きのうよく晴れたと思ったら、昼過ぎ、西の方からにわかに空が暗くなった。
写真の手前では陽が照っているのに、向こうの空がみるみる黒くなっていく。曇っていく勢いがあまりにすごいので、空を見上げる人も多かった。
その後30分もしないうちに土砂降りになり、しばらくして上がった。
こういう雨は好きで気持ちがうきうきする。タイのスコールを思い出すのだ。
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さて、集団的自衛権の問題を国民はどう考えているのか。
憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認についての世論調査を見ると、
賛成か反対かの二択では反対が多い。
共同通信 賛成39.0% 反対48.1%
毎日新聞 賛成39% 反対54%
日経・テレビ東京 賛成28% 反対51%
朝日新聞 賛成29% 反対55%
これは15日の首相会見の後の調査だが、会見前とほとんど変わらない。あれだけのパフォーマンスをしても世論を大きく変えることはできていない。
しかし、これを2択の問いではなく、「必要最小限」とか「限定的」などの形容詞を入れた質問にすると、結果はだいぶ違ってくる。
毎日新聞 全面的に認めるべき 12%
限定的に認めるべき 44%
認めるべきでない 38%
産経・FNN 全面的に使えるようにすべき 7.3%
必要最小限度で使えるようにすべき 64.1%
使えるようにする必要はない 25.5%
読売新聞 全面的に使えるようにすべき 8%
必要最小限の範囲で使えるようにすべき 63%
使えるようにする必要はない 25%
(『世界』7月号のP87より引用)
これらは首相会見の前の数字だが、「必要最小限」という言葉でどっと「賛成」が増えていることがうかがえる。ちょっと危ないかな、と思う人も、「必要最小限ならどうですか」と聞かれると条件付き賛成に回るのだろう。
産経と読売は社論が「賛成」のメディアで、賛成が多めに出ることを考慮すると、条件付きでもダメというコアな反対意見は国民の3割くらいか。
ただし、集団的自衛権行使を憲法の解釈変更でやってよいかと手段・方法の正当性を聞くと、同じ「賛成」の人でも割れてくる。
時事通信が首相会見直前に行った調査で、賛成は37.0%(反対50.1%)だったが、「賛成」の人のうち「憲法解釈変更で認めてよい」50.8%、「解釈変更ではなく憲法改正すべき」45.3%となっている。
つまり、解釈変更で行使容認という人は2割もいない。ここが賛成派の弱みとなる。
世論調査からみると、民意をめぐる政治的な闘いはこうなる。
賛成派が狙うのは「必要最小限」など条件付きをアピールして反対派からの鞍替えをはかることだ。
実際に、いま安倍首相は、こうした「条件」を提示しながら世論と公明党を取り込もうとしているように見える。
反対派としては、こんな大事なことを「憲法解釈の変更でやっていいのか」という論点を前面に打ち出して賛成派を切り崩すのが最も効果的だろう。
今週のNHKの世論調査では、
《日本が集団的自衛権を行使できるようにすべきだと思うかどうかについては、▽「行使できるようにすべきだ」と「行使できるようにすべきでない」がそれぞれ26%で、▽「どちらともいえない」が41%でした。》(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140609/k10015090551000.html)
「どちらともいえない」が最多で4割というのは、この問題についてまだ多くの人が中身を知らず判断をしかねているからだ。