花びら餅

takase222013-01-03

年末、障子の貼替えなどという面倒なことを思い立ったが、せわしくてできず、大晦日、火葬場から帰ってから、テレビで紅白をやってるあいだ作業をした。
汗だくで貼り終えたばかりの障子を持って部屋を移動していたら、家具にぶつけて穴をあけてしまう。せっかく貼ったのに。
窓拭きでも、体が思うように動かないのでミスばかりする。注意力、体力が衰えて、ああ歳だなあと自覚した。
こないだも自転車で走っていたら事故を起こしそうになったし。今年はいよいよ還暦だから気をつけよう。還暦は厄年でもあるのだ。
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今年は三が日を休むことができ、静かに家で過ごした。
きょうは母に年始の挨拶に行ったほかは、仕事の連絡で、電話とメールそれぞれ5回ほど送り、あとは家で調べ物などして終わった。
きょうは、かみさんが「花びら餅」という面白いお菓子を買ってきた。
これ、お茶をやる人は知っているそうで、新年の初釜でよく出る季節物だという。もともとは、宮中で行われた、固いものを噛む「歯固めの儀式」に由来するらしい。
白餅を丸くのし、小豆汁で染めた菱形の餅を重ね、密漬けした牛蒡(ごぼう、これは押し鮎に見立てたもの)と、白味噌仕立ての味噌餡をのせ、二つ折りにしたもの。この形は明治中期に完成したという。
ほんとに真ん中に牛蒡が入っている。
はじめて食べた。いままで食べたことのないような微妙なうまさ。私はグルメではないので、どのくらいうまいか言えないが、よく作ったなと感心する味だった。
これを製造したのは、地元のお菓子屋「一真庵」。http://issinnan.com/index.html
東京・国立市に住んでいたころ、うちの近所に小さな店が開店した。駅から遠く、値段も高めなので商売が成り立つのかと思っていたら、少しづつ「あそこのお菓子は違う」という評判が立つようになった。
若夫婦が、店の名前どおり、真面目に丁寧に作った和菓子は実にうまい。
去年10月の父の葬儀などで、参列者に「一真庵」のお菓子をふるまったら、こんなに美味しい和菓子を食べたことがないと何人もから言われた。
国立市から引っ越してからはご無沙汰だったが、かみさんがたまに近くを通るときには、「一真庵」に立ち寄って買ってきたものだった。
去年、中央線の西国分寺駅がリニューアルされて構内に商店街ができたが、なんとそこに「一真庵」の支店が開店した。
どこでも、コンビニや百円ショップはどんどん増えて、地元商店は寂れる一方だが、こういう地元でがんばっているお店はぜひ応援したい。