
朝鮮総連からなぜ在日コリアンが次々と離脱していったか、それは何よりも、北朝鮮で起きている飢餓や抑圧を無視し、拉致を無かったものと強弁し、何よりも帰国者の立場ではなく彼らを殺し続けている独裁政権の側に総連は立ち続けてきたからです。だからこそ、朝鮮学校の入学者は激減しているのではないですか。一部には「総連や北朝鮮と子供たちとは無関係」と言う識者の名方々がいらっしゃいますが、在日コリアン自体が総連やこの学校から離れつつある状況を観れば、すくなくともそのような言説はなりたたないはずです。
そのような状況下で、日本を含む他国の罪なき人々を拉致し、国際テロを行った金正日、その政権を引きつぎ同じ独裁体制と粛清を続けている金正恩をたたえる歌を歌いにピョンヤンに子供たちを送り込むことを続けるのならば「子どもたちの人権」を傷つけ、「差別を助長」しているのは、今や差別主義者以上に総連の側にあるのではないでしょうか。》
http://hrnk.trycomp.net/news.php?eid=01063
賛成。
各地で増えている朝鮮学校への公的支援打ち切りの動きに対して、メディアでは「子どもたちに罪はない」あるいは「教育に政治を持ち込むな」、「民族教育の権利を守れ」などと反対する意見が強いが、朝鮮学校は「普通の学校」ではない。
北朝鮮−朝鮮総連−朝鮮学校と一つながりの運営体制のなかで、はじめの映像にあるような教育がなされているのだ。
「子どもたちに罪はない」というなら、こうした学校の存続自体が許されないのではないか。
念のため、私は朝鮮人に対するヘイトスピーチには強く反対する立場である。