領有権では譲らない中国

takase222014-05-08

真っ青な空、山法師の葉に陽が透けて美しい。初夏の日差しだ。
日の経つのがはやいのは、月の満ち欠けで実感する。ついこの間新月だったのに、きょうはもう上弦の月
このところ、大きめのトラブルもありかなり「困難な」局面に入っている。なるべく自然と交感してエネルギーを高めておこう。
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中国に関して物騒なニュースが相次ぐ。
まず領土紛争では、フィリピンが南沙諸島パラワン島沖で海亀を獲っていた中国漁船を拿捕。いま中国が強烈な脅しをかけている。
フィリピンから米軍がいなくなると、95年、中国はフィリピンがコントロール下に置いていたミスチーフ礁に建造物をつくって占拠。2年前には、中国は中沙諸島スカボロー礁を一気に奪ってしまい、去年からコンクリートブロックを置いて実効支配の態勢に入っている。
ベトナム沖では、船の衝突事件で負傷者も出た。
ベトナム政府は7日、記者会見を開き、南シナ海西沙諸島(英語名パラセル)近海で「中国が石油の掘削活動に着手し、周辺に約80隻の中国公船などが集まってベトナムの巡視船などに衝突や放水砲で攻撃を繰り返している」と発表した。衝突で6人が負傷したと主張。映像なども公開し「深刻な主権侵害だ」と訴えた。
 現場はベトナム中部沖約221キロ。中国は3日、「2日から8月15日まで掘削を行う」と通告し、機材を運び込んでいた。ベトナム政府は「完全にベトナム排他的経済水域EEZ)と大陸棚に属する」と猛抗議。アジア重視を掲げる米国にも危機感が広がっている》(朝日新聞
ベトナムが公開した映像には、中国の海警局と書かれた公船がベトナム海上警察の船に体当たりするさまが生々しく映っていた。
中国が領有権に関して「核心的利益」とした場合は、チャンスとみたら本気で「獲り」に行く。フィリピンやベトナムで起きていることは、尖閣でも十分に起こりうる。
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130209
今中国が強硬に出ている要因については、国内の権力闘争などいろんな見方があるが、ウクライナ情勢が関係しているという見方もある。領土は「獲ったもの勝ち」という露骨な実例が示されたことに刺激されたというか便乗したというのだ。

一方、中国国内ではテロ事件に続いて、政府を批判するジャーナリストや弁護士が行方不明になったり拘束されたりし、ヒューマンライツウォッチなど人権団体が抗議している。
《5月3日に浦志強弁護士ら10数人の活動家が天安門事件に関する小さな研究会に出席。その後4日夜遅くに浦弁護士は自宅から北京警察によって連行された。(略)
浦氏は騒動挑発罪で拘留処分となり、北京市第一看守所に拘束されている。仲間の活動家によると、会合出席者のうち大学教授の徐友漁氏と郝建氏、民主活動家の胡石根氏と劉荻氏の4人がこの容疑で拘禁されている。
浦弁護士は中国有数の人権弁護士で、1989年の民主化運動ではハンガーストライキに参加した学生活動家だった。以後同氏は警察の頻繁な尋問の対象となってきた。2010年のノーベル平和賞受賞者が劉暁波氏に決定した際、マスコミの取材を受けたことで警察に連行されている。
著名なジャーナリストの高瑜氏は70歳代。2014年4月24日から行方不明となっており、当局の拘禁下にあることが懸念されている。》http://www.hrw.org/ja/news/2014/05/06-1
6月4日は天安門事件25周年だ。この日が近づけば、さらに弾圧が激しくなるだろう。
ウイグルチベットあたりの状況も要注意だ。