張成沢が失脚か

takase222013-12-04

TBSの前にスケートリンクができていた。
季節をはやどりしているのだろうが、本格的な冬に入っていくのか。
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金正恩第1書記の叔父、張成沢チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が失脚したらしいというニュースが流れた。韓国国家情報院(NIS)の情報だ。
張成沢は国防委員会副委員長と労働党部長ポストを解任され、側近2人(李龍河・行政院第1部長と張秀吉・副部長)が処刑されたという。まだ未確認情報だが、事実だとすれば;
張成沢は、金正日の妹、金慶喜キム・ギョンヒ)の夫で、これまで、ヨチヨチ歩きの若き権力者、金正恩の後見役とされてきた。いわば、政権のツッカイ棒のような存在とみなされてきたから、この情報の衝撃は大きい。
処刑された部下の不始末の責任を取らされた、金正恩の権力固めの過程で目の上のタンコブとして取り払われた、もう1人の側近、崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長との権力争いに負けた・・・さまざまな解釈が流れている。
多くの解説者は、北朝鮮を「普通の独裁国」と見ている。
だから、金正恩は党官僚と軍部の均衡の上に乗っているとか、権力基盤を固めるために軍部の力をかりなければならないとか、まるで金正恩がまだ権力を掌握していないかのような報道がなされてきた。
また、これまでの幹部の首のすげ替えも、権力闘争の結果だとして、金正恩の意思の外で起きたかのような解釈がなされてきた。
この日記では、そうじゃないよと何度も書いてきた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20090516
金正恩は、自分の一存で、どんなに高位の幹部の運命を左右できる。今回の失脚劇ではっきりしたと思う。さらに、彼の一存で、ある地方が餓死に見舞われることもあるのだ。
ところが、こんなことを書く記事もある。
《専門家は、金正恩第1書記の承認なしでは張氏の失脚はあり得ないと指摘しており、張氏の解任により、第1書記がより若い側近を従え、自身の権力基盤を固める可能性がある。》(ロイター)
誰かが「金正恩第1書記の承認」を取ったのではなく、金正恩その人が決めたのである。
金正日時代にも、張成沢は何度か失脚して冷や飯を食わされている。
もっというと、改革派VS強硬派などという構図も「普通の独裁」ならあるが、北朝鮮ではありえないと思う。改革開放を願い、正しいと思う個々の幹部はいる。しかし、「改革派」という権力内政治集団はない。
張成沢失脚の背景は、もう少したてば出てくるだろうが、いくらNO2とはいえ彼の失脚が原因ですぐに権力の動揺が出てくることはないだろう。

むしろ、きのう流れたニュースとしては「プーチン大統領北朝鮮制裁法案に署名」というニュースが興味深かった。
《国連安全保障理事会北朝鮮制裁に向けて採択した第2094号決議について、ロシアのプーチン大統領はロシア国内でこの制裁を履行する法案に署名した。RIAノーボスチ通信が2日に伝えた。2094号決議は北朝鮮による3回目の核実験を受けて採択されたものだ。
 同通信の報道によると、この法案はロシアの国民や政府機関、企業などに対し、北朝鮮の核やミサイル開発と関係する物品の取引を禁じるものだ。具体的にはこれらを運搬する北朝鮮航空機によるロシア領空の通過や、ロシア国内の空港への離着陸などを禁じている。制裁対象となった北朝鮮の銀行はロシア国内では営業することができない。
 今回の制裁内容は、今年3月に採択された国連安保理決議2094号に基づいて取りまとめられたという。》
中国とロシアが、現在のような北朝鮮をのぞまくなる日は来るのか