オフィスに行く前に、千鳥ケ淵戦没者墓苑へ。
地下鉄九段下の駅から警官が整理にあたり、上に出ると、人の波と日の丸、夥しい数の機動隊が見える。右に靖国神社、左に武道館をみながら靖国通りを歩き、11時に墓苑に続く緑道に入ろうとすると、通行止めになっている。安倍首相が来ているらしい。首相は墓苑で献花したあと、武道館の全国戦没者追悼式に向かう。
あとでニュースで、追悼式で天皇が、「過去を顧み、さきの大戦に対する深い反省」、「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ」「戦後という、この長い期間における国民の尊い歩み」という表現を新たに「おことば」に入れたと知った。天皇は、まるで、今の政治状況を鑑みながらバランスをとって行動しているかのようにみえる。
しばらく待たされて、12時近くに墓苑に入る。入れ違いに黒づくめのセキュリティのグループがどっと出てきた。
きょうが一番参拝者が多いはずだが、それでも人口密度は低い。靖国とは大違いだ。
菊の花を供えてお参りする人の列にならんでいたら、パンパンと拍手を打つ人も。あのー、ここは神社じゃなくお墓なんですけど・・でも、日本は古来、神仏習合でやってきたから、まあいいか。
お参りを終えると、ある団体が集会を始めた。安保関連法案と安倍内閣を激しく批判している。へえ、ここで自由に催し物ができるのか。戦没者のお墓の前で、反戦集会とは、ちょっと新鮮な光景だった。(上の写真)
墓苑の入り口には、どの戦線で戦没者の数を示す地図があり、高齢の男性が孫だろう若い人たちに、「この南方の島で戦ってたくさん亡くなったんだよ」と説明していた。
ここに来ると、いつも、無数の戦没者に見守られていると感じる。そのなかには、私が「発見」したことから遺骨が収容された数百の兵士もいる。
私にとっては、大きな癒しの時間だ。