「専守防衛」は弱い防衛力を意味しない

takase222015-05-16

中国が南沙諸島で軍用滑走路の建設を本格化している。
《シアー米国防次官補(アジア・太平洋担当)は13日、上院外交委員会の公聴会で、中国が南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島の岩礁で進める埋め立てに関連し、永暑(同ファイアリクロス)礁では2017〜18年に滑走路が完成するとの見通しを明らかにした。
 シアー氏は「滑走路は空母艦載機の緊急避難にも活用でき、航空作戦能力の向上につながる」と指摘。埋め立てにより大型艦船の寄港、遠距離レーダーや弾道ミサイルシステムの配備も可能になると述べ、南シナ海での中国の軍事力向上に強い警戒感を示した。
 中国による南沙諸島の埋め立てをめぐっては、米国防総省が八日、昨年末から半年足らずの短期間で四倍の規模に拡大したことを明らかにしたばかり。
 さらに、米CNNなどによると、南沙諸島付近の海域を偵察していた米海軍の沿岸海域戦闘艦「フォートワース」は、中国海軍のフリゲート艦に追尾されただけでなく、中国海警局の公船四隻に並走されたという。
 米国は中国の強硬姿勢に危機感を抱いており、シアー氏は「(領有権を主張する)南シナ海周辺国が埋め立てに対抗して、前線基地の軍事力を増強させれば、見込み違いの衝突が起きる危険性が増す」と警告。南シナ海の海洋安全保障を強化するため、日本やオーストラリアとの連携を進める、と表明した。》(東京新聞15日朝刊)

このブログで何度か指摘してきたが、中国は、彼我の力関係を測って大丈夫と見れば一気に力づくで島を獲ってしまう。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20140508
偶発的な行動ではなく、戦略的にやっているのだが、これは尖閣でも全く同じだ。
今は公船や漁船を侵入させて、日本側の意思と力量を測っているところだろう。2012年以降は、公船の領海侵犯を常態化させ、危機は深まっている。
http://www.kaiho.mlit.go.jp/senkaku/
私は集団的自衛権の行使には反対だが、防衛力を強化することは重要だと考えている。
専守防衛」というと、えてして防衛力が弱くてよいという意味にとられがちだ。
「この国に手を出したらえらいことになる」と相手国に思わせるだけの「力」と意思を保持することが、最終的な抑止力である。非武装が平和につながるのではない。
一方、アメリカは、「南シナ海の海洋安全保障を強化」するために、日本はもっと大きな役割を果たせと言ってきているが、これには日本は踏み込まず、「専守防衛」に徹すればよい。
安倍政権の暴走を批判することと、しっかりした防衛力の構築はまた別に考えるべき問題である。
・・・・・・・
きのう、名古屋の南医療生協の成瀬理事が、愛知用水建設における「協同」の精神を高く評価していると書いた。
2月はじめに南生協病院を訪れたとき、ロビーの一画に、大きなタペストリーがかかっているのに気付いた。愛知用水概要圖」とあり、愛知用水の地図が描かれてある。(写真)
それを前にして、成瀬さんがこの地方における歴史と伝統を滔々と語ってくれたのだった。

一昨日の夕食のとき、成瀬さんが、あの「愛知用水概要圖」は名古屋市緑区の有松絞りの「竹田嘉兵衛商店」に作ってもらったと教えてくれた。
日本の絞り技法は、世界でも群を抜き、“SHIBORI”と英語になっているほどだが、日本の絞りの生産量のほとんどは有松絞りが占める。つまりは、日本の絞りの代表格なのである。
実は、有松絞りについては、つい先週、カンボジアで森本さんに講義を受けたところだった。
森本さんによると、カンボジアの絞りの技法と日本のそれとはつながっているという。
(つづく)