島田紳助の美学?

島田紳助の引退が、民放だけでなくNHKのニュースでも大きな扱いだ。
紳助さんとは、「サンプロ」のMCをやっていたときにお付き合いがあった。放送前日の土曜夜に打ち合わせがあり、私はよく特集をレクチャーした。あの忙しい中、サンプロは手を抜けないと必ず土曜の夜は東京のホテルでじっくり予習していた。
ある土曜の打ち合わせで、翌日のカンボジア特集を説明しようとしたところ、紳助さんの方から、「カンボジアには四つの勢力があったんやな」と、ヘンサムリン派、ポルポト派、シハヌーク派、ソンサン派を数えあげた。その前のカンボジア特集は3年以上も前のこと。よく覚えているものだなと驚いた。何をレクチャーしても、打てば響く、才気を感じさせる反応で、感心させられた。もともと頭がよい上に、こつこつ勉強しているのだなと思った。
サンプロ」といえば、政治家との対談など、かなりかたい内容なのだが、その中で、紳助さんのコメントは実に的を射た、しかも視聴者が聞きたいことを代弁したものだった。
田原総一郎氏がスタジオで、急に「紳助さん、どう?」とふっても、当意即妙にポイントを押さえた発言をするさまは、それは見事だった。コメント力のすごさは、歴代報道系ワイドショーのMCのなかで並ぶ人を思いつかない。
サンデープロジェクト」という番組のMCに、島田紳助を起用した人は大したものだと思う。
打ち合わせのはじめ30分以上は、紳助さんがワンマントークで、MCの宮田佳代子さんや番組スタッフにいろんな話をして盛り上げるのだが、それを聞いていると、株など財テクにとても詳しく、きっとビジネスでも成功するだろうなと思った。またウラ社会とそれなりの接点があることをほのめかしていた。
だから、暴力団との関係自体に驚きはしないのだが、あれほど頭がよい、世渡りのうまい人が、会見で語った程度の事実関係で、後輩に手本を見せる、「美学」だとして引退することを、ああ、そうですかと素直に納得できない。
ツイッターでは、ジャーナリストの堤未果が;
「(略)大々的なワイドショー的報道はスピン=裏には深刻なニュースや水面下で危険な法案が進んでいる可能性が高いので注意したい。TV社会アメリカでも繰り返しみたこの手法、情報統制された国より日米のように日常的危機感のない国民の方が簡単に惑わされる」
と意味深なコメント。
ついで、ジャーナリストの津田大介が:
島田紳助は米国の地震を隠蔽するために引退をしたという陰謀説」
とツイート。原発問題にまでからむ?・・まさか。
すると、内海桂子がピシャリときめた。
「山の頂上にいると思っているからあんな司会が出来たんでしょうね。常識人ではとても出来るもんじゃない。でも山にも高さ、険しさ色々あるわよ。芸人と言うのなら芸の力で世の中に勝負するのが本筋。その範ちゅうで付き合っている人と言い切れれば決して止める必要はない。会社がどうこう言ってもね」
内海桂子師匠って何歳?ツイッター駆使してお元気ですね。
暴力団といえば、震災の翌日に、ウラ社会に詳しい人から、ある組が重機を押さえ始めたとの情報を聞いていた。
被災地での暴力団の暗躍がむしろ気になる。