島の取り方にみる中国の手法3

takase222013-02-11

きのう、東京・青山の「ウィメンズプラザ」で、「われは海の子フォーラム」があり、撮影に行った。
このブログでも何度か紹介した「ウーマンズフォーラム魚」が、「国境の島を学ぼう!」というテーマで、東京の小学生を対象に、北方領土沖ノ鳥島与那国島対馬についての特別授業を行い、授業を受けたこどもたちのなかから22名のこども記者を選抜し、現地へ派遣。きのうはその報告会だった。(写真)
http://www.wff.gr.jp/conte.html
日本は世界6番目に広い海をもつ海洋国で、島が国境になるのだが、あまり意識してこなかった。今回の授業で、隣の国と仲良くしながら海の生態系を守っていきたいという思いを強くした・・という報告が相次いだ。報告に感心した。
島の人々と触れ合い、あらためて日本という国を考える素晴らしい経験になったようだ。
日本には、「国境」など意識しないほうがよいという空気があり、小学校でも触れることは少ないが、国境を学ぶことは隣国とのこれからの関係を考える上でも不可欠だと思う。
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フィリピンが南沙諸島の領有権問題を国際裁判所に訴えた。
持ち込んだのは仲裁裁判所というところだった。
《164カ国が批准する国連海洋法条約は、紛争解決の手段として、(1)国際海洋法裁判所(2)国際司法裁判所(3)仲裁裁判所(4)特別仲裁裁判所−への訴えを、自由に選択できると規定している。
 ただ、(1)と(2)は各国が条約締結時などに、これを受け入れることを書面で「宣言」していることが、大前提となる。仲裁裁判所の方は、各国が受け入れていると見なされる。
 ここで提訴する側のネックとなるのは、(1)と(2)の受け入れを紛争の相手国が宣言していない場合、一方の当事国は提訴できないという規定だ。1996年に締結した中国は、(1)と(2)の受け入れを宣言していない。このため、フィリピン(84年締結)は国際海洋法裁判所への提訴を逡(しゅん)巡(じゅん)し、仲裁裁判所に訴えたのだ。
条約では、相手国への書面での通告をもって仲裁手続(提訴)に付される。フィリピンは中国側に通告済みで、提訴したことになる。今後は、計5人の「仲裁人」が選定される。フィリピンと中国の双方が独自に1人ずつ、残る3人は両国の合意により選ばれる。
 馬克卿・駐フィリピン中国大使は「2国間での解決」を繰り返し、提訴に応じない姿勢を示唆した。ただ、中国が仲裁人の任命を拒否しても、国際海洋法裁判所長が任命する規定になっており、一方的に手続きを進めることは可能だ。
 国連の潘基文事務総長は「技術的、専門的な支援をする用意がある」としているが、「中国の時間稼ぎによる長い道のり」(フィリピン政府筋)になろう。》(産経1月23日)
この提訴自体がけしからぬと中国は訪中したフィリピン団体をどやしつけている。
《中国国家海洋局によると、劉賜貴局長は北京で1月31日、訪中したフィリピンの経済団体一行と会談、双方が領有権を争う南シナ海スカボロー礁(中国名・黄岩島)や、沖縄県尖閣諸島に言及し「中国の海洋権益を侵害したり挑発したりする行為に対しては、絶対に容赦も譲歩もしない」と述べた。
 劉氏はスカボロー礁をめぐり、フィリピン海軍が昨年4月に中国漁船を取り締まったことや、国連海洋法条約に基づく仲裁裁判所に解決を求めると決めたことを「無責任な政治的挑発行為」と激しく非難した。
 さらに、こうした行為は国連海洋法や(南シナ海で新たな実効支配を禁じた)「南シナ海の行動宣言」に違反すると決めつけ、フィリピン側の動きは「無駄な努力」と述べた。》(共同2月1日)
中国は、ささいな衝突や小競り合いをきっかけに、緊張を高めて圧力をかけ相手に譲歩を強いるるパターンで南沙の島々の実効支配を拡大している。これはベトナムに対しても同様だ。
衝突や小競り合いの過程で、中国側に損害・犠牲が出れば一気に行動をエスカレートさせるだろう。この間、中国が挑発を強めるのを見ると、それを望んでいるのでは、とも思う。
二国間の話し合いで、中国の「善意」に頼るだけでは難しい。
中国が一線を越えないよう牽制するためにも、海上警備、防衛体制を整備するとともに、国際社会に事態をアピールすることが必要だと思う。