つらいニュース。また、拉致被害者の親族が亡くなった。
市川修一さん=失踪当時(23)=の父、市川平(いちかわ・たいら)さんが、4日、亡くなったのだ。99歳で、政府認定の拉致被害者家族の中では最高齢だった。母親のトミさんは6年前、91歳で亡くなっている。
市川修一さんは、交際していた増元るみ子さん=失踪当時(24)=と一緒に、1978年8月12日に鹿児島県の吹上浜(日置市)から拉致された。北朝鮮は、市川さんは海水浴中に心臓麻痺で死亡し、お墓は大水で流されて遺骨はないと説明している。
きのう行われた告別式で、《市川さんの兄、健一さん(69)は「父はひたすらわが子の帰りを待ち続けた。残念で、無念で、悔しくてならない」と声を震わせながらあいさつ。「お父さん、頑張ったね。必ず良い知らせをします。見守ってください」と語り掛けた。》
(産経新聞)
今年1月には、松木薫さんのお母さんのスナヨさんが亡くなっている。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20140115
あらためて拉致という犯罪のむごさを思う。拉致された本人も家族も歳をとっていく。生きている間に家族に会えるよう、一日も早い解決を祈りたい。
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佐世保の同級生殺人事件つづき。
生まれついての資質、幼少期のトラウマとか母の死と父の再婚、学校や家庭の環境などを「原因」としてあげる報道がある。
原因論をとると「いじめが原因で自殺した」と同じで、決定論(なるべくしてなった、しかたがなかった)になる。
例えば、母親を早くに亡くし父親が再婚した子どもたちはたくさんいて、彼らは犯罪を犯していない。問題は内面にある。
しかし、そこは「心の闇」とされ、その少女は我々には理解できない別世界の「モンスター」として扱われることになる。
子どもによる殺人としては、1997年神戸で起きた、14歳の中学生による「酒鬼薔薇事件」が衝撃的だったが、これ以外にも、猟奇的な事件は何件もある。
05年、静岡県の進学校の高1女子生徒が、母親に毒物(タリウムなど)を与え殺害しようとした疑いで逮捕された。ネット上のブログで犯行の経緯を日記風に記録していた。母親との間に特別な確執はなかったという。
07年、福島県会津若松市内の進学校の高3男子生徒が、母親を殺害したと、切断した母親の頭部をバックに入れて自首してきた。遺体切断に使ったのこぎりを事前に購入し、「殺すのは誰でも良かった」と供述。母親に対する特別な恨みなどはないと語る。
10年ほど前、長崎県では、長崎市と佐世保市で子どもによる殺人事件が起きている。
03年、長崎市内の家電量販店に家族で買い物に来た4歳の男児を、中1男子(12歳)が連れ去り殺害する事件があった。男子生徒は、男児をビルの屋上で全裸にして乱暴したあと20m下の道路に投げ落として殺している。男子生徒は成績はトップクラスだった。(長崎男児誘拐殺人事件)
04、佐世保市の市立小学校で、6年生の女子児童が同級生の女児を呼び出し、首や手をカッターナイフで切り付けて殺害した。首の傷は深さ10センチにも及んだ。二人は仲良しでよく一緒に遊んでいた。殺害した女児は、「遅刻も少なく、授業中も率先して手をあげて質問する積極的な生徒」(担任教師)だったという。(佐世保小6女児殺害事件)
これらの事件のあと、長崎県では、命を大切にする教育に力を入れてきたという。
その一方で、加害生徒らは「病気」(アスペルガー症候群、自閉症など)として扱われている。事件を起こすのが、普通の子どもではなく、「病気」の子だとすれば、「教育」では防げないはずなのだが・・・
(つづく)