企業再生は公的資金と「追い出し部屋」で

takase222013-01-06

今年は厄年。神社のことをもっと知りたいという思いもあり、谷保天満宮国立市)に行って、生まれて初めて「お祓い」というのをやってもらった。

ここは、東日本で最古の天満宮だ。
天満宮というのは「天神さま」で、菅原道真を祀ってある。学問の神とされて、学業成就、受験合格のお願いに行くところとして知られる。
写真はたくさんの絵馬。子どもの健康、合格、就職、安産と一つひとつに必死な願いが書き込まれ、「気」を発しているような感じがした。
私は、絵馬に「大志貫徹」と書いて奉納。ちょっと場違いな文句だったか。
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今朝の日経一面トップは、「製造業復活へ税優遇」「新基金、海外進出促す」。
リードは《政府の日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)が検討する成長戦略の基本方針案が明らかになった。政権の最重要課題である経済再生に向け「日本産業再興プラン」「国際展開戦略」「新ターゲティングポリシー」の3つの分野の成長戦略を6月までに策定する。具体的には中小企業の海外展開を後押しする基金の創設や、税制の優遇措置を実施する特区の創設などを検討する》。
この路線で、経済再生をやっていいのか、効果があるのか。
晦日の新聞を思い出した。
日経の一面トップが「公的資金で製造業支援」「工場・設備買い取り」「官民、5年超で1兆円」だった。
《政府は電機メーカーなどの競争力を強化するため、公的資金を活用する方針を固めた。新法制定でリース会社と官民共同出資会社をつくり、工場や設備を買い入れる。企業の過去の投資に伴う負担を和らげるのが狙い。技術革新が速い半導体や液晶パネルなどをつくる企業が手元資金を増やし、機動的に新たな設備投資をできるようにして次世代の成長基盤固めにつなげる》
ああ、これは苦しんでいるパナソニックなどを助けるんだな。と思いつつ、今度は朝日新聞を見ると、こっちの一面トップはもろにパナソニックの話だった。
見出しが「配属先は『追い出し部屋』」「会社『退職強要ではない』」「30〜40代も社内失業」
内容は、年間7000億円もの巨額な赤字を計上予定のパナソニックグループの2社で、人員削減のために、「追い出し部屋」と呼ばれる部署に配属して自主退社を促しているというもの。
正式名称を「事業・人材強化センター」といい2社の全従業員の1割近く、449人が在籍する。30〜40代までもが対象で、ある女性社員は去年夏「今の部署にあなたの仕事はない」と言われ、希望退職に応じるか同センターに異動するかの選択を迫られた。
仕事は他部署の応援か、何もせずに終業時間を待つだけ。パナソニック本社は「会社として退職を強要するものではない」と回答したという。
ソニーNEC朝日生命などにも同じような種類のセクションがあり、ここ数年、大手企業でこうした部署の新設が目立つという。
政府がやろうとしている一連の施策は、非人道的な人減らしを行う企業に公的資金で支援し、もっと海外に出なさいと勧めているのである。
これでは、日本国内に若者の仕事場を増やすことにつながらない。
日本経済をどうするかのグランドデザインは、自民党政権下で、昔に逆戻りするのではないか。