ゆうべ、海外にいる取材班から映像を入れたハードディスクがカーゴで成田空港についた。
きょう、それを取りに行った。貨物ビルに向かう途中、ステージのある広場に出た。「中央広場」といいイベントを行うところだという。空港にこんな施設があるとは知らなかった。
それにしても、成田空港は寒かったな。
・・・・・・・
安倍総理の靖国参拝にさまざまな見方が新聞に載っている。
『産経』はイケイケで、今朝の一面には、古森義久(ワシントン駐在客員特派員)による「靖国参拝 オバマ政権の偽善」という評論。
《日本の首相は頻繁に靖国を参拝すべきだというジョージタウン大学のケビン・ドーク教授》の意見を紹介しながら、「失望」を表明したオバマ政権にかみついている。
昨日のコラム「産経抄」は、
《長生きはしてみるもので、きのうの朝日、毎日両新聞の1面にそろって「国益」という活字が躍っていた。朝日新聞ではコラムでも使っており、「国益」より「平和と民主主義」が大事だと考えておられる両紙の愛読者はさぞ失望されたのではないか。》と書き出し、いわゆるリベラル派が、今回の首相参拝を「国益を損なった」という論理で批判したことを皮肉る。そして、《首相の靖国参拝で得られた国益はかなり大きい》と結論づける。えっ、どうして?
理由は、第一に首相が公約を守ったことで「政治力」がアップした。第二に《米国務省が「失望した」と、表明してくれたのも国益に大いに役立った。日米同盟が永久不変なものではなく、歴史認識ひとつとっても日本が逐一、主張しなければ、中韓のプロパガンダ(宣伝)工作にしてやられかねないことを教えてくれた》と書く。
一人よがりの独自の世界である。
近現代史を巨視的に見て、欧米列強による植民地化・世界分割と後発帝国主義の日本による植民地化・侵略を比べたとき、前者が桁違いの巨悪(人的被害という点でも、その後の歴史への影響という点でも)であることは明らかだと思う。
また、アジアといっても、中韓と北朝鮮を除けば、ほとんどの国、地域で日本は非常に好感を持たれており、過去への反省を求める声はない。
しかし、だからといって、「先の戦争」を正当化してはならないのである。特に、政権を預かる政治家は、「気に入らない」、「溜飲を下げたい」などという動機での言動を厳につつしまなくてはならない。
過去の戦争をどう評価するかについては、別に書いてみたい。
『朝日』は、オピニオン欄に東郷和彦(元外交官)と小田嶋隆(コラムニスト)が登場し、いずれも参拝を批判した。
東郷氏は、《一番の問題は、日本の戦争責任について日本人自身がいまだに総括していないことです》と書く。
これは、よく聞くフレーズだが、戦後70年になろうとしているとき、そんなことが可能なのか。それに、今進行中の事態をどうするかを語ってほしい。
小田嶋氏は、フェイスブック(FB)が安倍参拝の根拠になっているのでは、とネット社会の怖さを指摘する。
《安倍さんのFBを見ていると、称賛の声しかありません。FBは誰のものでも基本的にファンしか集まってきません。(略)参拝後、「いいね!」ボタンが4万回押されたそうです。(略)
ちょうど白雪姫に出てくる魔法の鏡のように、「世界で一番愛されている首相はだれ?」と聞くと、「安倍さんに決まってますよ」という返事が返ってくる。それを毎日見ているうちに、どうしても影響される》
きのうテレビで、首相参拝への賛否をネットでとったら、7割が「賛成」だったという。
朝日新聞が、秘密保護法案への賛否を電話で聞いたら賛成24%、反対51%だった(12月7日実施)が、ネットでアンケート調査したら、賛成が反対の数倍にのぼった。
いわゆる「ネトウヨ」が動員をかけていることもあるが、ネット社会と民意のありかについて考えさせられる。