きのうの夜は、日本に住む、ミャンマーの少数民族、カチン族の人たちの「チャリティ・コンサート」に行った。
写真は女性歌舞団の民族舞踊。
二十年前、中央の軍事政権と武装闘争を続けていたカチン族組織KIA(カチン独立軍)の拠点パジャオを取材したことがある。
団結力の強い勇猛な民族で、KIAは、ミャンマーの少数民族武装勢力の中では最強の戦闘力を持っていたと思う。
中国の雲南省から密入国し、山中の司令部に半月ほど滞在するうち、すっかりカチンの人々が好きになった。
食を含む文化にも日本に通じるものがある。
食事には納豆が出てくる。薬味(生姜のような)を入れてかき混ぜるところまで日本にそっくり。醤油でなく塩で味付けして暖かいご飯にかけて食べる。
このコンサートの目的の一つは、戦闘の激化で急増する避難民への支援金をつのることだった。歌や踊りにやんやの喝采と、たくさんのレイ、花束がささげられたが、レイが2000円、花束が3000円の寄付になっている。
ミャンマーは民主化でもう平和になったと思われているが、実はいま北部カチン州では激しい戦闘が行われているのだ。
国際的に、もっと関心を持ってもらいたいと思う。
今朝の東京新聞から;
《ミャンマー北部カチン州で、政府軍と少数民族の武装勢力「カチン独立軍(KIA)」の戦闘が激化している。政府軍は軍用機を使って空爆を実施したのに対し、国際社会は懸念を表明。民主化進展のために必須の国民和解が進んでいないことがあらためて浮き彫りになった。
AFP通信によると、ミャンマー政府は四日、一連の戦闘で軍用機で空爆を行ったと認めた。KIAが線路や道路などを爆破し、地域の平和を脅かしているため「自衛」のためと説明した。戦闘は先月下旬から激化し、KIAに占拠された軍事施設を奪還する目的などのため軍用機を使用したという。
戦闘は中国国境付近で行われ、中国外務省報道官は四日、空爆が行われた十二月三十日夜、中国領に三発着弾したと発表。死傷者はなかったがミャンマー側に再発防止を求めた。
米国務省のヌランド報道官は空爆の事実を確認したとし、「深く憂慮する」と発言。国連の潘基文(バンキムン)事務総長の報道官は「人々の生命を脅かすような行為をやめるようミャンマー当局に求める」と述べた。
最大野党、国民民主連盟(NLD)のアウン・サン・スー・チー氏に和平の仲介を期待する声も上がるが、スー・チー氏は「それは政府の責務」との立場を示している。テイン・セイン政権は、独立闘争を長年続けてきた計十一の主要武装勢力のうち、KIAとだけ停戦合意が実現していない。カチン州では二〇一一年六月、政府軍とKIAの大規模な衝突が起きて以降、数万人の難民が発生している。》(東京新聞)
ミャンマーの課題は、民主化と民族和解があり、互いに関連はしつつも、別の解決法が求められる。
スーチーさんの力量が、これから本当に試される問題でもある。